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天空の塔ダンジョン 9
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魔法石にだけ触れて、牛狩りを楽しんだ。
夜になって戻ってきて、早速ステーキにしてみる。
「うわ…硬い肉だな…」
「む?そうなのか?」
「私、まだ乳歯残ってるんだもん」
私以外は苦労せずに食べてるな…フレイムは嘴なのに。きっと噛む力が強いんだな。
味は美味しいけど、しっかり筋切りしないとダメだな。
「メイは違うお肉にすればいいの」
それはそれで負けた気がするな…仕方ないか。
だから他の冒険者も少なかったのかな?食べるのに苦労するし、高くも売れないとか?
永久歯に全部生え変わればきっと噛みきれるんだろうな。
これが冒険者が少なかった理由かな?硬い肉だから、人気がないとか。ま、柔らかくする方法は幾つか知ってるけど。
今日はアロカシアと一緒に寝る日だ。
「もうすっかり金色の鱗になったね。それでもまだ、子供のドラゴンなの?」
(いや…別に子供だから銀色だった訳ではないが…本体から別れてまだほんの数年しか経ってないからな)
一番の年下はアロカシアなんだよね。最強だからつい、忘れがちだけど。
金色ドラゴン…派手だな…
でも、ある意味アロカシアに合ってる気がする。黙っていても目を惹く、存在感のある人だからね。
鱗の感じは銀色の時と一緒だけど、本人曰く、防御力は上がっているらしい。
翌日は、34階層からだ。
魔物は、ウェーブバット。音による攻撃は目に見えないし、避けにくい。
シュガーの尻尾みたいに、振った時に来る訳じゃない。
まあ、攻撃力はそんなにないけどね。
「シュガー?来るの分かるの?」
確実に避けている。
「ヒゲがピリピリするにゃ」
ヒゲ……
感覚的に分かる事を理解する事は、難しい。
シュガーのソニックウェーブの方が威力が高いから、攻撃を割いて打ち込める。
どう頑張っても剣は届かないから、魔法で仕留める。
ドロップアイテムは、魔石オンリーだ。それはそれで嬉しいけど、チマチマと打ち込むのが面倒だ。蔓の罠で捉えても、すぐに切られるだろうし…
「うーん。強行突破しちゃおうかな?」
「魔石はいいのか?」
「良くはないけど、ここだと効率悪いじゃん?」
「そうだな。肉も残らない事だし」
あー。ヤブランにとってはそこ重要だよね。
て、ことでこの階層はスピード突破を目指す。人の気配もないから、本気で走れる。
ついでに階段も、マスター権限で探しちゃう。
「おお…最速記録だな」
「そうかもね。次は美味しい物が採れるといいね!」
35階層。
「うわぁ…ベリーだ!…って、えええ…」
壁がない?!こ…怖っ?!落ち、落ちる…!
「落ち着くにゃ、ちゃんと空間把握するにゃ」
あ…空に見えるけど、ちゃんと閉じた空間だ。
「まさか、シュガーに諭される日が来ようとは」
「酷いにゃ。メイ」
視覚を使ったトリックか。端に行きたがらないようにするトラップかな?
ベリーの木には、甘くて美味しいベリーがたっぷり実っている。
勿論、たくさん頂くよ。でも、鬱陶しい事に、蚊が結構いる。痒くなるのは、耐性は関係ないみたいだけど、自動回復のお陰で痒みはすぐに治ってしまう。
眷属達は、ヤブラン以外は刺されて痒くなって、たまにまとめて治している。
皮膚に見えるけど、実際は硬い鱗だ。蚊に負けたりしないだろう…羨ましい。
向こうでは、リンゴの木が暴れている。冒険者達は、囲むようにして、枝から逃れつつ、実を落としている。
ベリーは無視してリンゴ狙い…?リンゴは確かに美味しいけど、もしかしたらレアな実を落としたりもするのかな?
えげつないな…拾わないで落ちたままにしておくと、リンゴが種を飛ばして攻撃してくる。しかもただの種じゃない。明らかに魔法。四方八方に飛び散るから、周囲の冒険者達からも苦情くるし。
へえ…拾う、つまり所有されると、只のリンゴになるんだ。
私達も、新たに出現したリンゴの木を囲み、枝の攻撃を避けつつ、本体を倒さないように、適度な強さで攻撃する。
他の冒険者は、バッグに入れるしかないけど、収納庫持ちの私達は、飽きるまでリンゴ集め出来る。たくさん集まったら、ジャムにでもしようかな。リンゴのジャムパン、美味しそう!
動いているから、ベリー集めをしている時より蚊に刺されないけど、痒みは攻撃を鈍らせる。
眷属達はみんな優秀だから、落としてリンゴに攻撃させたりしない。
…あれ?今受け止めたリンゴ、白かった?
ううん!今はそんなの後だよ。アップルパイに、アップルクランブル…えへへ…
それにしても、蚊が鬱陶しい!しかも何故か私、集中攻撃されてる気がする…子供の皮膚は柔らかいから、血を吸いやすいとか?それとも、私の血は美味しいのか…
血には魔力がたくさん含まれてるらしいし、私の魔力は美味しいらしいし?
自分が食料品扱いされてるかと思うと、ムッとする。
でも逃げるのはあり得ない。蚊に負けてさっさと上の階層に行くなんて、悔しいし。
(メイ、リンゴならスマホでたくさん採れるの。次に進むべきだと思うの)
(そりゃ、フレイムの言う通りだけどさ…うん。そうだね。何か他の物もあるかもだし!)
うわ!あれは絶対食べられない奴!
ウツボカズラみたいな食中植物が、根っこと蔓を使って徘徊してる…お?蚊が取り込まれた。
うわあ…蚊を取り込んでパワーアップするとか、そんなの有りな訳?!
しかもばっちい液体飛ばして来て…大変!ランスのもふもふ尻尾がちょっと溶けたよ!
勿論すぐに毛まで意識して回復魔法をかけると、綺麗なもふもふ尻尾に戻った。
「毛位で回復魔法は要らない!それよりも、とにかく避けて倒せ!」
そんな、もふもふは最重要なのに…ええい!燃えてしまえ!
ウツボカズラの下から炎の柱が燃え上がり、溶解液の小瓶を落として倒れた。
スライムの溶解液みたいな物だろうか?
こんな階層はさっさと通過するに限るね。
そうそう。1個だけあった白いリンゴは、ミツミツリンゴという種類らしい。とっても甘くて美味で、幸運の値を上げてくれる、幸運のリンゴとして、高値で取り引きされるらしい。
勿論売る気はないよ?みんなで幸せになった方がいいもんね!
夜になって戻ってきて、早速ステーキにしてみる。
「うわ…硬い肉だな…」
「む?そうなのか?」
「私、まだ乳歯残ってるんだもん」
私以外は苦労せずに食べてるな…フレイムは嘴なのに。きっと噛む力が強いんだな。
味は美味しいけど、しっかり筋切りしないとダメだな。
「メイは違うお肉にすればいいの」
それはそれで負けた気がするな…仕方ないか。
だから他の冒険者も少なかったのかな?食べるのに苦労するし、高くも売れないとか?
永久歯に全部生え変わればきっと噛みきれるんだろうな。
これが冒険者が少なかった理由かな?硬い肉だから、人気がないとか。ま、柔らかくする方法は幾つか知ってるけど。
今日はアロカシアと一緒に寝る日だ。
「もうすっかり金色の鱗になったね。それでもまだ、子供のドラゴンなの?」
(いや…別に子供だから銀色だった訳ではないが…本体から別れてまだほんの数年しか経ってないからな)
一番の年下はアロカシアなんだよね。最強だからつい、忘れがちだけど。
金色ドラゴン…派手だな…
でも、ある意味アロカシアに合ってる気がする。黙っていても目を惹く、存在感のある人だからね。
鱗の感じは銀色の時と一緒だけど、本人曰く、防御力は上がっているらしい。
翌日は、34階層からだ。
魔物は、ウェーブバット。音による攻撃は目に見えないし、避けにくい。
シュガーの尻尾みたいに、振った時に来る訳じゃない。
まあ、攻撃力はそんなにないけどね。
「シュガー?来るの分かるの?」
確実に避けている。
「ヒゲがピリピリするにゃ」
ヒゲ……
感覚的に分かる事を理解する事は、難しい。
シュガーのソニックウェーブの方が威力が高いから、攻撃を割いて打ち込める。
どう頑張っても剣は届かないから、魔法で仕留める。
ドロップアイテムは、魔石オンリーだ。それはそれで嬉しいけど、チマチマと打ち込むのが面倒だ。蔓の罠で捉えても、すぐに切られるだろうし…
「うーん。強行突破しちゃおうかな?」
「魔石はいいのか?」
「良くはないけど、ここだと効率悪いじゃん?」
「そうだな。肉も残らない事だし」
あー。ヤブランにとってはそこ重要だよね。
て、ことでこの階層はスピード突破を目指す。人の気配もないから、本気で走れる。
ついでに階段も、マスター権限で探しちゃう。
「おお…最速記録だな」
「そうかもね。次は美味しい物が採れるといいね!」
35階層。
「うわぁ…ベリーだ!…って、えええ…」
壁がない?!こ…怖っ?!落ち、落ちる…!
「落ち着くにゃ、ちゃんと空間把握するにゃ」
あ…空に見えるけど、ちゃんと閉じた空間だ。
「まさか、シュガーに諭される日が来ようとは」
「酷いにゃ。メイ」
視覚を使ったトリックか。端に行きたがらないようにするトラップかな?
ベリーの木には、甘くて美味しいベリーがたっぷり実っている。
勿論、たくさん頂くよ。でも、鬱陶しい事に、蚊が結構いる。痒くなるのは、耐性は関係ないみたいだけど、自動回復のお陰で痒みはすぐに治ってしまう。
眷属達は、ヤブラン以外は刺されて痒くなって、たまにまとめて治している。
皮膚に見えるけど、実際は硬い鱗だ。蚊に負けたりしないだろう…羨ましい。
向こうでは、リンゴの木が暴れている。冒険者達は、囲むようにして、枝から逃れつつ、実を落としている。
ベリーは無視してリンゴ狙い…?リンゴは確かに美味しいけど、もしかしたらレアな実を落としたりもするのかな?
えげつないな…拾わないで落ちたままにしておくと、リンゴが種を飛ばして攻撃してくる。しかもただの種じゃない。明らかに魔法。四方八方に飛び散るから、周囲の冒険者達からも苦情くるし。
へえ…拾う、つまり所有されると、只のリンゴになるんだ。
私達も、新たに出現したリンゴの木を囲み、枝の攻撃を避けつつ、本体を倒さないように、適度な強さで攻撃する。
他の冒険者は、バッグに入れるしかないけど、収納庫持ちの私達は、飽きるまでリンゴ集め出来る。たくさん集まったら、ジャムにでもしようかな。リンゴのジャムパン、美味しそう!
動いているから、ベリー集めをしている時より蚊に刺されないけど、痒みは攻撃を鈍らせる。
眷属達はみんな優秀だから、落としてリンゴに攻撃させたりしない。
…あれ?今受け止めたリンゴ、白かった?
ううん!今はそんなの後だよ。アップルパイに、アップルクランブル…えへへ…
それにしても、蚊が鬱陶しい!しかも何故か私、集中攻撃されてる気がする…子供の皮膚は柔らかいから、血を吸いやすいとか?それとも、私の血は美味しいのか…
血には魔力がたくさん含まれてるらしいし、私の魔力は美味しいらしいし?
自分が食料品扱いされてるかと思うと、ムッとする。
でも逃げるのはあり得ない。蚊に負けてさっさと上の階層に行くなんて、悔しいし。
(メイ、リンゴならスマホでたくさん採れるの。次に進むべきだと思うの)
(そりゃ、フレイムの言う通りだけどさ…うん。そうだね。何か他の物もあるかもだし!)
うわ!あれは絶対食べられない奴!
ウツボカズラみたいな食中植物が、根っこと蔓を使って徘徊してる…お?蚊が取り込まれた。
うわあ…蚊を取り込んでパワーアップするとか、そんなの有りな訳?!
しかもばっちい液体飛ばして来て…大変!ランスのもふもふ尻尾がちょっと溶けたよ!
勿論すぐに毛まで意識して回復魔法をかけると、綺麗なもふもふ尻尾に戻った。
「毛位で回復魔法は要らない!それよりも、とにかく避けて倒せ!」
そんな、もふもふは最重要なのに…ええい!燃えてしまえ!
ウツボカズラの下から炎の柱が燃え上がり、溶解液の小瓶を落として倒れた。
スライムの溶解液みたいな物だろうか?
こんな階層はさっさと通過するに限るね。
そうそう。1個だけあった白いリンゴは、ミツミツリンゴという種類らしい。とっても甘くて美味で、幸運の値を上げてくれる、幸運のリンゴとして、高値で取り引きされるらしい。
勿論売る気はないよ?みんなで幸せになった方がいいもんね!
応援ありがとうございます!
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