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22話
しおりを挟む今日はナルジェンダ国の王宮に向かっています。
陛下が今回の件のことについて、私に会いたいと言っていたみたいで、叔父様と2人で馬車の中です。
叔父様と2人っきり、というのは初めてなので少し緊張しています。
ちなみに今日のドレスも叔母様が選んでくれました。
淡い菫色のドレスなんですけど、胸元から首にかけてレースに覆われていて、露出は少なめのものです。
袖がパフスリーブになっていて、全体的に可愛らしくて結構気に入っています。
ドレスを着て見せに行ったら、叔母様が大絶賛していましたね。
そのときのテンションの高さが凄くて、思い出したら笑ってしまいそうになります。
なんてことを考えていると
「ミア、そろそろ到着するぞ」
と叔父様が言ったので気を引き締めました。
あ、実は叔父様も叔母様もミアって呼んでくれるようになりました。
叔父様が
「その....私もミアって呼んでいいだろうか.........?」
と照れながら聞いてきたんですが、なんだか可愛らしくて笑ってしまったんですよね。
皆で叔父様をからかっていたのもいい思い出です。
あぁ、いけません。
折角気を引き締めたのに、また頬が緩みそうになってしまいました。
改めて気を引き締めていると、ついに王宮に到着しました。
王宮の中はマーランナ国の雰囲気とは違って、ギラギラしていました。
マーランナ国の王宮は、見るからに高そう、というものは少なくて、銀の物が多かったです。
ナルジェンダ国の王宮は、至るところに金色!みたいな感じです。
ここに住んでいる陛下達は目が痛くないんでしょうか?
そういえば、王宮の物って誰が買うんでしょう?
王妃様なんでしょうか?
なんてことを考えながら叔父様の後ろを着いていくと、執務室らしき所に到着しました。
陛下と会うんですから謁見の間とかだと思っていたから少し意外です。
部屋に入ると、もう陛下らしき人がソファーに座っていて、叔父様が遠慮することなく椅子に座ってしまいました。
陛下相手に良いんでしょうか?
あ、でもお母様と幼馴染ということは叔父様も古くからの付き合いなんでしょうね。
叔父様の隣の椅子に促されたので座ると
「ハーレミアにそっくりだな...」
と陛下が呟いた。
私を見る眼差しはなんとなくですが、懐かしさと、悲しみがこもっているような...そんな気がします。
確かに、皆に言われますが、自分でも思うくらいお母様にそっくりです。
といいましても、お母様のような優しい雰囲気などの細かいところは違うと思いますが......。
いずれはお母様のような人になりたいって思っているので似ているって言われるのは凄く嬉しいです。
「今回のハーレミアの件は全て聞いた。私が王妃との関係を......いや、ハーレミアを隣国に行かせるのを止めれたらこんなことにはならなかったのに......本当にすまない」
そう言って頭を下げた陛下は本当に悔やんでいるのが雰囲気でわかります。
でも私は、陛下は悪くないと思うんです。
だって、お母様がお父様と結婚した件は貴族だから仕方のないこともありますしね。
お母様の毒殺を考え、実行した人達が全て悪いんです。
という私の思いをそのまま陛下に伝えると、陛下は泣きそうな顔になりながら
「考え方までハーレミアとそっくりなんだな」
と言った。
叔父様も陛下のその言葉に頷いています。
そんなに似ていますかね?
でも、私にとっては褒め言葉ですわ。
その後は今回の貴族裁判の話、それからマーランナ国にいた時の私の話など......色んな話をしました。
叔父様には前に話したことがある内容でしたが、何度聞いても自分の事のように腹を立てて怒っています。
陛下も、マーランナ国での私の扱いに対して思うことがあったようで、終始静かに怒っていました。
あぁ、でもマーランナ国の陛下と王妃は優しくしてくれましたので、それもちゃんと伝えましたよ。
だって、何も悪いことをしていない人に被害を被るのは避けたいですもの。
悪いのは我が家......いや、アージュ公爵家の人ですから。
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