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29話 リオル兄side
しおりを挟む父上が勝手にリオルの死亡届を出してからだいぶ日付が経ったある日の朝、急に役人の人が家を訪れていた。
まぁ、連れていかれたのは俺ではなく父上だったから、また何かやらかしたんだろうな、くらいでしか思わなかったが、帰ってきた父上の顔は怒りに満ち溢れていて思わず
「何だったんだ?」
と聞くと
「アイツ!黙って言うことを聞いていれば良いのに今更、リオルが死んだことをカノンにも伝えるなどと言ってきた!」
なるほど。それで怒っていたのか。
だが、
「なぜカノンが関係あるんだ?」
リオルが死んだ、ということはカノンはもう我が家と何も関係がないじゃないか。
そう思ったから俺だってカノンに手紙を書かなくなった。
まぁ、それに関しては書くのが面倒になってきたから丁度良かったな、くらいでしか思ってないが......。
すると母上がキレ気味に
「関係あるに決まっているじゃない!リオルとカノンさんはまだ離婚していないのよ?」
と父上に言うと
「どうせ離婚するつもりだったんだろう!?だったらなぜ言う必要がある!?」
あぁ、こうなってしまうと面倒だから、とりあえず言い合いさせておこう。
つまりはリオルとカノンはまだ夫婦だから死亡したことを報告するのは当然だろう、ということで父上は呼び出されたのか。
それは確かに役人の方が正しいな。
いや、その前に死亡届を出した時点で報告されるのが普通だろう?
なぜわざわざそんなことで話をしに来たんだ?
そう思っていると
「あぁ!だから離婚してからにしましょうって言ったのに貴方が勝手に進めてしまうから!」
............は?
「いや、ちょっと待て。母上は最後までリオルのことを反対していたんじゃないのか?」
確か母上は、父上がリオルを死んだことにする、と言った時1人だけ反対していたはずだ。
だが、今の言い方だったら死亡させてもいいけど離婚してからにしろ、と言ってるのと同じだ。
すると父上は母上を思いっきり睨みつけながら
「ふんっ!こいつが反対したのはお前の前でだけだ!寝室に入るなり、離婚してからにしろ、とか財産のことを揉めなくて済むわ、と喜んでいた」
「ちょっ.........そんな風には言ってないじゃないの!」
「どうだかな」
なるほどな。
つまり母上もリオルの浮気ごときで金を出すのが嫌だった、ということか。
後は父上の財産狙い、といったところだろう。
馬鹿馬鹿しい。
思わず溜息をついてしまった。
すると、2人の視線は一気に俺に集中してしまったから仕方なく
「.........俺だってリオルの件は了承した。だが、勝手に死亡届を出したのは父上だ」
と話すと
「お前だって乗り気だっただろ!」
はぁ......相変わらず都合が悪くなると全て人のせいにするんだな。
なぜか母上は期待している目で俺を見ているし。
面倒くさい。
そう思いながら
「もういい。とりあえず、このことはカノンに伝えるか伝えないかは父上に任せる。ここまで勝手にやったんだから最後まで勝手にやっててくれ」
と逃げるように部屋を出た。
父上が何か叫んだ気がするが勝手にやっててくれ。
俺はこの件に関しては無関係だからな。
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