(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる

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王都

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    余程私の手料理に餓えていたのだろうか?今までの分も食べ尽くす勢いで、アロカシアは食べまくった。
「お腹壊して動けなくなっても知らないよ?」
「主の作る料理でそれはあり得ない。毒が入っていたとしても、きっと体調不良になったりしないだろう。それに、ずっと我慢していたのだ」
    強くなる迄は、みたいな?食欲をそこに懸けるのはどうかと思うけど。
「ご飯はちゃんと食べていたんでしょう?」

「…生だが」
    まあ…普通はそうなるのか。
「明日には動ける?王都のギルドでもう一度確認したいし」
「主も…行くのか」
「みんなが冒険者として活動してるのは、私の為だもん」
「…。いや、我らが主を守れば良いだけだな」
「いざとなればメタルも出すし、大丈夫」

    翌日は、もう一度戦闘力のチェック。主にフレイムの戦闘力を調べたいみたいだ。
「ふむ…やはりフレイムは、真の姿での戦いが一番だな」
「怖い魔物がいるんだから、他の冒険者は来ないかもね」
「う…ボクの槍はダメかな…」
「槍のスキルは取れてるみたいだけど、まだまだって所なのかな?」
「相手にもよるな。その熊がどれ程の強さかは分からないが、フレイムに何かあれば主が悲しむ。シュガーも、充分に気を付けるのだぞ?」
「うにゃ…」

    翌日、王都近くに亜空間移動して、並ぶかと思ったけど、ヤブランとランスのギルドカードがAランクだったので、並ばずに中に入れた。
    Aランクになると、準男爵扱いになって、貴族用の入り口から入れるらしい。
(まあ、我等も知ったのはつい最近だがな)
    チョコを頼んだ時は並んだんだもんね。

    王都のギルドは流石に地方のギルドよりも大きい。そしてやっぱり特別対応だ。…けど

    二階のギルドマスターの部屋に入ると、ランスとヤブランは歓迎されたけど…
「一応、メジトの支部から報告は入っているが…大丈夫なのか?」
「私、限定Bランクだって言われましたよ?シュガーだってBランクだし…フレイムはCランクに上がったし」
「はぁ…そうは言ってもな…魔法使いとして有能なのは聞いたが、あの山を登る事も無理なんじゃないのか?」
    失礼な。運痴だった前世ならともかく。

「こういうのはどうだ?彼らが討伐依頼をこなしている間、空納の魔法を教えるというのは」
    うーん。余計な情報まで伝わっているみたいだ。
「それは良いアイデアだ。我等に任せればあ…メイは、安心してここにいれば良い」
「ちょっとヤブラン、酷くない?私だってちゃんと戦えるよ?それに、リーダーは私だよ!」
「ぐ…」
「メイは一度言い出したら聞かないからな」
    だって、請けたのは私だしさ。それに、私だけ安全な所にいるなんてあり得ない。

    でも、魔法に耐性があるみたいだから、充分に気を付けないと。

    チョエコットの苗木は手に入らなかったけど、チョコは食べたい。
    この時間から行っても仕方ないので、今から買い物だ。

    それにしても…広い。海岸ダンジョンがある隣国の王都も広かったけど、ここはそれ以上かな。

    歩かなくても街マップでどこにどんなお店があるか確認出来る。
    チョコのお店はやっぱりかなり並んで手に入れた。
    結構高価だったんだね。一箱金貨一枚って、ぼったくりじゃないよね?原材料が輸入品だから仕方ないのかな。

    場所は貴族街の中でも外周に近く、一般人も入れる区画。
    近くに大きな教会も見られた。ギルドの近くにもあったけど、こっちの教会の方が立派な感じだ。

    神様の像も無駄に凝ってるな…不思議な事だけど、凄くそっくりなんだよね。
    拝観料は多く取られそうだけど、まあいいかな。

   眩しい…?何だったのかな。
「良く来たの、メイ」
「オージェ。珍しいね、一人だけ?」
「あー…ちと他の管理区域で厄介事があってな。みんなバタバタしている」
「オージェも忙しいの?」
「一応な。メタルの調子はどうじゃ?」
「うん!お陰で楽させてもらってる。…ね、メタルには少なくとも、私を大切に思ってくれる心はあるんだよね?」
「それは、メイがそう思うなら、そうかもしれないな」
「どういう意味?」

「ゴーレムが設定した主人の意のままに動くのは当然の事なのじゃよ…加えて造り出した儂の命令も聞くだろう。
    まあ…使い手の意に染まる道具も多い。
    一番影響を受ける魔力がメイの物なのだから、メイが心を持って欲しいと思うなら、そうなるじゃろう」

    付喪神的な物か。一緒にいるのは去年の夏からだし、魔宝石を入れるようになったのは、本当にまだ最近の事だから、何十年て時間を積み重ねた訳じゃない。
    付喪神なんて物に期待するのは気が早すぎるけど、メタルは眷属のみんなとは違った意味で大切な存在だ。

    真剣に考え込む私を見て、オージェはふっと笑う。
「そんな風に儂の作品を気に入って貰えて、嬉しいよ。…だったらメイの加護の妄想でも与えたらどうじゃ?性格に多様性のような物が現れるかもしれん」

「ちょ…やだ!恥ずかしいから。妄想なんて…そんな物が能力にあるってだけでも乙女として恥ずかしいのに!」
「完全に否定する物ではない。固有能力は権能の一部だ」

    権能って…私、神様じゃないんだけど。
    私はちょっと想像力豊かなだけだもん。

「メイ、オリハルコンの錬成は難しいか?」
「んー。出来る気がしない。ランスやヤブランに武器を作ってあげたいんだけど」
「それは、正確な知識がないからとも言える。メイの元いた世界にはなかった金属だし、だからミスリルも苦労したじゃろう?」

「え…そうなの?!」
「出来れば自らで気がついて欲しかったがの…森羅万象に思考を繋げられるなら容易くなるじゃろう…それと、丈夫な服もな。…ミスリルの現物が手に入るのだから、それを原料にして」
「…あ!想像から造り出すより魔力的にも楽だよね!」

「うむ…メイ、また会おう。それと未知の酒も感謝しているよ」
「私が考えた訳じゃないけどね」
    お酒の知識はあんまりないけど、思い出しながら原料と知識を樽に込めただけだ。
    
    お酒は自分もそんなに飲んだ事もなかったし、法的に飲める年齢に達してすぐにこっちの世界に来る事になったから、本当に知識はないんだよね。
    おつまみは色々作るから、それで満足してくれると嬉しいな。


    
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