私のことを追い出したいらしいので、お望み通り出て行って差し上げますわ

榎夜

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242話

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さて、楽しくリーシャ様と話をした私ですが、リーシャ様は最後に

「セリスティア様には凄くお世話になっていたのに、お姉様が本当に申し訳ありませんでした。お父様がパーティーでのお姉様の話を聞いて、すぐにでも婚約者を、と行動しているみたいです」

苦笑しながらそう言って頭を下げてきましたわ。

なるほど.....伯爵はカティ様に婚約者を、と考えていますのね。

私としてはレオンハルト様に執着され続けるよりも、婚約者が出来てそっちに気持ちが向いてくれる、というのが一番ありがたいと思うんですが.......そう簡単に話が進めばいいんですが、相当難しいでしょうね。

だって、カティ様のレオンハルト様に対する執着心のようなものは相当なものだと感じましたわよ?

そう思いながら、本当に申し訳なさそうに謝罪をしてくれたリーシャ様に

「カティ様はなぜあれほどまでにレオンハルト様に好意を寄せていますの?」

と聞いてみましたの。

あぁ、もちろんリーシャ様がカティ様のことをすべて把握しているわけじゃないので、詳しくは知らないかもしれませんが何か知っていることだけでも教えて欲しい、と思いましたのよね。

だって、あのようなことになった原因を知っているだけで私の方も気が楽になりますし、何か納得のできる理由があるのであれば、伯母様の耳にも入れておいた方が良い、と考えていますわ。

私の質問に、リーシャ様は一瞬驚いた顔をしましたが、少しの間の後に

「その......私も詳しくはわからないんですが、どうやら1年前のパーティーでレオンハルト様と少し話をしたことがきっかけだったみたいで......」

そう前置きをして、カティ様がなぜあのようになってしまったのか、教えてくれました。

まぁ、なんといいますか........凄く複雑なものですわね。

だって、カティ様がレオンハルト様に執着をし始めたのと、リーシャ様が部屋に引きこもるようになってしまった原因が全く同じパーティーでの出来事だったんですもの。

というのも、リーシャ様が部屋の中に引きこもるようになってしまった原因というのが、伯爵がカティ様に婚約者をと気合を入れすぎて、持ち上げすぎたことが原因でしたのよね。

リーシャ様を下げることによって、カティ様を良く見せようとした結果、リーシャ様の心が病んでしまった、と。

一方、持ち上げられていたカティ様の方も、自分はそこまで優秀でもないのに、無駄に持ち上げられ続け、それにウンザリしていた時に唯一レオンハルト様だけが優しい言葉をかけてくれた、という出来事があったらしく、そこからカティ様は婚約するならレオンハルト様を、と心に決めたみたいですわ。

それを聞いた私は、思わず

「なんだか伯爵が余計なことをするせいで、カティ様とリーシャ様がつらい思いをすることになっていますのね........」

と言いそうになってしまいましたが、仮にもリーシャ様のお父様なので、グッと我慢しましたわ。
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