オケ!うまずたゆまずちんたらと

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3章

竜王国

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次の朝、早目に目が覚めて窓を開ける。バルコニーに出てみると屋敷の裏手に訓練場が見える。
空気も澄んでいて気持ちいい。久々に朝の訓練でもと思い、バタバタと着替えて訓練場へと向かう。
向かう途中、新人騎士らしい爽やかな青年から声をかけられた。
「おはようございます。ハロルド皇子様。
どちらへ!?」
「あぁ、おはよう。訓練場で汗を流そうかと思ってな。こんなにも澄んだ朝だ。体を動かしたくなった」
と返すと、「お供します」
と、前へ出てこちらですと歩いていく。
訓練場に着くと、他の騎士たちがすでに訓練を始めていた。それに交じろうと声をかけようとした時、
「おはようございます。ハロルド様」
と声の方を見やると、カンがすでに汗を流していた。
「おはよう。カン。早いな」
「はい。気持ちいいですねぇ」
わかるぞ。その気持ち。
エルバの森では、朝日と共に起き訓練に励み朝食の匂いに釣られて家に入るとアンの優しい笑顔‥‥
ヤバい。こんな所でホームシックだ。
涙が出そうだ。
「ハロルド様お相手願います」
と空気を読んだのか読めてないのか‥‥‥

その後半刻ほどだろうか、訓練に励み木陰で汗を拭いていると、ここまで案内してくれた爽やか青年騎士が、
「ハロルド皇子様、朝食の前に少しお時間いただけますか!?後ほどお部屋にお迎えに伺います」と、その場を去った。
とにかく、部屋に帰り汗を拭い着替えて爽やか青年騎士を待った。
扉を叩く音がする。
「どうぞ」
扉が開くと、朝の爽やか青年騎士だ。
「失礼します。ヴィクトリア様付き騎士の、アランと申します。お迎えに上がりました」
えっ、ヴィクトリア!?
驚いていると、澄ました顔をして
「ヴィクトリア様がお待ちです」
と、冷たい声だ。俺、なんか嫌われてないか!?この騎士とは初対面だと思うんだが‥
アランの後をついていく。
俺の部屋の上階へと上がり南側へと進む。
通路の一番奥の扉の前で止まりコンコン扉を叩いた後アランが言う。
「ヴィ様、ハロルド皇子様をお連れしました」
と少し間を置き扉を開ける。
ヴィの声を聞かずに扉を開けた。
驚いていると、入室を促される。
部屋に入ると、日当たりの良い落ち着いた調度の応接室だ。こちらへ、とソファーへと導かれる。
「少しお待ちください」
とアランは、奥の部屋の扉の前へ行きコンコンと扉を叩く。
又少し間を置いて中から、侍女らしき人物が扉を開く。
何やらヒソヒソと話をしていたが、こちらに振り返り、
「ハロルド皇子様、こちらへ」
と寝室であろう部屋へと導かれ、侍女、アラン共に部屋の外へと出て行った。
すれ違う瞬間、アランは俺の方へ視線を向けて隠す様子もなく睨みつけていた。
どんだけ嫌われてんだ、俺。
本当に何したんだろうなぁ!?
ヴィのいるであろう寝室に入るとベットの上に、笑顔を浮かべた青白い顔があった。
たまらず、涙が出そうになるがグッと堪えてゆっくりとベット脇へと移動する。
「久しぶりだな。ヴィ。会いたかった」
と震えそうになるが、頑張って堪えた。
「お兄様、こんな格好で申し訳ありません。私も会いたかったです」
と嬉しそうに笑う。
こんなにやつれて、ヴィに何が起こってるんだろうか!?




















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