まさかその程度で私の婚約者を奪ったつもりですか?

榎夜

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39話

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次の日、私はアルフレッド様と話をしていました。

私がこれからやろうとしていることについて伝えたんですが.......

「ダメだ」

の一点張りですわ。

アルフレッド様は無駄に頑固なところがあるから厄介なんですのよ。

ついため息をつきそうになるのをグッと堪えて

「なぜですの?誰かが動かないとこの話は進みませんわ」

そう尋ねると

「流石にそれはまだ早すぎる」

そう言って、アルフレッド様はその話を終わろうとしました。

一応お兄様にも言ったんですけどね、反対されましたの。

しかも理由は同じく、まだ早すぎる、とのことで。

私だってそう思いますわよ?

でも、誰かが大きく話を進めていかないと、ダラダラ続くのはごめんですわ。

なので私はあえて厳しめの口調で

「でしたらいつになったら動いても良いんですの?」

そう言うと、アルフレッド様は少し言いづらそうにしながら

「そういうことは、もう少し証拠がそろってからの方が.......」

と言って私と目を合わせようとしません。

私にそう言って納得するとでも思っていますの?

当然、それだけの理由でしたら納得できませんわ。

「私もそう思っていましたわ。でも、そうなるといつまでかかりますの?」

アルフレッド様を軽く睨みつけながらそう言うと、

「そんなに急かしても良いことはないぞ」

なんでしょう?

今、少しイラっときましたわ。

急かしても良いことはない?

実際にダラダラと調査をしているうちにエリザベス様があんな状況になったというのに?

そう言いたくなりましたが

「今、こうやって私達が話をしている間にもエリザベス様はつらい思いをしています」

とだけ私が言うと、

「それはそうだとしても........」

どうやら、何が何でも許可したくない、という様子ですわね。

なぜそこまで止めるのかわかりませんが、私の圧に少しずつ押されていますわね。

もう少しでしょうか?

なんて思いながら

「私を納得させたいのでしたら、もっとそれなりの理由を教えてくださいませ。無いのでしたら私は個別で動きますわ」

そう言って席を立ちあがると、今までにないくらい小さな声で

「俺はマリアンヌに何かあった時のことも考えて止めているんだ」

そう言って、まだ私のことを止めようとします。

ここまでだとしつこく感じますわね。

正直面倒ですわ。

私の腕をつかんで止めるアルフレッド様に

「だったら近くに護衛を連れていればどうにでもなりますわよ」

とわざと冷たく言うと

「確かにそうだが........」

そう言って、何か考え込んでしまいました。

はぁ.....ここまで長かったですわね。

まさかここまでしつこくなるとはおもいませんでしたわ。

アルフレッド様は大きくため息をつくと

「わかった。俺の負けだ」

そう言って、両手を上げました。

「じゃあ........」

「好きにやってみるといい。それで解決することが出来たらこっちも都合がいいからな」

やりましたわ。

これで私も動けますわね。

するとアルフレッド様は急に真剣な顔に変わって

「それで?いつやるつもりだ?」

と私に尋ねてきたので

「近いうちに。早ければ明日にでもと思っていますわ」

実はもう連絡はしてありますわ。

後は返事待ちというところですわね。

私の返事にアルフレッド様が

「その時エリザベス嬢は?」

と尋ねてきました。

「流石に私1人でやろうと思っていますわ。アルフレッド様は近くにいてくれるとありがたいですわね」

これにエリザベス様を連れていくのはちょっと......と思ったんですよね。

何を言い出すかわかったものではありませんし。

さて、じゃあ許可ももらえましたし、お兄様にもそのことを話さないといけませんわね。
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