まさかその程度で私の婚約者を奪ったつもりですか?

榎夜

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48話

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次の日、学園を休んで再び王宮に来ています。

.......というか、王宮にお泊りしましたの。

本当はあの後にすぐ帰ろう、という話をしていたんですが、アルフレッド様が

「どうせ明日も来るなら泊まっていく?」

と言ってくれたんですのよ。

私的にはエリザベス様は一旦、家に帰って家族で話をした方が良いと思ったんですが、マカルポーネ公爵が

「明日、家に帰ってこい」

と言ったらしいですわ。

なんだかそれだけを聞いたら物凄くカッコいいですわよね。

なんて思っていると

「早速で悪いんだけど、尋問の結果が来たから見てもらっていいか?」

そう言って、アルフレッド様が数枚の紙を持ってきました。

尋問.......ユーフェミア様ですわね。

エリザベス様を見ると、隣にお兄様がいるおかげか落ち着いていますわね。

ふぅ........と深呼吸をしてから、書類を見ると、

「これは........」

驚きましたわ。

アルフレッド様も苦い虫を噛むような、そんな顔をして

「あぁ、想像していた悪い方が当たっていたな」

そう言って書類を見ています。

書類に書かれていた内容は

マリアンヌ様、つまり私ですわね。の家に泊まりに行く途中で、今回の誘拐犯たちに依頼をしたこと。

それは自分の意志ではなく、脅されてやったこと。

家族は全く関係なくて、全て自分1人で行ったこと。

そして、脅してきた人はハニーア様だ、ということ。

大体こんな感じですわね。

「ユーフェミア様はいつから脅されていたんでしょう?そんな素振りはありませんでしたが........」

私がそう呟くと、エリザベス様も

「そうですわよね......」

と頷いています。

あの場所を見つけることから始めていたとすれば、結構前から、ということになりますわよね。

それに、泊まりに来るとき、ということはその前からあの場所を知っていないといけません。

だとしたらいつから?

1人黙って考え込んでいる私に、アルフレッド様が

「マリアンヌ」

急に声をかけてきました。

「どうしましたの?」

と尋ねると、ズボンのポケットから鍵を取り出して

「ユーフェミア嬢のところに行くか?」

そう言いました。

ユーフェミア様のところ?

「いいんですの?」

「あぁ、父上に許可を取っておいた」

まさかこんなに準備が良いとは思っていなかったですわ。

流石ですわね。

そう思っていると、エリザベス様も

「私も行きますわ!」

と言って席を立ちあがりました。

もちろん、これに反対する理由なんてありませんし、最初から一緒に行くつもりでしたわ。

すると、お兄様も

「まぁ、俺は一応、ね?」

と言ってエリザベス様を見ています。

ということは、エリザベス様のことは任せて、ということですわね。

安心ですわ。

でも、あの牢獄の雰囲気って、何度行っても慣れませんのよね。

もう少し明かりをつけるとか...........あ、でもそんなことしたら通路とかバレちゃいますわよね。
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