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結局どういう意味なんだろうと、ぼうっとした頭で考えていると、修司さんは体温計はあるか、薬はどこだ、腹は減っていないかと矢継ぎ早に訊ねてきた。一つ一つ答えているうちに、具合が悪いときに誰かに傍にいてもらうのはいつ以来だろうとふと思った。
実家にいる間は両親に疎まれるのが嫌で、子供の頃はともかく高校生になってからは、どんなに高熱が出ても常備薬を服んで自室で一人我慢していたし、結婚してからもこっそり病院を受診することはあっても、夫の前では痛みなどおくびにも出さなかった。
だから助けてもらうという発想自体湧かなかった。他人の手を煩わせるようなことをしてはいけない、薬を服んで横になっていればいずれ良くなる、それが私にとっての当たり前で全てだった。
「他にして欲しいことはないか?」
心配そうに修司さんが私の顔を覗き込む。幸い解熱剤が効いたのか、三十九度を超えていた熱は三十八度二分まで下がり、だるさは残るものの朝よりはずっと楽になっていた。
「大丈夫です」
自然に眦が下がった。一人で寝ていることには慣れていたし、それを辛いと嘆くこともなくなっていた。でもいざこうして自分の身を案じて貰うと、誰かが寄り添ってくれることの安心感が、体中にじわじわと広がってゆく。
「また大丈夫か。あんたの受け身の性格を考えれば、簡単に他人に甘えられないのは仕方がないんだけどさ」
私の額に濡らしたタオルを被せて修司さんが独り言ちた。冷たさが気持ちよくてほっと息を吐く。
「中途半端なことをしている以上、俺も自分から連絡をするのは憚られてな。とりあえずあんたから何か発信してくるのを待ってたんだわ」
主任が届けてくれた袋からパックのジュースを取り出し、ストローを差して私の口に入れる修司さん。林檎の味に潤された途端喉が渇いていたことに気づき、ごくごくと勢いよく飲んでしまった。
「けどここに来てすぐ後悔した」
パックをくずかごに捨てて、ゼリー食べるかと問う修司さんに首を振る。
「何のために友人になったんだって」
相手の懐にすんなり飛び込めるくらいなら、そもそも我慢して笑い続ける必要はなかったであろう私が、自分から誰かを頼るなんてできる筈がない。ふらふらしながらドアを開けた私を見たとき、意識もないまま倒れていたらとぞっとしたーーそう言って修司さんは奥歯を噛み締めた。
「俺も時々連絡する。だからあんたも困っているときや助けが欲しいときは、遠慮しないでちゃんと呼べ。それで嫌いになったりしねーから」
ぐっと言葉に詰まったところで、タオルを瞼の上にずらされた。程なくして私の右手が柔らかい温かさに包まれる。
「とりあえず、今はどうして欲しい?」
繋がるぬくもりに想いが溢れた。
「傍に、いて下さい」
やけに冷え込むと思いつつ瞼を上げると、カーテンの隙間から光が漏れていた。雪でもちらついているのかもしれない。節々が痛む体に悲鳴を上げそうになった直後、私はベッドの隅に人の頭を確認し、驚いて文字通り飛び起きそうになった。
それが出来なかったのは、まだ微熱があるのかだるくて動けなかったことと、指の形が固定されるのではないかというくらい、しっかりと繋がれた手のせいだ。
「黙って帰ったりしないから、安心して寝ろ」
私の懇願を聞き入れてくれた修司さんは、ずっとその大きくて温かい左手で、私の右手を不安ごと包んでくれていた。
「富沢さんのプレゼントのおかげで、今年の冬は手荒れが酷くならないんですよ」
例年よりもかさついていない手が嬉しくて、呂律の回らない口調で感謝の意を伝えた後、いつのまにか寝入ってしまったらしい。そんな私との約束を守り、修司さんは一晩寄り添っていてくれたのだ。
伸ばされた腕が冷たい。ファンヒーターは延長のランプが点り、とっくに温風が途絶えていたことを知らせている。いくら室内とはいえ、真冬にコートを羽織ったのみでは、どれほど寒かったことだろう。
「もう朝か…」
修司さんがゆっくり頭をもたげた。数度瞬きをしてから上半身を起こし、ぶるっと身震いした後はっとしたように私に視線を移した。
「具合はどうだ?」
繋いだ手はそのままに、もう一方の手でタオルを外して熱の有無を確かめる。
「まだ少しあるが、昨夜よりは下がってるな」
寒さの中ろくに眠れなかったであろうに、ほっとしたように笑みを浮かべる修司さんに、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「すみませんでした。自分だけぬくぬくと」
「どこが。お互い様だ」
そう言って修司さんはぎゅっと手に力を込める。
「前にあんたもこうしてくれただろ」
香さんとのすれ違いで修司さんが苦しんでいた夏の日。一人にしたくなくて、何もできなくても傍にいることを望んだ。けれどありがとうの一言で救われたのはむしろ私だった。
「さてと、そろそろ時間だな」
そこで修司さんは手を放して立ち上がった。キッチンでタオルを濡らして戻ってくると、前髪を払ってそっと乗せてからコートの襟を正す。
「休めばあんたが責任感じるだろうから、有給は取れるがちゃんと仕事はしてくる。帰りにまた寄るからちゃんと寝てろよ」
これまでの習性があるから、つい何でも一人で乗り越えなければと思っていた。けれど私の右手はいつも修司さんと繋がっている。笑顔と共にドアの外に消えた疲れた背中に、私は声にならない声で行ってらっしゃいと告げた。
実家にいる間は両親に疎まれるのが嫌で、子供の頃はともかく高校生になってからは、どんなに高熱が出ても常備薬を服んで自室で一人我慢していたし、結婚してからもこっそり病院を受診することはあっても、夫の前では痛みなどおくびにも出さなかった。
だから助けてもらうという発想自体湧かなかった。他人の手を煩わせるようなことをしてはいけない、薬を服んで横になっていればいずれ良くなる、それが私にとっての当たり前で全てだった。
「他にして欲しいことはないか?」
心配そうに修司さんが私の顔を覗き込む。幸い解熱剤が効いたのか、三十九度を超えていた熱は三十八度二分まで下がり、だるさは残るものの朝よりはずっと楽になっていた。
「大丈夫です」
自然に眦が下がった。一人で寝ていることには慣れていたし、それを辛いと嘆くこともなくなっていた。でもいざこうして自分の身を案じて貰うと、誰かが寄り添ってくれることの安心感が、体中にじわじわと広がってゆく。
「また大丈夫か。あんたの受け身の性格を考えれば、簡単に他人に甘えられないのは仕方がないんだけどさ」
私の額に濡らしたタオルを被せて修司さんが独り言ちた。冷たさが気持ちよくてほっと息を吐く。
「中途半端なことをしている以上、俺も自分から連絡をするのは憚られてな。とりあえずあんたから何か発信してくるのを待ってたんだわ」
主任が届けてくれた袋からパックのジュースを取り出し、ストローを差して私の口に入れる修司さん。林檎の味に潤された途端喉が渇いていたことに気づき、ごくごくと勢いよく飲んでしまった。
「けどここに来てすぐ後悔した」
パックをくずかごに捨てて、ゼリー食べるかと問う修司さんに首を振る。
「何のために友人になったんだって」
相手の懐にすんなり飛び込めるくらいなら、そもそも我慢して笑い続ける必要はなかったであろう私が、自分から誰かを頼るなんてできる筈がない。ふらふらしながらドアを開けた私を見たとき、意識もないまま倒れていたらとぞっとしたーーそう言って修司さんは奥歯を噛み締めた。
「俺も時々連絡する。だからあんたも困っているときや助けが欲しいときは、遠慮しないでちゃんと呼べ。それで嫌いになったりしねーから」
ぐっと言葉に詰まったところで、タオルを瞼の上にずらされた。程なくして私の右手が柔らかい温かさに包まれる。
「とりあえず、今はどうして欲しい?」
繋がるぬくもりに想いが溢れた。
「傍に、いて下さい」
やけに冷え込むと思いつつ瞼を上げると、カーテンの隙間から光が漏れていた。雪でもちらついているのかもしれない。節々が痛む体に悲鳴を上げそうになった直後、私はベッドの隅に人の頭を確認し、驚いて文字通り飛び起きそうになった。
それが出来なかったのは、まだ微熱があるのかだるくて動けなかったことと、指の形が固定されるのではないかというくらい、しっかりと繋がれた手のせいだ。
「黙って帰ったりしないから、安心して寝ろ」
私の懇願を聞き入れてくれた修司さんは、ずっとその大きくて温かい左手で、私の右手を不安ごと包んでくれていた。
「富沢さんのプレゼントのおかげで、今年の冬は手荒れが酷くならないんですよ」
例年よりもかさついていない手が嬉しくて、呂律の回らない口調で感謝の意を伝えた後、いつのまにか寝入ってしまったらしい。そんな私との約束を守り、修司さんは一晩寄り添っていてくれたのだ。
伸ばされた腕が冷たい。ファンヒーターは延長のランプが点り、とっくに温風が途絶えていたことを知らせている。いくら室内とはいえ、真冬にコートを羽織ったのみでは、どれほど寒かったことだろう。
「もう朝か…」
修司さんがゆっくり頭をもたげた。数度瞬きをしてから上半身を起こし、ぶるっと身震いした後はっとしたように私に視線を移した。
「具合はどうだ?」
繋いだ手はそのままに、もう一方の手でタオルを外して熱の有無を確かめる。
「まだ少しあるが、昨夜よりは下がってるな」
寒さの中ろくに眠れなかったであろうに、ほっとしたように笑みを浮かべる修司さんに、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「すみませんでした。自分だけぬくぬくと」
「どこが。お互い様だ」
そう言って修司さんはぎゅっと手に力を込める。
「前にあんたもこうしてくれただろ」
香さんとのすれ違いで修司さんが苦しんでいた夏の日。一人にしたくなくて、何もできなくても傍にいることを望んだ。けれどありがとうの一言で救われたのはむしろ私だった。
「さてと、そろそろ時間だな」
そこで修司さんは手を放して立ち上がった。キッチンでタオルを濡らして戻ってくると、前髪を払ってそっと乗せてからコートの襟を正す。
「休めばあんたが責任感じるだろうから、有給は取れるがちゃんと仕事はしてくる。帰りにまた寄るからちゃんと寝てろよ」
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