(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる

文字の大きさ
103 / 166

登山ダンジョンと、G

しおりを挟む
    山の麓に堅牢な町がある。山がダンジョンだと聞いたけど、後ろにある山がダンジョンのようだ。見かけは普通の山だけど、人力で登る事は出来ない。

    見えているのに登れないとはこれ如何に?
    ダンジョンであるがゆえの制限みたいだ。
    麓にある穴に、装備を固めたもふもふ達が入っていく。

    人族な私は入り口で止められたけど、エリー姉様に発行して貰った国民証を見せたら、通してくれた。…私を魔族だと思った?…えええ…魔族の人って、筋肉ムキムキの男の人しか見てないんだけど。

    ここで人族だと言い張ると余計にややこしくなりそうだから、黙って通り過ぎよう。

    1階層は、ビッグコッコだ。前にも狩った事のある、コッコの大型な物。
    サクッと狩って、落ちたモモ肉を拾う。
    むね肉になったり、卵の場合もあるんだ。
    
    …は、いいけど夕飯の話しながら包丁を持って素晴らしい包丁捌きでビッグコッコを狩るもふもふ主婦達。逞しい。

    鶏肉はレッドコークの方が美味しいのは確実だし、卵は農園で手に入るから、階段を探した。

    やっぱり、昇る階段なんだ。妙な所で感心しながら、魔法石に触れて2階層へ。

    シャドーバットか。羽根には隠蔽効果もあるけど、今使っているマントの方が丈夫で優秀だし、みんなのマントもそう。向かって来たのだけ、ヤブランが矢で落としている。予見を覚えていればこその攻撃だね。

    3階層は双尾鳥。前に食べた時は、身が柔らかくて美味しかったから、集めておこう。
    双つに別れている尾羽には慣性制御の力があるのか、動きに慣れるのにちょっと手間取った。
    倒し慣れているのか、もふもふ冒険者達は、迷いなく一撃で倒している。

    でもちょっとドロップアイテムがせこいかな…落とす肉は小さめだ。
    つっつかれると、かなり痛い…しかも鎧の隙間を狙ってくる。
「うわ…血が出たじゃん」
    ほんの数滴垂れたけど、傷は勝手に回復する。

「メイ、大丈夫にゃ?」
「ちょっと油断した。全然平気」
    それにしても、鳥系魔物が多いダンジョンだな。鶏肉は美味しいから好きだけど。

    羽根もドロップアイテムのようだ。羽毛部分で、沢山集めれば、羽毛布団が作れるかも。そこまで集めるのは凄く大変そうだからやらないけどさ。

    4階層は、スケルトンバード。空飛ぶ鶏ガラだ。
    どうやって飛んでいるかは理解に苦しむけど、ドロップアイテムの魔石は嬉しい。骨は…あとで鶏ガラスープでも作ろうかな?

    ヤブランの弓矢は貫通しちゃうので、剣で骨を叩き折っている。
    ランスもだけど、流石にオリハルコンの剣は曲がったりしないだろう。

    さて、ここのダンジョンの5階層はどんな感じかな?
    おお。やっぱり青空なんだね。山の頂上に出てしまったと勘違いしそうになるけど、ここは間違いなくダンジョンだ。

    目の前にある栗の木には、季節関係なく栗がなってる。農園にもあるとはいえ、自然?の物は違うかも?
    一応警戒しつつも木を揺すってみたら、凄い勢いでイガが刺さってきた。咄嗟に結界を張ったから無事だったけど。

    ちょ…自爆?!栗が勿体ない!

    無事というか、ドロップアイテム扱いなのだろう。中身は無事だった。良かった。

    気配を察して上を向くと、赤いハチが襲ってきた。

    レッドビー    キラービーの亜種。ダンジョン固有種

    へえ。ダンジョンだけにいる魔物なんていうのもいるんだ。深淵の森ダンジョンにいるキラービーと同じように、蔓の網で捉えて倒すと、オレンジ色の蜂蜜の小瓶を落とした。

    やった!ここのハチもハチミツを落とすんだね!味はどんな感じかな…えへへ。

    ここのダンジョンは、木々の間にしっかりと蔓が絡まってちゃんと迷路になっている。そして、良く見ると、根元にはハナタケがあったりする。舞茸に似てるかな?香りがいいキノコだ。

    ハーブも見られたけど、大概クリの木の根元に生えているので、収穫は止めておいた。

    人のいない所を見計らって結界で自分達を包みつつ、クリ爆弾を投下する。これが意外と爽快で、癖になりそうだ。
    レッドビーが巻き込まれてくれるのも嬉しいし。

    採掘ポイントがあるのか、もふもふ達が列を作っている。
「ここは、何が採れるのだ?」
「岩塩だ。海水から作り出すよりも安全だし、交易品にもなる」

    私達も並ぶ事にした。中には私の姿を見て驚く人もいたけど、後ろに並ぶルールとして、襲いかかるレッドビーには対処している。

    ローズソルトと呼ばれるそれは高級品で、肉料理に合い、何より美しくて、エリー姉様もお気に入りだとか。

    一応この国も海に接しているけど、海にいる魔物は強く、いつ襲われるか分からない。

    ここもダンジョンだから魔物がいるけど、海の魔物の方が怖いんだろうな。

    並んでも一人拳1つ分しか採れない。枯れてしまう為と、皆に渡るようにする為だ。
    私達は二人分でいいかな。自分達で使う分と、出荷用に。
    結局は人数分採ったけど、お昼過ぎに来ても枯れてないんだから、大丈夫だろう。

    色々と採取していたから遅くなった。階段の場所、聞いておいて良かった。
    6階層の手前で魔法石に触れて、進もうとして足が止まった。

    ぶーん、と、嫌な音がする。虫系魔物だろうけど、何故か鳥肌が立つ。
    ダンジョンの発光石に照らされて、飛んできたそれが壁に止まる…黒光りする羽根。
「いやぁぁ!」

「ど、どうした主!怖がるような魔物ではないぞ!」
「無理無理無理無理!Gだけは絶対に無理!」
「G?ゴッキーの事か?…主?」
    亜空間に入ってしまった私に、ヤブランが声をかける。
「開けないでー!カサカサ音が聞こえる!」

(了解した。ドロップアイテムは羽根か毒の小瓶、水を弾く液体だが)
(要らない!お願いだから全部捨てて!)

「メイはどうしたの?火魔法一回でやっつけられるのに」
「ゴーストでもないにゃ?」
「分からぬが、次の階層への階段を探してから呼べば良かろう」

「本来なら、苦手は克服していく方が良いのだが、この様子では今日は無理だろう」

    結構階段探しに時間がかかってしまい、魔法石を見つけたと呼ばれた時には、夕食の時間をかなり過ぎていた。
    その際、クリーンとピュアを連発したのは仕方ない事だ。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜

シュガーコクーン
ファンタジー
 女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。  その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!  「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。  素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯ 旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」  現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。

滅びる異世界に転生したけど、幼女は楽しく旅をする!

白夢
ファンタジー
 何もしないでいいから、世界の終わりを見届けてほしい。  そう言われて、異世界に転生することになった。  でも、どうせ転生したなら、この異世界が滅びる前に観光しよう。  どうせ滅びる世界なら、思いっきり楽しもう。  だからわたしは旅に出た。  これは一人の幼女と小さな幻獣の、  世界なんて救わないつもりの放浪記。 〜〜〜  ご訪問ありがとうございます。    可愛い女の子が頼れる相棒と美しい世界で旅をする、幸せなファンタジーを目指しました。    ファンタジー小説大賞エントリー作品です。気に入っていただけましたら、ぜひご投票をお願いします。  お気に入り、ご感想、応援などいただければ、とても喜びます。よろしくお願いします! 23/01/08 表紙画像を変更しました

転生したので好きに生きよう!

ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。 不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。 奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。 ※見切り発車感が凄い。 ※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。

【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】 佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。 新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。 「せめて回復魔法とかが良かった……」 戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。 「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」 家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。 「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」 そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。 絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。 これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

転生令息は攻略拒否!?~前世の記憶持ってます!~

深郷由希菜
ファンタジー
前世の記憶持ちの令息、ジョーン・マレットスは悩んでいた。 ここの世界は、前世で妹がやっていたR15のゲームで、自分が攻略対象の貴族であることを知っている。 それはまだいいが、攻略されることに抵抗のある『ある理由』があって・・・?! (追記.2018.06.24) 物語を書く上で、特に知識不足なところはネットで調べて書いております。 もし違っていた場合は修正しますので、遠慮なくお伝えください。 (追記2018.07.02) お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。 どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。 (追記2018.07.24) お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。 今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。 ちなみに不審者は通り越しました。 (追記2018.07.26) 完結しました。要らないとタイトルに書いておきながらかなり使っていたので、サブタイトルを要りませんから持ってます、に変更しました。 お気に入りしてくださった方、見てくださった方、ありがとうございました!

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

処理中です...