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月夜の出会い
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どのくらい、泣いてたんだろう。
月が、山の真上に見える頃、サク、サク、と歩く音が近づいてきた。
誰かが、僕に気づいて探しに来てくれたんだ!
あわてて顔をあげ、足音の人を見て、僕はめちゃくちゃビックリした!!
お侍さん――――??
え、え、誰? なんで? なんでちょんまげ?? なんでお着物とハカマ?? この人、どうしてお侍さんみたいな恰好してるの――???
知らないおじさんだった。
少し、おじいちゃんに似てる気がするけど、会ったことのない人だ。
「何故こんなところでひとりで泣いている?」
声をかけられた。
ど、どうしよう、知らない人には、それにこんな変な扮装した人には、返事をしちゃいけないんじゃ……。
でも、僕はすごく困ってた。それに何だか安心できる声の気がした。
それに、僕を見つけてくれた。
言葉より先に、また涙が溢れ出した。そしたら、その人が言った。
「ここにいたモノは、どうした?」
――――!! この人、あの子のこと、知ってるんだ!!
それから僕は、起こった出来事を全部話した。ちょんまげのおじさんが誰かはわからなかったけど、もしかしたら、何とかしてくれる? 僕を助けてくれる?
そんな思いを込めて、一生懸命伝えた。
すると、ちょんまげおじさんは険しい顔をして、「わかった」と頷いた。
そして、「ついてきなさい」と落ち着いた声で僕を促した。
不思議だった。あんなに動かなかった足が、するすると動いて、ちょんまげおじさんの後を追っていく。お山から難なく抜け出て、ひいじいちゃんのおうちにも、あっという間に着いた。
おうちの中はもう真っ暗で……。
だけど、おうちの外は、いろんな色の光に、にぎやかに取り巻かれていた。
なに、これ? 何が起こってるの???
僕こんなの見たことないよ?
水色、ピンク、黄色にみどり。淡い光がシャワーみたいにはじけてて、まるで花火みたいに、にぎやかだ。
玄関上のお札から、屋根瓦の動物から、お座敷のあるあたりや別のお部屋からも、柔らかで優しくて力強い、そんな光が満ちこぼれてる。……もしかして神棚とかお仏壇があるお部屋かな???
自然と、そう思った。
驚いて見ていると、ちょんまげおじさんが言った。
「生身では……こちらからだな」
そして、お座敷のある縁側に移動して、僕に入るよう指さした。
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