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シュガー

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    肉串。どのみち私だけじゃ食べ切れない。
「うにゃ?!にゃにゃっ!」
    何?驚きと戸惑い。それがパスを通して伝わってくる。
(もしかして、聖域が怖い?…でも、入れてるよね?)
「メイさん、この子はあなたの従魔なのですから、特別に入れるのかもしれませんね」
「そうなの?」
「多分ですが」
    多分なのか。でも、元々この世界の神様じゃないから、分からないのかな。

    うん。テイムのスキルが付いた。出来る事は、影の中に入れる事。従魔のステータスも見られる。

    じゃあシュガー、ステータスオープン!

    シュガー(1)    メイの従魔
    アサシンキャットの幼体    
    レベル    35

    スキル
    闇魔法    木魔法    ソニックウェーブ
    状態異常耐性    威圧    立体機動    絞扼
    忍び足    影移動    爪攻撃    噛みつき    
    罠    罠感知    気配隠蔽    魔眼

    あれ?使える属性が決まっているのかな?それと文字が薄くなっているのがある。木魔法と立体機動、絞扼と影移動、罠だ。そこに更に鑑定をかけると、幼体のうちは使えないと出た。
    小さいうちから何でも出来る訳ないよね?とはいえ、頭から尻尾までの長さは私より若干大きそうだ。

(シュガー、ソニックウェーブってどういうスキル?)
    長い尻尾を一振。遠くの枝が落ちた。
(凄い。遠距離攻撃用だね)
    数値は見られないのかな?その辺は自分にしか分からないのかもしれない。
    頭を撫でたり、喉を撫でてやるとゴロゴロと喉を鳴らして喜んでいる。

    肉串を食べて、残りをシュガーに上げた。
(お腹一杯になった?)
「にゃーん!」
    満足そうだ。残りの生肉はスープにでもしよう。
    今から作っておけば明日の朝すぐに食べられる。

    農作物と道具屋で買った小麦粉。
    どうせなら、寸同鍋を作ってもらえば良かったな。収納庫に入れておけばいつでも熱々が食べられるんだし。
    ごはんも買えるけど、結構高いから小麦粉を買っている。今から作るのはすいとんだ。

    味付けは醤油ベースにする。醤油はさすがに塩よりは高いけど、そんなに高くない。味噌は何故かないんだよね。
    ゲームで味噌が売ってなかったから?けど醤油も売ってなかった。

    どこまでを再現する事にしているのか、その基準が分からない。

    調味料として醤油は実際にあるのかもしれない。
    スマホで検索をかけてみよう。…ショーユの実というのがあるらしい。海岸で、海水で育つみたいだ。凄いな。

    味噌はなさそう。違う名前かもしれないけど、大豆と糀があれば作れる。うん。大豆はあるみたい。糀は…え。コージの花?

    実はゲームで育てられる以外の種も時折出てくる。
    大豆は育てられないけど、出てくる可能性はあるよね?どうせなら枝豆も食べたいけど、ゲームの作物は1日で育ってしまう。両方は無理かな?

 (シュガー、ちょっとだけ消えるけど、すぐに戻るから安心してね?)

   いつもの場所、畑の前に現れる。おお…リンゴが実っている。木は3日か。
    とりあえず一つは出荷箱に、それとさっきの肉串の取り置きを一つだけ入れる。勿論すいとんも、お椀に一つ分。食器は翌日返ってくるから安心だ。
    料理にも図鑑があるのだ。そして料理した物の買い取り額は材料に対して結構高い。

   普通にゲームしてるだけだと全て売ってしまうから、設備さえ整えてしまえば中盤以降はお金が余り気味になる。だけど食べる為にあるようなゲームだから、金策には気をつけよう。
    薬草の種が売られている。薬学台はまだ買えないけど、ポーションの作り方は習った。
    ポーションを出荷すれば第一のダンジョンに入れる条件が揃うから、台は後でいい。それに錬金術の練習にもなるしね。

    うん?これは椎茸のホダギだ。これはゲームにはなかった。嬉しい。

    とりあえず一セット。今日はやっと牛小屋を手に入れられるのだ。
    設備屋に行ったら今日はたまにある10%オフの日だった。ラッキー!
   買って未だにボロ小屋の家の前に行くと、あら不思議。もう牛小屋が建っていて、牛が一頭いる。ゲームと同じに、紙パック入りの牛乳が落ちている。

    飲みたいのをぐっと堪えて出荷箱に入れる。
    明日はバターにして出荷しよう。
 
     いくらここに居ても現実では一瞬。のんびり釣りをしよう。
    今日は海釣。それにしても、木の枝は木材に出来るからいいけど、長靴。どんだけ捨ててあるんだか。

    今日はメジナがいっぱい釣れたし、戻ってお刺身を作ろう。シュガーも喜ぶといいな。
   サンマとサバは、焼き魚にしよう。味噌煮…町に行けば、大豆はあったりしないかな。

    現実世界に戻ると、シュガーがすり寄ってきた。
(シュガー、お刺身食べる?)
    シュガーは、匂いを確かめてから食べた。
(もしかしなくても、魚を食べるのは初めて?)
    シュガーが魚釣り出来る訳じゃないし、川があったとしても難しい。魔物を狩る方が現実的だ。
    どころか、普段はきっと生肉を食べていたんだろうな。

   狼はあんまり美味しくはなさそうだし、皮だけ手元に残す事にした。なめし方は知らないけど、収納庫に入れておいて、売れそうなら売ろう。

    お供えされたというお金はもらったけど、私が使っていいものなのかな?まあ、気持ちは受け取っているらしいから、いいのかな。
    お金の価値は分からない。神様の常識と人の常識はきっと全く違うから、あるから適当にくれたのだと思う。

    ここなら安心だから、ここでレベル上げを少し頑張って、ある程度戦えるようになったら移動しようかな。

 
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