259 / 344
259話
しおりを挟む
とりあえず、門番からの話も聞きましたし、馬車を出すことになったのはいいですが、馬車の中ではなんとも言えないような、重たい空気が流れていますわ。
まぁ、ネイトが馬車の中に乗り込んできた時から空気は重たかったんですけどね?
ただ今回の出来事と、門番からの話を聞いて余計に重たい空気になってしまったといいますか.......どんな顔をしていたらいいのかわからない、というのが正解なのかもしれませんわね。
そんな空気に耐えられなくなった私は、わざとらしく大きくため息をついた後に、
「一体誰がこんなことを指示したのかしら?」
と頬に手を当てて呟きましたわ。
すると、私の言葉を聞いてユーリがすかさず
「お嬢様、ということはきっと貴族の令嬢ですよね」
と話に乗ってきましたわね。
多分ですが、皆この話題について触れたかったと思うんですのよ。
ただ、どうやって話始めたらいいのか、という感じで、周りの様子を窺っていたんですのよね。
その証拠に、私の呟きを聞いたユーリもミリアもディアもノリノリで会話を進めようとしていますもの。
そんな3人を苦笑しながら眺めながら、ネイトから聞いた門番の話を頭の中でまとめてみましたわ。
まず、お嬢様だと言っていたので、あの馬車に乗っていた人たちに指示を出したのはお金持ちの家なのは確かなんですのよ。
ただ、お金持ちの平民が......とはなかなか考えられませんわよね。
だって、いくら従者がいるとはいえ、そのようなくだらない指示を出すほどの人数がいるとは思えませんもの。
そう考えると、やっぱり指示を出したのは貴族の令嬢、ということになりますよね。
なんて思いながら、何とも言えないような複雑そうな顔をしている3人に
「多分だけど指示を出したのはレオンハルト様関係の令嬢だと思うのよね。レオンハルト様に好意を持っている令嬢.......と考えるのが普通だと思うわ」
と私が言うと、すぐにミリアが
「やっぱりそうですよね」
と頷いてくれましたわ。
ディアは、というと小さく息を吐きながら
「でも、まさか帰国する日にこのようなことをしてくるとは誰も思っていませんよ」
そう言って、肩をすくめていますわね。
気持ちはわかりますし、私もそう思いますわ。
.....って、よく考えてみると私が帰国する日を狙ってきたのであれば、近い関係の人ですわよね?
だって、私が今日帰国することは、伯父様達とレオンハルト様、シャリア様と陛下たち以外は知らなかったはずです。
それなのに、わかっている、ということは誰かが情報を流しているか、もしくは伯父様やレオンハルト様達と近い関係の人が教えている、と考えるのが普通ですわよね?
......いや、考えてもわかりませんし、今はとにかく無事に家に帰ることだけを考えましょう。
そう思った私は、難しそうな顔をして考え込んでいる3人に
「とりあえず、伯父様達のところに連れて行ってくれるのよね。だったら後は連絡があるまで待つしかないのかもしれないわ」
苦笑しながらそう言うと、3人とも私の言葉に頷いてくれましたわ。
まぁ、ネイトが馬車の中に乗り込んできた時から空気は重たかったんですけどね?
ただ今回の出来事と、門番からの話を聞いて余計に重たい空気になってしまったといいますか.......どんな顔をしていたらいいのかわからない、というのが正解なのかもしれませんわね。
そんな空気に耐えられなくなった私は、わざとらしく大きくため息をついた後に、
「一体誰がこんなことを指示したのかしら?」
と頬に手を当てて呟きましたわ。
すると、私の言葉を聞いてユーリがすかさず
「お嬢様、ということはきっと貴族の令嬢ですよね」
と話に乗ってきましたわね。
多分ですが、皆この話題について触れたかったと思うんですのよ。
ただ、どうやって話始めたらいいのか、という感じで、周りの様子を窺っていたんですのよね。
その証拠に、私の呟きを聞いたユーリもミリアもディアもノリノリで会話を進めようとしていますもの。
そんな3人を苦笑しながら眺めながら、ネイトから聞いた門番の話を頭の中でまとめてみましたわ。
まず、お嬢様だと言っていたので、あの馬車に乗っていた人たちに指示を出したのはお金持ちの家なのは確かなんですのよ。
ただ、お金持ちの平民が......とはなかなか考えられませんわよね。
だって、いくら従者がいるとはいえ、そのようなくだらない指示を出すほどの人数がいるとは思えませんもの。
そう考えると、やっぱり指示を出したのは貴族の令嬢、ということになりますよね。
なんて思いながら、何とも言えないような複雑そうな顔をしている3人に
「多分だけど指示を出したのはレオンハルト様関係の令嬢だと思うのよね。レオンハルト様に好意を持っている令嬢.......と考えるのが普通だと思うわ」
と私が言うと、すぐにミリアが
「やっぱりそうですよね」
と頷いてくれましたわ。
ディアは、というと小さく息を吐きながら
「でも、まさか帰国する日にこのようなことをしてくるとは誰も思っていませんよ」
そう言って、肩をすくめていますわね。
気持ちはわかりますし、私もそう思いますわ。
.....って、よく考えてみると私が帰国する日を狙ってきたのであれば、近い関係の人ですわよね?
だって、私が今日帰国することは、伯父様達とレオンハルト様、シャリア様と陛下たち以外は知らなかったはずです。
それなのに、わかっている、ということは誰かが情報を流しているか、もしくは伯父様やレオンハルト様達と近い関係の人が教えている、と考えるのが普通ですわよね?
......いや、考えてもわかりませんし、今はとにかく無事に家に帰ることだけを考えましょう。
そう思った私は、難しそうな顔をして考え込んでいる3人に
「とりあえず、伯父様達のところに連れて行ってくれるのよね。だったら後は連絡があるまで待つしかないのかもしれないわ」
苦笑しながらそう言うと、3人とも私の言葉に頷いてくれましたわ。
27
あなたにおすすめの小説
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?
短編 お前なんか一生結婚できないって笑ってたくせに、私が王太子妃になったら泣き出すのはどういうこと?
朝陽千早
恋愛
「お前なんか、一生結婚できない」
そう笑ってた幼馴染、今どんな気持ち?
――私、王太子殿下の婚約者になりましたけど?
地味で冴えない伯爵令嬢エリナは、幼い頃からずっと幼馴染のカイルに「お前に嫁の貰い手なんていない」とからかわれてきた。
けれどある日、王都で開かれた舞踏会で、偶然王太子殿下と出会い――そして、求婚された。
はじめは噂だと笑っていたカイルも、正式な婚約発表を前に動揺を隠せない。
ついには「お前に王太子妃なんて務まるわけがない」と暴言を吐くが、王太子殿下がきっぱりと言い返す。
「見る目がないのは君のほうだ」
「私の婚約者を侮辱するのなら、貴族であろうと容赦はしない」
格の違いを見せつけられ、崩れ落ちるカイル。
そんな姿を、もう私は振り返らない。
――これは、ずっと見下されていた令嬢が、運命の人に見初められる物語。
ヴェルセット公爵家令嬢クラリッサはどこへ消えた?
ルーシャオ
恋愛
完璧な令嬢であれとヴェルセット公爵家令嬢クラリッサは期待を一身に受けて育ったが、婚約相手のイアムス王国デルバート王子はそんなクラリッサを嫌っていた。挙げ句の果てに、隣国の皇女を巻き込んで婚約破棄事件まで起こしてしまう。長年の王子からの嫌がらせに、ついにクラリッサは心が折れて行方不明に——そして約十二年後、王城の古井戸でその白骨遺体が発見されたのだった。
一方、隣国の法医学者エルネスト・クロードはロロベスキ侯爵夫人ことマダム・マーガリーの要請でイアムス王国にやってきて、白骨死体のスケッチを見てクラリッサではないと看破する。クラリッサは行方不明になって、どこへ消えた? 今はどこにいる? 本当に死んだのか? イアムス王国の人々が彼女を惜しみ、探そうとしている中、クロードは情報収集を進めていくうちに重要参考人たちと話をして——?
そんなに妹が好きなら死んであげます。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』
フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。
それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。
そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。
イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。
異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。
何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……
【完結】元お義父様が謝りに来ました。 「婚約破棄にした息子を許して欲しい」って…。
BBやっこ
恋愛
婚約はお父様の親友同士の約束だった。
だから、生まれた時から婚約者だったし。成長を共にしたようなもの。仲もほどほどに良かった。そんな私達も学園に入学して、色んな人と交流する中。彼は変わったわ。
女学生と腕を組んでいたという、噂とか。婚約破棄、婚約者はにないと言っている。噂よね?
けど、噂が本当ではなくても、真にうけて行動する人もいる。やり方は選べた筈なのに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる