旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~

榎夜

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35話 それだけですか?

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「もうっ!メイリス!シエラとお話したいから魔力を頂戴ってずーーーーーっと言ってたじゃない!遅すぎるよー!」

メイリスの周りをクルクル飛び回りながら怒っている精霊の姿は、とにかく可愛かった。

それに対してメイリスは、

「その姿にするには魔力をだいぶ使うって言ってたじゃないですか...」

と溜息をつきながら話している。

メイリスがそんな態度をとるなんて、珍しい光景だなって思ってジロジロ見てしまう。


ずっと見ていたいけど、今もリリーからの攻撃は続いている。私が展開した魔法も、そろそろ限界が近い。

私は2人の話を遮って、精霊に話しかけた。

「精霊さん、早速で申し訳ないんですが、魔族を止める方法を知っていませんか?」

挨拶は後でさせてくださいね、と付け加えると、精霊は、絶対だよ!シエラと沢山お話したい!と嬉しそうに羽をパタパタさせた。

その後に

「あのね!シエラは聖女だから心から祈れば解決するよ!」

と言われた。


.........それだけ?

と思ったのは私だけではないはず。

その証拠にメイリスも少し驚いた顔をしている。

精霊はそれを察知してか

「あー、でもね、魔族から攻撃されるけど、結界とか張れないから集中して祈るのは難しいかもー」

あはは...と乾いた笑みを浮かべてそう言った。

確かに...何も無いところで祈るのは簡単かもしれないが、攻撃をかわしながら祈る、と考えると、とてつもなく難易度が上がってしまう。

解決策がわかったけど、その間、リリーはどうしましょう...。

と考えていると

「だからね!愛し子のメイリスがシエラを守ってー、聖女のシエラ祈る、ってやればすっごい楽にできると思うの!」

ふふん、と自慢げに言う精霊に対して、失礼かもしれないが

......精霊って思ったより頭が良いのね。

と思ってしまった。

でも、それが出来れば私は祈りにも集中出来る。



「メイリス。精霊が言った通り、私を守ってくれる?」

と聞くと、メイリスは勿論です、と答えてくれた。






✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


~フォストside~


シエラから頼まれた俺は言われた通り陛下達と謁見の間から1番離れた部屋へと向かった。

勿論、どうやって行けばいいのかわからないので、道案内は宰相がしてくれた。


離れといるとはいえ、安全だとは言えないが、無事に全員が避難できたことに安堵した。

シエラ嬢は大丈夫だろうか......やっぱり今からでも行って一緒に...いや、俺が行っても足手まといになるだけか.........。

そんなことを頭の中でグルグル考えていると、気付いたら俺の目の前に陛下が立っていた。

どうしたのか、と思ったら

「ハルエット国の第3王子よ。我が国の騒ぎに巻き込んでしまってすまない」

と言われた。

魔族...は想定外だったが、シエラ嬢に勝手に着いてきたのは俺だ。

もしこんなことにならなかったとしても、このタイミングで第三者でしかない俺がいる時点で本当は嫌味ひとつでも言われても...と思っていたから驚いた。

まぁ、そんなことをしたら国際問題になる可能性もあるから、ないとは思うが...。


「俺が勝手にシエラ嬢に着いてきたんです。謝る方は俺の方です」

と俺が言うと陛下は、ほっとした顔をして俺から離れた。



着いてきたくせに何も出来ない自分が情けなくて静かにため息をついた。
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