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43話 リリアーナside
しおりを挟むお姉様に会うために隣国に来て3日が経った。
なんで会えないのよ!
もうずっと野宿してるのよ!?
アレックス様に帰ろうと言っても、
「ユーフェミアと話をするまで帰らない」
なんて言ってるし。
だったら近くの村かどっかで宿を用意してくれてもいいと思わない!?
それどころか
「先に帰っても良いんだぞ」
だって!
私のお姉様に会いに行くのに、なんで私が帰らなきゃいけないのよ!
寝ても取れない疲れと、アレックス様の態度にイライラしながら過ごしていると、やっと入国の許可が出たわ。
条件付きだけど.....。
「その無駄に多い兵士達を帰還させるなら入国の許可を出そう」
って偉そうに言ってきたのは腹立つけど、私も多すぎるって思ってたのよね。
それなのにアレックス様は
「俺は王太子だぞ!?命を狙われたらどうするつもりなんだ!」
そう言って、頑なに兵士を帰そうとしなかった。
でも、1人の兵士が何も言わずにアレックス様から離れていくのを見て、1人、また1人と次々帰還したわ。
自主的に残ったのは3人しかいなかったけど、別に大丈夫よね?
そう思いながら門番を見ると、無事に入国することができた。
ナルジェンダ国に入ると、国境のすぐ近くの宿に案内されたわ。
てっきり王宮にでも泊まるものだと思っていたからがっかりしちゃった。
でも、お風呂に入れるだけマシよね?
そう思って我慢したわ。
案内した人曰く、明日お姉様と話をさせてくれるみたい。
ふんっ!最初から素直にそうしたら良かったのよ。
☆★☆
お姉様と会う日、泊まっていた場所が国境近くだったこともあって朝一でお姉様のいる場所に向かうことになったわ。
でも、なんでこんなに大変な思いをしてまでお姉様に会わなきゃいけないんだろう?
そこまでして会いたいわけじゃないのに....。
そう考えると、アレックス様が憎くて仕方なくなった。
だって、アレックス様が変にムキになってるせいで、こんなことになってるんだもん。
あー...早く帰りたいわ。
お父様達は今頃、ふかふかのベットで寝てるんだろうなぁ。
おいしいご飯を食べて、呑気に過ごしてるんだろうなぁ。
そんなことを考えていたら、ある大きなお屋敷に到着した。
ここにお姉様がいるらしいんだけど....こんなに大きな家に住んでるの!?
メイドに案内されて客室に向かったけど、すっごい豪華じゃん!
我が家の悪趣味な家具とは比べ物にならないくらい、洗練されたデザインの家具や調度品。
メイドの立ち居振る舞いすら我が家と比べ物にならなかった。
案内された客室のソファーにドカッと座るとアレックス様が
「ユーフェミアはまだか!」
と騒ぎだした。
はぁ....静かにしてほしいわ。
寝不足で頭が痛いのに、アレックス様の大声は頭に響くのよ。
イライラしながらアレックス様の叫び声を聞いていると
「うちのメイドを虐めないでくださいませ」
という声が聞こえてきた。
この声は...お姉様、そう思って扉の方を見ると、あのパーティーで見た銀髪の令嬢.....いや、あの時の何倍も美しくなったお姉様と、レオンハルト様が立っていた。
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