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乙女の尊厳?
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大きな稲穂から収穫出来た餅米は10キロ位かな。
でもまだ、小豆は見付けてないし、育てられない。だからあんこ系のおやつは作れてない。
アルミネアは知らないのかな?私が元いた世界の事も色々知ってるみたいだから、この世界に小豆があれば和菓子を期待して、種を売ると思うんだけどな。
流石に全てあるとは思っていない。だから小豆は多分ないんだろうな…寂しい。
あとは違う豆でもあんこに出来そうなら、見つけ次第、試してみればいい。
今ある豆は大豆と緑豆。あとは空豆みたいな大きな黄色い豆を見つけた。
今日も稲刈りに勤しんだ。中央にあったのはインディカ米みたいな細長い米。あとでパエリアにでもしようと思う。サフランは見た事ないから、抜きになっちゃうけどオリーブオイルはあるし、魚介類も勿論ある。
安くはなっても種籾は高価な方だったから、米はこれからはダンジョンで手に入れて行こうと思う。
今の所、20階層に進むつもりはない。もし進むとしたら、6本腕の熊さんを余裕を持って倒せるようになってからがいいよね。
ダンジョン産の米でも精米機はちゃんと米にしてくれる。ただ、畑で作った物と違って、一束一袋にはならない。等価交換は当然の事だ。今まで恵まれていただけ。
漸く、ミスリルの錬成が楽になってきた。今は原石から一発でインゴットに出来るようになったので、みんなの防具、そしてシュガーの剣とフレイムの槍を作った。
フレイムは氷雪の槍があるけどどっちも使うって言ってくれた。
武器として使うなら私の作ったミスリルの槍の方が軽くていいみたい。
フレイムは魔導のスキルは持っているけど、やっぱり元から使っていた炎系の方が使いやすいみたいだし、得意な所を伸ばす方がいいと思う。
稲刈りの後は森の散策に出た。何とはなしにいつもとは違う方向へ。見た事のない木もしっかり鑑定をかけて、覚える。
「プギャ!」
さっきから出会うのはオークやハイオークが多い。ま、豚肉の貯蔵が増えるのは純粋に嬉しい。
それに熟成小屋のお陰でハムやベーコン、ウインナーも作り放題だから。
ブロック肉で角煮もいいね!
武器を新しくしたからフレイムとシュガーの慣らしにも丁度いい。今日はメタルも一緒だ。あまり接点のないみんなとも早く仲良くなって欲しい。学校にいる時は連れて行ってしまっているから。
てか、オーク多すぎ?
「巣が出来ているかもしれないな」
もしそうなら、豚肉狩り放題じゃん!
「…うん。軽く100はいそう。それに強いのもいるね」
「逃がすと厄介だな」
「なら集まっている所を氷らせるよ。強いのは無理かもしれないから、残ったのは任せていい?」
「承知した」
雪よりも冷たい冷気が範囲指定されて、そこに展開される。少なくともノーマルのオークとハイオークは死んだだろう。
魔法を解除すると、みんな一斉に飛び込んだ。
凍ったまま突っ立っている物は容赦なく破壊していく。
メイも、魔晶石から魔力を吸い出して、みんなに続いた。
木を組み上げただけの小屋を丁寧に破壊していく。
外の騒ぎに気がついたのだろう。ひときわ立派な小屋から大きな浅黒いオークが出てきた。
「オークキングだ、気をつけろ!」
「ふぎゃ?!」
その眼光を受け、シュガーの動きが一瞬止まる。
「に…にゃ…」
威圧を受けたのか?
「シュガー、しっかりして!」
ハティの姿に戻ったランスが、オークキングを圧倒する。
私はシュガーの側にいて、魔法で援護する事にした。
暗黒魔法、呪い。相手に毒、麻痺を与え、ステータスさえも低下させる。
ランスとメタル。二人の活躍でオークキングは倒れた。
「うむ…主の呪いは強力だな。格の違いを感じさせる」
ヤブランはそう言って、余裕の表情で倒した獲物を収納庫に入れていく。
「大丈夫?シュガー」
「にゃ…進化してからは意識した事はなかったけど…久しぶりにゾッとしたにゃ」
「威圧?私は感じなかったけど」
「うにゃ…?メイも雌にゃ?」
「ん?女の子だよ」
「メイは子供だから雌認定されなかったのかも」
それって…
「失敬な!…あーもう!私がとどめ刺したかった!」
異世界定番のオークは、女性の敵だ…ただし、ある程度の年齢に達しないと、そうでもないらしい?…そんな話は聞いた事ないけど。
呪いじゃなくて、生命力を奪って倒せば良かった!
「主がそんな目で見られたら、この我が黙って見ている訳がなかろう。僥倖だ」
だから今回は必要以上に私を守る事に専念していたのか。
それにしても…豚肉が多すぎだ。ギルドに売ってもいいかな。フレイムのギルドランクも上がるかもしれないし。
オークの巣を壊滅させた事を伝えたら、結構な騒ぎになった。特にキングがいたと知り、フレイムも参加していた事から、全員ワンランクアップの所を二つ上げてCランク。シュガーもBランクだ。まあ、私はCランクのままだけど、別にいい。ランスとヤブランはAランクだ。
肉は、キングも含めて半分売った。あまり有りすぎても狩りの楽しみがなくなるからね。
それでも多いし、それを収納できるスキルにも驚かれた。
「特にこの時期に大量の肉は有難い。だが…強いとは分かっていてもメイ、お前はまだ子供だからな。充分に注意しろよ」
「ふーんだ。子供だったお陰で注意要らなかったもん!」
「何を拗ねている?」
「メイは雌認定されなかったにゃ」
「そうなのか?いや、でもそんな事は…まあ、良かったじゃないか!」
こ…子供でも女の子だもん!乙女だもん!
女の子っぽいけど、ヤブランは中性。メタルに至っては生物ですらない。
そりゃ、そんな目で見られるのは嫌だけど、シュガーしか女の子に見えなかったって事だよね。
一片残らず、骨まで豚骨スープにしてやる。
ちよっと検索…かんすい自体はないけど、ジューソで代用可?!えっ…ジューソって重曹?
検索…何と掃除用具として売られているようだ。
確かに汚れは落ちるよね!目からウロコも落ちたよ!
だって重曹があるなら炭酸ジュースも飲めるじゃん!
今まで掃除はクリーンがあるからと思ってお店でも注意して見た事なかったよ。
早速雑貨屋で重曹を見つけた時には思わず涙してしまった。
クエン酸は柑橘類からいつでも分離出来る。
涙ぐんだ私を見てお店の人が焦ってたけど、眷属達は何も言わず、生暖かい目で見守ってくれた。
町に来たついでだし、小豆の事も聞いてみたいから教会に行ってみる事にした。
今日会えたのはネリーだ。凄く久しぶりな気がする。
「メイ、そろそろ来る頃だと思っていたわ。会えて良かった」
いつものように頭を撫でてくれるネリーは、見かけ少女なのにお母さんみたいだ。
「服はそろそろ着られなくなる頃かしらね?でも今のメイなら同程度の生地を魔法で作り出す事も出来るんじゃないかしら?」
人の世界に降りてあと数ヶ月で三年は経つ。勿論身長だって伸びている。まだ服は大丈夫そうだけど、ネリーがそう言うならそろそろ作り直さないとだめなのかな。
「私が作り出したと同じ物とは言わないけど、ミスリルの錬成も出来るようになったし、アロカシアが守ってくれてるなら、安心よね」
「そうだね。でも服は努力してみるよ。あと、ネリーは小豆って知ってる?」
「それね。悔しいけどこの世界には同じ物がないのよ。あればきっとメイが美味しい物を作ってくれると分かっているのに…」
ネリーはかなり悔しそうだ。あんこ、そんなに食べたい?
「とりあえずさ、大豆が枝豆で止まるか、違う種として売って欲しいのと、色々な豆を道具屋で売って欲しいな。色々研究して小豆に代用出来そうなら、使ってみたいし」
「そうね。ありがとう。私達の我が儘に付き合ってくれて」
「ううん!喜んでくれるなら嬉しいし、私も食べたいもん。あ、そういえばみたらし団子なら作れるよ!餅米を見つけたから!」
「まあ…もしかしてダンジョンで?無理はだめよ?」
「うん…でも大丈夫!それに楽しいんだ!ダンジョン攻略」
色々なジビエ料理と、美味しい物を発見出来る。
教会に戻ってふと、思い出した。チョコレートの事も聞いてみれば良かった。
まあ、あんこの事が聞けただけでも良かった。代用出来る豆があればいいな。
でもまだ、小豆は見付けてないし、育てられない。だからあんこ系のおやつは作れてない。
アルミネアは知らないのかな?私が元いた世界の事も色々知ってるみたいだから、この世界に小豆があれば和菓子を期待して、種を売ると思うんだけどな。
流石に全てあるとは思っていない。だから小豆は多分ないんだろうな…寂しい。
あとは違う豆でもあんこに出来そうなら、見つけ次第、試してみればいい。
今ある豆は大豆と緑豆。あとは空豆みたいな大きな黄色い豆を見つけた。
今日も稲刈りに勤しんだ。中央にあったのはインディカ米みたいな細長い米。あとでパエリアにでもしようと思う。サフランは見た事ないから、抜きになっちゃうけどオリーブオイルはあるし、魚介類も勿論ある。
安くはなっても種籾は高価な方だったから、米はこれからはダンジョンで手に入れて行こうと思う。
今の所、20階層に進むつもりはない。もし進むとしたら、6本腕の熊さんを余裕を持って倒せるようになってからがいいよね。
ダンジョン産の米でも精米機はちゃんと米にしてくれる。ただ、畑で作った物と違って、一束一袋にはならない。等価交換は当然の事だ。今まで恵まれていただけ。
漸く、ミスリルの錬成が楽になってきた。今は原石から一発でインゴットに出来るようになったので、みんなの防具、そしてシュガーの剣とフレイムの槍を作った。
フレイムは氷雪の槍があるけどどっちも使うって言ってくれた。
武器として使うなら私の作ったミスリルの槍の方が軽くていいみたい。
フレイムは魔導のスキルは持っているけど、やっぱり元から使っていた炎系の方が使いやすいみたいだし、得意な所を伸ばす方がいいと思う。
稲刈りの後は森の散策に出た。何とはなしにいつもとは違う方向へ。見た事のない木もしっかり鑑定をかけて、覚える。
「プギャ!」
さっきから出会うのはオークやハイオークが多い。ま、豚肉の貯蔵が増えるのは純粋に嬉しい。
それに熟成小屋のお陰でハムやベーコン、ウインナーも作り放題だから。
ブロック肉で角煮もいいね!
武器を新しくしたからフレイムとシュガーの慣らしにも丁度いい。今日はメタルも一緒だ。あまり接点のないみんなとも早く仲良くなって欲しい。学校にいる時は連れて行ってしまっているから。
てか、オーク多すぎ?
「巣が出来ているかもしれないな」
もしそうなら、豚肉狩り放題じゃん!
「…うん。軽く100はいそう。それに強いのもいるね」
「逃がすと厄介だな」
「なら集まっている所を氷らせるよ。強いのは無理かもしれないから、残ったのは任せていい?」
「承知した」
雪よりも冷たい冷気が範囲指定されて、そこに展開される。少なくともノーマルのオークとハイオークは死んだだろう。
魔法を解除すると、みんな一斉に飛び込んだ。
凍ったまま突っ立っている物は容赦なく破壊していく。
メイも、魔晶石から魔力を吸い出して、みんなに続いた。
木を組み上げただけの小屋を丁寧に破壊していく。
外の騒ぎに気がついたのだろう。ひときわ立派な小屋から大きな浅黒いオークが出てきた。
「オークキングだ、気をつけろ!」
「ふぎゃ?!」
その眼光を受け、シュガーの動きが一瞬止まる。
「に…にゃ…」
威圧を受けたのか?
「シュガー、しっかりして!」
ハティの姿に戻ったランスが、オークキングを圧倒する。
私はシュガーの側にいて、魔法で援護する事にした。
暗黒魔法、呪い。相手に毒、麻痺を与え、ステータスさえも低下させる。
ランスとメタル。二人の活躍でオークキングは倒れた。
「うむ…主の呪いは強力だな。格の違いを感じさせる」
ヤブランはそう言って、余裕の表情で倒した獲物を収納庫に入れていく。
「大丈夫?シュガー」
「にゃ…進化してからは意識した事はなかったけど…久しぶりにゾッとしたにゃ」
「威圧?私は感じなかったけど」
「うにゃ…?メイも雌にゃ?」
「ん?女の子だよ」
「メイは子供だから雌認定されなかったのかも」
それって…
「失敬な!…あーもう!私がとどめ刺したかった!」
異世界定番のオークは、女性の敵だ…ただし、ある程度の年齢に達しないと、そうでもないらしい?…そんな話は聞いた事ないけど。
呪いじゃなくて、生命力を奪って倒せば良かった!
「主がそんな目で見られたら、この我が黙って見ている訳がなかろう。僥倖だ」
だから今回は必要以上に私を守る事に専念していたのか。
それにしても…豚肉が多すぎだ。ギルドに売ってもいいかな。フレイムのギルドランクも上がるかもしれないし。
オークの巣を壊滅させた事を伝えたら、結構な騒ぎになった。特にキングがいたと知り、フレイムも参加していた事から、全員ワンランクアップの所を二つ上げてCランク。シュガーもBランクだ。まあ、私はCランクのままだけど、別にいい。ランスとヤブランはAランクだ。
肉は、キングも含めて半分売った。あまり有りすぎても狩りの楽しみがなくなるからね。
それでも多いし、それを収納できるスキルにも驚かれた。
「特にこの時期に大量の肉は有難い。だが…強いとは分かっていてもメイ、お前はまだ子供だからな。充分に注意しろよ」
「ふーんだ。子供だったお陰で注意要らなかったもん!」
「何を拗ねている?」
「メイは雌認定されなかったにゃ」
「そうなのか?いや、でもそんな事は…まあ、良かったじゃないか!」
こ…子供でも女の子だもん!乙女だもん!
女の子っぽいけど、ヤブランは中性。メタルに至っては生物ですらない。
そりゃ、そんな目で見られるのは嫌だけど、シュガーしか女の子に見えなかったって事だよね。
一片残らず、骨まで豚骨スープにしてやる。
ちよっと検索…かんすい自体はないけど、ジューソで代用可?!えっ…ジューソって重曹?
検索…何と掃除用具として売られているようだ。
確かに汚れは落ちるよね!目からウロコも落ちたよ!
だって重曹があるなら炭酸ジュースも飲めるじゃん!
今まで掃除はクリーンがあるからと思ってお店でも注意して見た事なかったよ。
早速雑貨屋で重曹を見つけた時には思わず涙してしまった。
クエン酸は柑橘類からいつでも分離出来る。
涙ぐんだ私を見てお店の人が焦ってたけど、眷属達は何も言わず、生暖かい目で見守ってくれた。
町に来たついでだし、小豆の事も聞いてみたいから教会に行ってみる事にした。
今日会えたのはネリーだ。凄く久しぶりな気がする。
「メイ、そろそろ来る頃だと思っていたわ。会えて良かった」
いつものように頭を撫でてくれるネリーは、見かけ少女なのにお母さんみたいだ。
「服はそろそろ着られなくなる頃かしらね?でも今のメイなら同程度の生地を魔法で作り出す事も出来るんじゃないかしら?」
人の世界に降りてあと数ヶ月で三年は経つ。勿論身長だって伸びている。まだ服は大丈夫そうだけど、ネリーがそう言うならそろそろ作り直さないとだめなのかな。
「私が作り出したと同じ物とは言わないけど、ミスリルの錬成も出来るようになったし、アロカシアが守ってくれてるなら、安心よね」
「そうだね。でも服は努力してみるよ。あと、ネリーは小豆って知ってる?」
「それね。悔しいけどこの世界には同じ物がないのよ。あればきっとメイが美味しい物を作ってくれると分かっているのに…」
ネリーはかなり悔しそうだ。あんこ、そんなに食べたい?
「とりあえずさ、大豆が枝豆で止まるか、違う種として売って欲しいのと、色々な豆を道具屋で売って欲しいな。色々研究して小豆に代用出来そうなら、使ってみたいし」
「そうね。ありがとう。私達の我が儘に付き合ってくれて」
「ううん!喜んでくれるなら嬉しいし、私も食べたいもん。あ、そういえばみたらし団子なら作れるよ!餅米を見つけたから!」
「まあ…もしかしてダンジョンで?無理はだめよ?」
「うん…でも大丈夫!それに楽しいんだ!ダンジョン攻略」
色々なジビエ料理と、美味しい物を発見出来る。
教会に戻ってふと、思い出した。チョコレートの事も聞いてみれば良かった。
まあ、あんこの事が聞けただけでも良かった。代用出来る豆があればいいな。
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