(完結)逆行令嬢の婚約回避

あかる

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禁句と地雷

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「スカーレット嬢、貴女のような美しい令嬢がいたなど俺は知らなかった。しかもガゼル公爵の娘だったのだな」

   … は?クラスが違うとはいえ、同じ学園で、一年間もいて把握されてなかったのですか。
    アベル殿下は、アージェ様しか目に入らなかったのでしょうか?

「その燃えるような赤い髪も素敵だし、年齢を間違えて入学してきたのではないかと思える位可愛らしい姿も、とても魅力的に思える」

    悪かったわね。童顔でチビで。でもあなたの好みはアージェ様のような大きなお胸の持ち主でしょう?分かっていますわ。

「君はまるで、花の妖精のように愛らしいね」
    前の言葉と組み合わせると、一つも褒められた気がしませんわ。一般的には言われて嬉しい言葉でしょうが、わたくしには一つも嬉しくありません。

    それにアベル殿下…いつの間にお世辞が言えるようになったのでしょう?前は…ああ。堅苦しくて面白味のない女にはそんな事、言いませんわよね。
    それにアベル殿下はわたくしの事をよく知らないでしょうから。

「おやめ下さいませ。わたくしには婚約者がございます」
    わたくしは完璧なカーテシーをしてみせた。

「そうなのかい?でも王子である俺の方が魅力的だろう?」

「わたくしの婚約者はキルヴィス殿下ですのよ」
「えっ…叔父上の…そうか」

    取り敢えずは退散して行かれましたけれど、嫌な予感がいたしますわ。

    …もしかしてわたくしが子供扱いされる理由は…体型?
    でもこればかりは努力でどうなるものでもありませんものね。

「ねえ…アベル様に靡いてくれないと、イベントが起きなくて困るんだけど」
    本当に、これのどこが清楚で守ってあげたくなる令嬢なのでしょうね。これだけ変われるなら、女優の才能があるのでしょう。

「アージェ様も、アベル殿下の前と今ではまるで態度が違いますのね」
「酷いわ!アベル殿下を独占している私が憎いのね!」

    アベル殿下が狙ったように現れましたわ。
「アベル様ぁ、スカーレット様がヤキモチを妬かれて、私に酷い事を言いますの!」
「何っ?…スカーレット嬢、やはり俺を想ってくれたのだな!」

「いえ。それはありませんわ…わたくしが好きなのは、キルヴィス殿下だけですもの」
    これはアベル殿下に見せつける為の茶番だった訳ですのね。下らない…

    それに、アージェ様は相変わらずやってもいない事を捏造するのがお得意のようで、厄介ですわ。

    前回のわたくしは婚約者でしたけれど、今回は違うのですから、似た者同士で婚約でもなんでもなさればよろしいのに。

    確かにアージェ嬢は男爵令嬢で、新興貴族ですから貴族であった年月も短いですが、前回はそれでもアージェ様を選んだのですから。


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