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111話
しおりを挟む私だけの変な噂が流れる、というだけだったら慣れているので構いませんが、レオンハルト様にまで悪い影響が出るのであれば話は別ですわ。
どうにかして、この噂を否定しないと、ですわよね。
そう思った私は、なんとかこの状況を打破できる方法はないか、と考えてみましたわ。
ですが、どう考えても私と関わることがない人達に関しては私もどうすることもできないんですのよね。
そもそも、私の噂というのも、私のことを知っている人達が何か原因があるのでは?と考えてくれるおかげで悪い噂にはなっていないだけですし。
なんて思っていると、ふとレオンハルト様が
「パーティーとかがあったら、この変な噂も否定できるかもしれないんだけど......」
と呟いたのが聞こえてきて、反射的に
「私も同じことを考えていましたわ!」
そう答えましたわ。
本当に偶然でしたが、まさか同じことを考えているとは思いませんでしたもの。
なので驚いた、というのもありますが、なんだか嬉しくも思えましたわ。
だってつまり参加して、私のことを見ると皆が噂は違うんだ、と理解してくれるとレオンハルト様も思ってくれているんですのよね?
なんだか信用されているみたいじゃありませんか?
そう思っていると、私の返事の勢いに驚いたのか
「そ、そうなの?」
と戸惑ったように聞かれたので、小さくですが何度も頷いて、本当だ、ということを伝えましたわ。
ただ、そんな簡単な話ではないことはよくわかっていますわよ。
貴族というのはよくパーティーを開く、と思われているかもしれませんが、貴族たちが集まるような大きなパーティーというのは限られています。
それ以外は仲がいい人同士で開くので回数が多い様にも感じますが、今回私が参加したいのは殆どの貴族が参加するような大きなパーティーのことなので、難しい話ですわよね。
なんて思いながら、レオンハルト様に
「出来ることなら、国に帰る前に一度パーティーに参加しておきたい、というのが私の希望ですが、そんなに都合の良い事なんてありませんわよね」
そう言って苦笑すると、うーん....と少し悩んだ後に
「まぁ......一応建国パーティーは行われる予定があるんだけど.......」
と言ったのが聞こえてきましたわ。
......ですが、建国パーティーですか。
国が出来た日を祝う日だというのに、隣国の貴族が参加する、というのは如何なものなんでしょうね。
出来ることなら国の中だけで祝いたいのではないんでしょうか?
そう思った私は、レオンハルト様に
「流石に他国の私が参加するのは難しいパーティーですわね」
とだけ言って苦笑しましたが、レオンハルト様は
「陛下にお願いしてみたら意外と許可してくれるかもしれないよね」
意外にも私が参加する、ということに乗り気なのか考えながらそう言いましたわね。
まぁ....確かに国のトップである陛下が私の参加を許可してくれたのであれば、参加しても何も文句がないと思いますわ。
ですが、私がもし陛下の立場だとしたら、他の国の令嬢が参加する、というのはあまりいい顔が出来ないと思ってしまいますのよね。
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