この国の貴族達は婚約を破棄したい〜今まで我慢していましたが限界ですからね!〜

榎夜

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フェイン・マスタージュ伯爵子息

3話

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あぁ.......流石にまずかったか?

自分の家に帰ってきた俺はついさっきの自分の発言について考えていた。

今まで何を言われても耐えてきたが流石にここまで言われている意味が分からないというか......いや違うな。

つい最近アリフィア様の婚約破棄があって...それに加えてソフィア様とユーグ様のあの発言。

やはり俺も婚約破棄したいんだろうか...?

そう思いながら自室のベットに寝転がって天井を見つめた。

ミーナとの婚約破棄をしたとして......いや、婚約破棄してしまったら俺は一体どうなるんだ?

それこそ今日の話が父上や母上、それに兄様達に伝わってしまったら.......きっと嫌味や文句を言われるし、婚約破棄出来たとしてもその後の俺の人生が上手くいくとは思えない。

だってそうだろ?どこかの家の令嬢と再び婚約したとしても今のような扱いをしてくれるわけがないし、かといって俺に何か才能があるわけでもないしな。

「早まったなぁ......」

思わずそう呟いたが俺の声はただ静かな部屋の中に消え去った。




次の日の昼休憩、普段は仲のいい人と昼食を食べるところだが、今日はなぜかいつもと違って俺の目の前にはミーナが座っていた。

というのも、俺は普段通りいつものメンバーで食事をと思ったんだが、ミーナが急に俺の教室に入って来て

「行きますわよ!」

と俺の腕を掴んだのだ。

まぁ、クラスの人達も俺とミーナが婚約をしていることは知っていたから驚きの声はなかった...いや、あったかもしれないな。

俺とミーナが同じ学園にいるのに会話をしたところを一切見たことがないというのは有名で、嫌がっているのにミーナの家を乗っ取るために俺が無理やり婚約をしているなんて噂が流れたことがあるくらいだ。

そんな2人が初めて会話をしている光景......きっと今頃はクラスで噂になっているんだろうな。

なんて思いながら、つれて来たものの一言も話すことなく黙り込んでいるミーナに

「それで?一体何の用でしょう?」

他人行儀な言い方をしたからか、ミーナは肩をビクッと震わせたかと思ったら覚悟を決めたようにこう話を切り出した。

「昨日のあれは本気なんですの?」

「本気も何もミーナが俺と婚約をしたくないから毎回毎回あんなことを言ってきているんだろ?」

俺は何の感情も表に出さずに淡々とそう言って、手に持っていたサンドイッチを一口食べると

「べ、別に嫌なわけじゃありませんわ!」

そう言ったミーナはなぜか顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。

まるで俺と顔を合わせたくないかのような行動に心の中でため息をつきながら黙々と昼食を食べていると

「別に嫌いで言ったわけじゃありませんわ...これは本当ですの」

俺があまりにも何も言ってこないからか、話は終わりとでも言いたそうな俺の態度に焦ったからかわからないがミーナは今まで見たことがないくらいしおらしくなって俺にそう言った。

これでは他から見たら俺がミーナを虐めているみたいに見えるんじゃないだろうか?

普段とは全然違ったミーナの態度に俺も思わず動揺しそうになったが、それと同時に俺がここまで言わないと今までのような態度を取り続けていたんだと思ったらなんだか腹が立ってきて

「ミーナは伯爵が俺に取られてしまったのが気に食わないんだろう?婚約破棄したらこれからはミーナが伯爵に色々教えてもらえるんだし君の言う家族としての時間だって沢山出来るじゃないか。何が問題なの?」

思わずそう言うと、ミーナは再び黙り込んでしまった。

だってそうなるよな?俺が居なくなるんだから今度はミーナが次期当主としての仕事をしないといけないわけだし......まぁ、よく考えて見ると自分の領地のことを知り尽くした俺のことを伯爵が手放すとは思えないけどな。

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