オケ!うまずたゆまずちんたらと

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2章

出生の秘密   

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「おはようございます」
カンと共に朝一でクレアの元にやってきた。
父王はいじけてるんだよねぇ~。何にいじけたのか……
「おはよう、ハロルド、カン」
「父上」
こちらを向こうとしない。子供か!
とりあえずこちらの話を終わらせよう。
「クレア、神竜様に装備の準備を終わらせたら出発できますと伝えてくれ」
やっとこちらを向いた父王。
「わかったわ」
「どういうことだ」
「父上、ルークの処分はお任せします」
「ん?なんのことだ!?」
「アンドリューから報告を受けてください」
「出発とは!?」
「神竜様から説明を受けてください」
「クレア!」
そんな父上を見てクレアは終始笑顔だ。
「はぁ~」と項垂れた父王は「わかった」
と、多分自室へ帰るのだろう。
去っていく背中が切ない。
「クレア、旅にマチルダも同行する。眷属候補だということ、俺の母だということは秘密だ。それから今から話すことは父上達この国のものには秘密だ」
「わかった。そのマチルダとはどんな子!?」
「マチルダさんは、エルフ族です。
そして、元王位継承権12位、今は商人さんです」
「ふぅ~ん。それで秘密ね」
「そうだな。他国に内輪の話は漏らしたくはない。で、ここからはこの国のものには内緒だぞ」
「は~い」
「クレア、アンは番いだ」
「やっぱり~。それが内緒なの!?」
「そう。内緒。もしかしたらアンはエルフのお姫様かもしれないだろ。それから、アンとの間に女の子がいる」
「わ~。本当!?」
喜ぶクレアと、驚いて声が出ないカン。
「ソフィーというのだが、多分選ばれている」
「それで内緒か。2人の安全を確保したいのね。ハロルドは」
「あぁ。そういうことだ。あの森から出なければ2人とナッツは安全だと思う」
「そうね、今は出さない方がいいと思う」
「カン、すまん」
「い、いえ。なぜ今話されたのですか!?」
「マチルダが旅に同行するからな。いずれバレると思って。だったら先に自分の口から伝えようと思ったまでだ」
「この旅終わったら会わせてくれる!?」
「そうだな。安全が確保できれば会えるな」
「ところで、クレアはなぜ神竜の姿じゃないんだ!?」ナッツは猫の姿だ。
「だって、しゃべれない。リアムの、パパ様とねお喋りしたくて練習したのよ」
「ナッツも人化できるだろうか!?」
「教えればできるよ」
それなら、念話じゃなくてもよくないか!?
普通は、空に誰か来るとは考えないし地上のものと話そうとも考えないだろうしな。
クレアの発想力、凄いな。
「私も、神獣様とお喋りしたいです」
「その前に神亀様だな。カンは念話の練習だ!」
「念話ですか!?」
「頭の中に直接話しかけるイメージだ。俺とクレアはできるから、俺らといる時は常に練習しとけ。そのうちできるようになるさ」
カンは目を閉じて何か考えてるみたいだ。
しばらく放っておいたがそろそろ装備なんかも揃えに行かなきゃだから動こうかと思った時、カンは目を開けた。が、すぐにまた目を閉じた。
静かに見ていたクレアだったが
「カン、つまらん」
とぼやきどこかに行ってしまった。
俺もつまらん。
「行くぞ」と動くと、カンは慌ててついてきた。
時間がかかりそうだな。
こちらから話しかけてみた方がいいのか!?
ま、旅の間にできるようになるだろう。
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