天地対戦

k.poko

文字の大きさ
7 / 7

戦いの真実

しおりを挟む
中に入ってきた女の子に向かって、茜さんが問いかけた。
「あなた、さっき門の所にいた子よね?何者なの?」
「私の名前は八百万やおよろずりん。あなた達の存在を知っているのは私たち八百万一族だけ。今、ちょうど話してたみたいだけど、さすがに千年前の出来事を正確に伝えている一族って、ほぼ存在しないの。だから、みんなにこの戦いについて教えるために私達、八百万一族は代々、正確な情報を受け継いできているの。」
凛ちゃんは、見た目は小学生くらいだか、すごく大人びた話し方で俺たちに説明してくれた。
「何か質問があれば、何でも聞いてください。」
すると、大輔さんが問いかけた。 
「あんたたち八百万一族ってのは、俺たちの存在を知っているって言ったよな?俺の一族に伝わる話では『7体の使者を倒したら、時空の歪みが生じて、使者が攻めてくる前の状態に戻る』って聞いてるぞ。それってつまり、この戦いで死んだ人は生き返るし、壊れた町も元に戻る、そして、人々の記憶からもこの戦いのことがキレイに消えるってことだろ?だったら、この戦いについて……、いや、俺たち7つの一族について知ってるのは何でだ?」
確かに大輔さんの言う通りだ。俺たちそれぞれの一族以外が知っているはずがない。
「そうですね。あなたの仰りたいことはよくわかります。では、まずそこから話しましょう。信じがたい話かもしれませんが、あなた方のご先祖様は皆、元は八百万一族でした。青龍、白虎、玄武、朱雀、蟒蛇、鎌鼬、マンモス、彼ら7体は、守護幻獣しゅごげんじゅうと呼ばれ、我ら八百万一族と供に日本を守ってきました。八百万一族には代々「当主の印」と呼ばれる「卍」模様の傷を持つものが生まれてきて、その者が次の当主となることが決められていました。現在のように1人に守護幻獣1体と言うわけではなく、当時の八百万一族の当主は7体の守護幻獣を体内に宿し、1人で使者と戦ってきました。しかし、遡ること千二百年前、当時の当主には8人の子供がいたのですが、末っ子が病弱な体でした。そして、運悪くその病弱な末っ子の体に「当主の印」が刻まれていました。病弱な末っ子を戦わせるわけにはいかないと、7人の兄弟達はそれぞれ自分の体内に守護幻獣を宿すことを決め、その後家を出て別々の地域で生活を始めました。これが皆さんの一族の起源です。そして、その末っ子の末裔が私ということになります。」
凛ちゃんの説明をみんな真剣に聞いていた。場が静かになったので、俺はずっと気になってたことを聞いた。
「一つ質問いいですか?俺、自分の能力をあんまり使ったことないんですけど、この能力って、無限に使えるんですか?前に一回全力で力を放出しようとしたら、腕が火傷したんですけど、体に影響とかないんですか?」
俺が聞くと、美佐紀ちゃんも同意してきた。「わ、私もです。この能力について、お父さんから教えてもらったときに、一回全力を出してみたら、腕が切り傷だらけになりました。」
これを聞いて、凛ちゃんが説明をしてくれた。 
「そうですね。基本的には、皆さんが使える能力は皆さん個人の体力に依存します。つまり、能力を使うと体力が減少します。また、将太さんや美佐紀さんのような状態ですけど、我々は副作用と呼んでいます。雷の能力者がいきなり大きな力を出すと体が感電し、焼け焦げたようなあとが残ることがありますし、風の能力者が大きな力を出すと身体中に鎌で切られたような跡が残ることがあります。」
俺はその言葉を聞いて納得した。
「確かに。初めて全力で力を放出したから、体が慣れてなかったのか。慣れれば大きな力も使えるってことですよね?」
「そうですね。ただ、けっこう訓練が必要だと思います。」
次は、雅人が質問した。
「今回は東京でしたけど、使者は東京以外にも現れるんですか?」
「はい。日本全国どこに現れるかわかりません。しかし、基本的には大都市に現れることが多いみたいです。そのため、みなさんにはこのあと、4箇所に別れて各地域を護衛していただきたいと思います。札幌と仙台の護衛を担当する北エリア。東京を護衛する東エリア。大阪、名古屋を護衛する中央エリア。そして、博多を護衛する西エリアの4地区です。また、この4エリアとここ清水寺を瞬間的に移動できるテレポート装置もございます。そして、誰がどのエリアを担当するかについては、私の方で考えさせていただきました。まず、北エリアは、氷室さんと土井さん。東エリアは、木村さんと風岡さん。中央エリアを雷坂さんと水田さん。そして、西エリアを火野さんにお願いしたいと思います。」
凛ちゃんがチーム分けまで説明してくれたところで、茜さんが問いかけた。
「このチーム分けってのは詳しくはどういう意図で決めたの?」
「簡単に言えばパワーバランスを均等にすることが目的です。私達八百万一族は、みなさんの身体能力などを数値化して見ることができます。その結果、このメンバーの強さランキングは、一位火野さん。二位氷室さん。三位水田さん。四位木村さん。五位雷坂さん。六位土井さん。七位風岡さん。となっています。残りは敵がそのエリアに来る確率などを考慮して、決めました。他にも聞きたいことがあるかもしれませんが、百年前に戦った皆さんのご先祖様が皆さんに遺されたプレゼントがありますので、先にそちらを渡したいと思います。私のあとに付いてきてください。」
そう言うと凛ちゃんは部屋の奥の方に行き、壁を数回撫でた。すると、近くの床が開き、さらに地下へと続く階段が現れた。
「それでは、参りましょう。」
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。 それが約50年前。 聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。 英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。 俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。 でも…英雄は5人もいらないな。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

処理中です...