まさかその程度で私の婚約者を奪ったつもりですか?

榎夜

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47話

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陛下と話が終わると、お父様とマカルポーネ公爵が別室で待っていてくれました。

2人だと、どのような会話をするのかな?と思って皆でこっそりと観察していると

「全く......お前の娘は色々と騒ぎを起こすな」

「まぁ、そういうところも可愛いと思うけどね」

なんということでしょう!

あの2人が仲良くお茶を飲んでいますわ。

マカルポーネ公爵、なんだか雰囲気が柔らかくなりました?

前までは話しかけるな、みたいなオーラが前回でしたのに、今は感じられませんわね。

そう思っていると、お父様はニヤニヤと笑いながら

「そういう自分だって、わざわざ嫌いな俺に手紙なんて寄こしてエリザベス嬢の安否を確認してきただろう?」

そう言うと、マカルポーネ公爵はお茶を吹き出しそうになるほど動揺していますわ。

でも、すぐに立て直して

「まぁ、一応大事な娘だからな」

そう言って、再びお茶を口に含んでいます。

「こうやって2人でお茶を飲んでいるなんて想像できなかったよ」

「互いに年を取ったということだ」

なんだか和やか、というほどでもありませんが、こうして2人が揃っているのを見るのは嬉しいですわね。

エリザベス様も同じことを思っているのか、頬が緩んでいますもの。

さて、そろそろ行きましょうかね。

そう思ったときでした

「あ、ところで話は変わるんだけど、エリザベス嬢を我が家に迎えたいなーと思ったんだけど」

お父様が急に衝撃的な発言をしましたわ。

我が家に迎える?

エリザベス様を、ですか?

思わず皆で首を傾げていると

「な、なんだと!?養子にするということか!?」

マカルポーネ公爵もお父様を睨みつけてそう言っていますわ。

確かに良い方的にそういうこと、みたいでしたわよね?

どういうつもりなんでしょう?

そう思っていると、お父様はニヤニヤしながら

「いやいや、違うよ。私が言っているのはね、ルイスの婚約者として、ということ」

「なっ!」

まぁ!

これは驚きですわ!

咄嗟にお兄様とエリザベス様を見ると、2人は顔を真っ赤にして口をパクパクとさせています。

でもお父様はこちらの様子を知らないので

「あの2人、結構いい感じだと思うんだよねぇ」

そう言っていますが

「ま、待て!話が進みすぎて...........」

こんな話を急にされると、誰でもそんな反応になりますよね.........。

すると

「本当ですわ!」

今まで折角内緒で見ていたのに、耐えられなくなったエリザベス様が勢いよく扉を開けてしまいました。

案の定マカルポーネ公爵は

「エリザベス!?」

と驚いた顔をしています。

でもお父様は

「あ、やっぱり聞いてたんだね」

そう言って、手をひらひらと振って微笑んでいますね。

やっぱり、ということは確信犯ですか。

流石ですわ。

なんて思いながら私とお兄様も部屋に入って

「お父様、わかっててやっているのなら相当性格が悪いですわ」

と私が言うと

「そうかな?」

良い歳の男性がそんなに可愛らしく首を傾げても無駄ですわよ.........。

お兄様は

「というか、まず先に俺たちに話すべきじゃないの.........?」

と言って苦笑してしまっています。

確かにそうですわ!

というか、私が2人のことをくっつけたかったのに、仕事が早すぎますわよ!

そう思いながらお父様を見ると

「確かに、ちょっと急ぎすぎたかもしれないな」

そう言って、ヘラヘラと笑っています。

一方マカルポーネ公爵とエリザベス様は2人で必死に話をしていますわね。

この様子ですと、家に帰ってからも大丈夫そうですわ。
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