オケ!うまずたゆまずちんたらと

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4章

竜王国へ  〜アン編〜

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辺境伯邸につくと、挨拶などもなく、あれよあれよとハリーの元へ。
日当たりの良さそうな大きな窓。
部屋の奥に大きな寝台。
顔は見えないが誰か大きな体躯が寝られている。
ベット脇に移動してハリーの顔を両手で包み込んで
「ハリー、ハリー、やっと会えたわ。
私の大事な旦那様」 
顔を近づけキスをする。
ゆっくりと顔を上げると、ハリーが目を開けて涙を溜めている。
よかった。まにあった。
涙を堪えて、笑顔を見せる。お互いに。

こんな時何を言えばいいのか。

2人で見つめ合い、2人の存在を確かめ合う。


どれだけそうしていたのか。
気づいた時には、ハリーのベットに突っ伏して寝てしまっていた。
ハリーが動いたことで目が覚めた。

「アン、そんなところで寝たら風邪をひく」


ハリーの優しい声。また涙が出そうになる。

「すまん。会いたかった」

と、抱きしめてくれた。


トントン
「ハロルド様、アン様失礼してもよろしいでしょうか」
と、扉の外から声がする。
「入れ」
とハリーが声をかける。

扉が開かれ、入ってきたのは侍女服を着た妙齢の女性。

涙ながらに
「ハロルド様、お目覚めになり嬉しく思います」
と、ハンカチで涙を拭くと

「ハロルド様、まずはお支度をなさいませんと奥方様に嫌われますよ」
と少しキツイ口調で言う。
「すまん。アン、臭いか!?」
「ハリーったら」
と2人笑ってしまった。
「では、奥方様も、お支度を」
と部屋から出されてしまった。
部屋から出ると、若い侍女が待っていて隣の部屋へと、通された。
「お着替えはお持ちですか!?」
「はい。これでいいかしら」
「では、お湯を用意しておりますのでこちらへどうぞ」
と、服を脱がされ体を洗われる。
「あ、あの、自分でできます」
「仕事ですので」
オイルマッサージまでしてもらいお姫様にでもなった気分でソファに誘導され、お茶が2つ。
ん!?2つ。
トントン、
「入ってよろしいかしら」
と、侍女さんが扉を開く。
そこに立っていたのはとても綺麗な女の人。
お腹が大きい。
少し険しい表情をしている。
私が見惚れていると
「アン様、ヴィクトリア様です」
と侍女さんが教えてくれた。
パッとソファから立ち上がり、お辞儀をして
「アンと申します」
私の正面に座り、
「楽にしてください」
と言葉が返ってきた。

恐る恐る顔を上げ、ソファに座る。
「初めまして。アンさん。私は妹のヴィクトリアと申します。よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
ともう一度頭を下げる。
優雅にお茶を一口飲んでから
「それでは、今後のことについてお話ししましょうか」
「今後のことですか」
「まず、あなたの出自ですが、こちらで色々手を尽くして調べたのですがよくわからなくて、ご自身で話していただければありがたいのですが」
「あ、あの、私もよくはわからなくて。
自分の種族さえわからないんです」
「では、私に考えがあります。準備ができるまではお兄様の看病をお願いします」
「はい。それはもう、頑張ります」
「看病と言っても病気ではないのであなたと、過ごしていれば大丈夫です。すぐに体力も戻ると思いますわ」
「そうなんですか!?
あんなに痩せてびっくりしました」
「番いと離れると言うことはそういうことです。ですが少し早過ぎるとは思うのですが、やはり魔国とは、よくわからない場所ですね」
「どういうことですか!?」
「私達にとっての時間とあの国での時間にものすごく誤差があるのです」
「それが原因でハリーは衰弱していたと!?」
「そうなりますわ」
よくわからないけど、誤差、誤差ねぇ。







































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