オケ!うまずたゆまずちんたらと

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2章

出生の秘密   裏

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必死になって自分を奮い立たせ、師匠に聞き返す。
「何故ですか!?」
「ルーベンから少し事情を聞き出せた。
エルフ国で、なぜあんなに堂々とお前を拉致れたのか、それもエルフまで一緒に。
強力な協力者がいると言っているそうだ。
カンドールからもさっき報告書が上がってきたんだが、カンドールたちの部隊は船から降りられなかったらしいぞ。
入国が許されなかったとある。
入国まで制限出来るのはあの国では王だけだ。
エルフの王が、関わっているかもしれない。
そんな場所に向かうお前の出国をリアムは許さん」
ん?てことはあそこは安全な場所ではないのか!?
最長老が王の味方であればそうかも知れないが、それは考えづらいな。
あそこは50人ほどの集落で自給自足だ。
外とは交流がない。
サラが言っていた。
ここでは森の恵みと共にあるのだと
サラはあの森の出身ではない。
親からその存在を聞いていたのだ。
ナッツの件がなければ近づこうとも思わないとも。
大丈夫。大丈夫だと信じよう。
俺があちらに行けないのならば、どうすれば3人一緒にいられるかをまた、一から考えないと。
そのためにはここで問題を解決していかないとだな。
「なぜ5年なのですか!?」
「王太子が定まって情勢が安定するまでの期間だ。その期間が最低でも5年かかるってことだ」
最低で5年、アンと、ソフィーに会えないのか!?
連絡も取れないよな。まず無理だ。
カンも言っていた。ルーベンの監視というのは、この場合エルフ国での協力者の方も警戒しなくては行けないだろう。
すまん、アン。心配してるだろうがどうすることもできない。
とにかく、アンとソフィーの安全第一だ。

「では、次だ。番いについてだがこれはなるようにしかならないからな。
お前は探すつもりはないのか!?」
「今のところは。
俺の今の目的は、エルフの森に帰ることですから」

「エルフの森に何かあるのか!?」
あまり強調しすぎたか!?
エルフの森の話はあまりしない方がいいかもしれん。
「いえ、神獣と話せるか試そうかなぁなんて」
「それは興味深いな。
歴代の王は、神竜様とお話しできるらしいからリアムにでもどうしてるのか聞いてみたらいいかも知れんな」
そうなのか、父王は神竜様と話せるのか。
凄いんだな。聞いてみよう。
「師匠、饌玉の儀はいつあるのですか!?」
「アシェル皇子と、エイデン皇子が成人される年だな」
「では、2年後ですか」
ううん、前倒ししてくれないかな!?
「だが、お前が帰ってきたからな。この機会に行おうと考えるものが出てくるかもしれん。エイデン皇子とか」
そうか、焚き付けてみてもいいかもな。
そうなれば5年待たずにって、エルフ国の問題が解決しないんだな~。どうしたものか。
「他になければ俺は休みますが」
「あぁ、そうだな。
カンドールをよろしくな」
やはり、親なのだな。









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