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第五章 マシュマロの破壊力
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寝がえりを打つのも気を使い、あまり眠れなかったが、朝は早めにベッドから抜け出した。
夕食は由愛に任せきりにしてしまったので、せめて朝食くらいは作ろうと思ったのだ。といっても、トーストと目玉焼きという料理とは呼べないようなものだが。
コーヒーメーカーをセットしていると、由愛が起きてきた。
「おはようございます」
元気良く挨拶してきた由愛の顔を見て、みさをは驚いた。
寝起きだというのに肌がツヤツヤで光輝いている。すっぴんでも変わりなく、いやむしろ化粧をしていない方が綺麗なくらいだ。
これが十歳の年の差か。みさをなんて、朝は血色が悪い上に、乾燥する冬は粉がふいているので、とても人に見せられたものではない。
みさをと由愛が朝食を取っていると、キキが後からのっそりと起きてきた。
どうせ遅くまでゲームをしていたのだろう。まだ眠そうな顔をしている。
「おはようございます」と挨拶した由愛に、キキがまた冷たい態度を取るのではないかとみさをはヒヤヒヤしていた。
「ああ、おはよう」
だがキキは、由愛の方をちゃんと見て普通に返事をした。由愛はそれだけで嬉しいようで、頬が桜色に変わる。
一晩寝てキキも機嫌が直ったのだろう。みさをも安心した。
「キキもコーヒー飲むでしょ?」
コーヒーをいれてあげようと台所に向かうと、なぜかキキが行く手を阻む。
「おはよう、みさをさん。今日も綺麗だよ」
キキは突然、歯の浮くような台詞を吐いて、みさをの体を抱き締めた。
何事かと唖然としているうちに、キキの顔がどんどん近づいてきて、唇にふっと柔らかいものが当たった。
これは何? 何が起きているの? 頭が真っ白になって、状況が飲み込めない。
「んんー」
みさをは顔を左右に振って逃れようとしたが、キキは顎を手で押さえ、さらにぐいぐいと唇を押しつけてくる。
夕食は由愛に任せきりにしてしまったので、せめて朝食くらいは作ろうと思ったのだ。といっても、トーストと目玉焼きという料理とは呼べないようなものだが。
コーヒーメーカーをセットしていると、由愛が起きてきた。
「おはようございます」
元気良く挨拶してきた由愛の顔を見て、みさをは驚いた。
寝起きだというのに肌がツヤツヤで光輝いている。すっぴんでも変わりなく、いやむしろ化粧をしていない方が綺麗なくらいだ。
これが十歳の年の差か。みさをなんて、朝は血色が悪い上に、乾燥する冬は粉がふいているので、とても人に見せられたものではない。
みさをと由愛が朝食を取っていると、キキが後からのっそりと起きてきた。
どうせ遅くまでゲームをしていたのだろう。まだ眠そうな顔をしている。
「おはようございます」と挨拶した由愛に、キキがまた冷たい態度を取るのではないかとみさをはヒヤヒヤしていた。
「ああ、おはよう」
だがキキは、由愛の方をちゃんと見て普通に返事をした。由愛はそれだけで嬉しいようで、頬が桜色に変わる。
一晩寝てキキも機嫌が直ったのだろう。みさをも安心した。
「キキもコーヒー飲むでしょ?」
コーヒーをいれてあげようと台所に向かうと、なぜかキキが行く手を阻む。
「おはよう、みさをさん。今日も綺麗だよ」
キキは突然、歯の浮くような台詞を吐いて、みさをの体を抱き締めた。
何事かと唖然としているうちに、キキの顔がどんどん近づいてきて、唇にふっと柔らかいものが当たった。
これは何? 何が起きているの? 頭が真っ白になって、状況が飲み込めない。
「んんー」
みさをは顔を左右に振って逃れようとしたが、キキは顎を手で押さえ、さらにぐいぐいと唇を押しつけてくる。
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