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6話
しおりを挟む「え.....一体何のこと...」
まぁ、当然そうなりますよね。
なので、
「貴方のことは調査済みですよ。人身売買、闇営業、脱税......まぁ、よく今まで隠して来れましたよね」
王妃様から受け取った資料をパラパラとめくりながら教えて差し上げました。
脱税に関してはリリアさんは関係ありませんが、人身売買の方はあまりにもやり方が悪質ですわね。
一旦メイドとして家で雇った後に、売人を家に呼んで強制的に売りに出す。
被害にあっている人は2桁を超えます。
中には行方不明になっていたリリアさんの取り巻きさんもいますね。
リリアさんも関わっていたことは明白ですわ。
リリアさんは
「えっと....それは......」
と顔を真っ青にさせて言葉を探しています。
ですが、もう何を言っても遅いですよ?
だって、証拠は山ほどありますからね。
リリアさんの後ろに隠れている取り巻きさん達には
「あぁ、それから散々私のことを侮辱してきた貴方達は全ておうちの方に連絡がいっておりますので......当たり前ですよねぇ?」
そう言うと、全員が顔面蒼白です。
まさか、自分より目上の私に対してあんなことをしておいて、何もないと思っていたんでしょうか?
そんな甘い話なわけありませんわ。
そう思っていると
「なんでっ!いままで上手くいってたのに!」
上手くいっていた、ですか。
勘違いにもほどがありますわね。
「王太子を狙う奴の身元を調べるのは当然のことだろ?」
というアルフレッド様の後に
「それ以前にあれで上手くいっていると思うほうがおかしいですわ。アルフレッド様は結構わかりやすく嫌がっていましたよ?」
だいぶ嫌がっていましたね。
あんなにわかりやすかったのに、ここにいる人たちは気付けなかったことに驚きですわ。
「う、嘘よ!」
「いや、マリアンヌの言うとおりだ。大体、なぜ俺の婚約者のことを悪く言う奴なんか好きにならなきゃいけないんだ」
「そんな.....!」
ついにリリアさんは膝から崩れ落ちてしまいました。
あ、そういえばアルフレッド様からは大事な話、とか言われていたんですっけ?
「アルフレッド様、大事なお話は終わりましたか?」
と私が聞くと、あぁ、と短く頷いたので
「じゃあ私は失礼しますわね?今日も王妃様に呼ばれていますので」
もう私がここにいる必要はありませんわね。
さっさと退散することにしましょう。
すると
「あぁ、王宮に行くなら俺も行こう。やっと解放されたんだからそれくらい良いだろ?」
「まぁ!もちろんですわ」
珍しいですね。
リリアさんの件もあったのでなるべく一緒にいないように心がけていましたから。
あ、その前に言い忘れていたことがありましたわ。
「もう少ししたら貴方のお迎えが来るので、大人しく待っててくださいね」
私がそう言ってほほ笑むと、少し離れたところから数名の人が近付いてくる音が聞こえてきました。
思ったより到着するのが早くて驚きですわ。
リリアさんが何か叫んでいますけど、私には関係ありませんよね。
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