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10章「狩人たちの見る夢」
血族狩りの狩人
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―――
「ああ、お待ちしていました」
車輪を背負ったその若い狩人は、まずそう言ってから言葉を続けた。
茶色がかった無造作に手入れされたやや短い金髪に、瞳は狩人の例に漏れず、きりりとした赤い目でこちらを見据えてくる。その目からはこちらをあまり警戒していない様が窺えた。
「私は血族狩りのアルフレートという者です。こちらの頼み事を言う前に、説明しておかねばならないことがあります。…………聞いていただけますか?」
狩人の証たる赤い瞳に、精緻な刺繍の布で飾られた灰色の衣装。
物腰は柔らかく生真面目で物言いからは好意的な雰囲気が感じられる。ヒビキも名乗り返し、それから頷いた。するとアルフレートと名乗ったその狩人は廃城について語り始めた。
「私が狩るのは獣たちだけでなく、廃城カインハーストに巣食う穢れた血の一族が中心です。しかし彼の城の情報がまだ絶望的に少ない上、”招待状”が無いと行くことすら出来ません。彼の女王は上位者に近しき者です。惑わされない協力者が欲しかったので、あの方に伝言を頼んだ次第なのです。
無論こちらからも領域の主討伐に手を貸すのと、いくつかの領域の情報をお教えいたします」
狩人は上位種族の血を輸血され、それに適合した存在。故に上位種族に魅入られやすく、精神が強固でないと惑わされて自らが狩人たちの敵へと成り果てる。”狩人の夢から解放された古狩人”か、ヒビキたちのような”医療を直接受けず、かつ濃密な血を宿す狩人”でないと惑わしになかなか対抗できないのだとか。
アルフレートの見た目は結構若いが、彼も古狩人だそうだ。
「それは構わねぇけど」
ヒビキがその目を見返しながら返すと、ありがとうございます、という言とともにアルフレートは《発火ヤスリ》を3つくれた。その後、「医療教会」と「ビルゲンワース」なる組織についてある程度まで教えてもらえた。「ビルゲンワース」について彼はこう表現した。
「ビルゲンワースは、古い学び舎です。
古狩人は皆知っているのですが、この街の地下深くに広がるという禁じられた邪神の墓地、かつてビルゲンワースに学んだ何名かが、その墓地から遺体を持ち帰り
そして医療教会と、血の救いが生まれたのです」
その後暫く話し、彼はどこかへ去っていった。「領域の主と戦う時は《狩人呼びの鐘》を鳴らして下さい。白手記をそこに残しておきますので。では、あなた方に血の加護があることを祈っています」と言い残して。半ば呆気にとられたままそれを見送り、暫く経って我に返ったヒビキは青年とともに踵を返す。無論、この聖堂街のエリア主「教区長エミ―リア」討伐にだ。
《狩長の印》で開く扉を抜け、円形広場を左に曲がり、民家地帯を道なりに進む。するととても長い縄梯子が垂れており、下を見下ろすと大階段が見えた。ついでにその近くに大きな門が2つあり、その先に黒ランタンが見えることから両方とも灯りへのショートカットらしい。縄梯子を下り、2つの大扉がある場所の裏に出た。とりあえず大扉を片方開けてから、ふと視線を横に向けるとそこにレバーが。
ガタン!!ガラガラガラガラ!
もう片方の大門が開き、黒ランタンがその先でギィ、ギィと音を立てて揺れ動く。近づくと静かに火が灯った。
≪ログ≫
灯り「誰もいない聖堂街」が解放されました。狩人の夢の「市街の墓石」とこの灯りとの転移ができるようになります。
《危機察知》曰くこの先にある、この街で最も大きい聖堂がエリア主のいる場所だ。このまま行ってもいいのだが、地味にここまでアップダウンの激しい結構長い道のりを歩いてきている。そのためここで一旦休むことにした。相変わらず空は赤く焼け、空気は薄く血の香りを含んでいる。
ちょいちょい後ろを振り返るが青年はぴったりとかつ黙々とついてきていた。巻かれている黒い布のせいで視覚がゼロのはずなのに不思議だなーと今更ながらに思っておく。
灯りの傍に腰を下ろし、暖かな光を宿すランタンをぼーっと見つめる。
「………………なあ」
「…?」
「…………名前、なんて言うんだ?」
「…………」
青年は暫く黙り込んだ後、人差し指で路面をなぞる。最も大きい聖堂へと続くこの道だけは植物に侵されているものの、埃っぽいが崩れてはいないためその軌跡がよく見える。黒い布の巻かれた顔は、じっと路面に向けられていた。
「…………ク……ロ………ノ?」
「(こくり)」
カタカナで「クロノ」。別にカタカナでなくてもよかったんじゃないかとは思うがそこは置いておいて、やっと青年の名前が分かった…というよりか今の今まで名前を聞くことが頭からすっぽ抜けていたといった方が正しいか。
「他に何か覚えていたりするか?」
「…………………………【なにもおぼえていない。ただ、最後に見たあいつの笑顔だけは忘れられない。……あれからどれだけ経ったのか。自分だけが生き返っても、心細いだけだった……。今は、少しましになった】」
「………そうか」
その文からは途轍もない悲哀が感じられた気がして、今はそれ以上尋ねる気になれなかった。
≪拾ったアイテム種類≫
・狂人の智慧
・木の盾
・狩人シリーズ(色違い)
・輸血液
・死血の雫【2】
・火炎瓶
・強化の血晶石【1】
・白い丸薬
・血石の欠片
・濃厚な死血【4】
・血石の二欠片
・強化の血晶石【2】
・毒メス
・教会の黒シリーズ
・水銀弾
・濃厚な死血【5】
・使者の黒帽子
・狂気の死血【7】
・鉛の秘薬
≪狩人メモ(Byヒビキ)≫
【血族狩りアルフレート】
教会の処刑隊の装束を纏った、同い年かと思うほど若い狩人。カインハーストの穢れた血の女王を処刑すべく色々動いているようだが、城に辿り着く道筋が見えず現在手詰まり状態らしい。どうやら師匠がいたようで、自分も師匠のようにありたいと強い尊敬の念と共に思っている。
聞いたところ背負っている車輪は処刑隊の標準武器だそうだ。物腰は柔らかく丁寧だが、ちょっとばかり生真面目すぎるきらいがある。取り合えず彼の目的を達成するまでは協力することにする。デュラと同じく無暗に敵対はしたくない。
***
―――ここは古びた医療教会の工房。狩人ルドウイークを始祖とする工房だったものの、今はもうその命脈は尽きている。車椅子の狩人の言に従って来たはいいものの、最上階の扉は開かないようだ。
入小首をかしげながら、バスガイドのような装備をした一人の女狩人がまた階段を降りて行った。
―――聖堂街から接続する、常に鬱蒼とした暗い森。
執念かその類の念によるものか森の入り口を死後も守り続ける、しかし自我は全く存在しない2人組の狩人は、ビルゲンワースの学徒たちだけが知るという”あいことば”が無いと扉を開けてくれないとか。何故か教区長のいる部屋にその”あいことば”が隠されているとか聞くが、実際のところはどうなのだろうか…?
―――禁じられた区域たる鬱蒼とした暗い森に辿り着いた後の一人の狩人が、赤いランプの灯った民家にいる謎の男から貰った網目の張った歪んだ石《扁桃石》を持ったまま森付近をさまよっていると唐突にブラックホールのようなものが現れ、その中から伸びてきた黒い手ががっちりとその狩人の腕を掴んだ、と思うとそのまま息つく間もなく凄まじい力で引きずり込んでしまった…!
引きずり込まれた先は、いかにも廃墟といった感じのどこかの学び舎。壁や床、天井に至るまでボロボロであちこち崩壊し植物の蔦が這いずり、頭に奇妙な六角柱型の檻を被った、下半身がスライムのように液状化した学徒たちがうろついている。外は月夜、不吉な雰囲気が辺りに渦を巻く。狩人の赤い目は油断なく周囲を警戒していた。
窓からはぽっかりと月を映す大きな湖が見える。しかし、なんとも不思議なことにそこに映っているのは空に昇る月と星々、森の木々。しかし、そこには映っているべき今狩人のいる校舎がどこにも見えないのだ。校舎からはいかにも飛び込めと言わんばかりの湖に突き出した月見台もちらりと見える。
校舎の一室には先に行く扉をその体躯で封鎖してしまっている半人半蜘蛛の異形の男が、その蒼みがかった灰色の瞳で湖を見ていた。
******
…………???「全 の上位 は を失い、また求 る
故 は青ざ た月との邂逅 たらし
れが狩 と、狩人の夢 始ま っ のだ」
……忘れ去られ、棄てられた工房。その壁に狩人たちの文字で刻まれた一文。しかし、一部が掠れ、読むことができない……
「ああ、お待ちしていました」
車輪を背負ったその若い狩人は、まずそう言ってから言葉を続けた。
茶色がかった無造作に手入れされたやや短い金髪に、瞳は狩人の例に漏れず、きりりとした赤い目でこちらを見据えてくる。その目からはこちらをあまり警戒していない様が窺えた。
「私は血族狩りのアルフレートという者です。こちらの頼み事を言う前に、説明しておかねばならないことがあります。…………聞いていただけますか?」
狩人の証たる赤い瞳に、精緻な刺繍の布で飾られた灰色の衣装。
物腰は柔らかく生真面目で物言いからは好意的な雰囲気が感じられる。ヒビキも名乗り返し、それから頷いた。するとアルフレートと名乗ったその狩人は廃城について語り始めた。
「私が狩るのは獣たちだけでなく、廃城カインハーストに巣食う穢れた血の一族が中心です。しかし彼の城の情報がまだ絶望的に少ない上、”招待状”が無いと行くことすら出来ません。彼の女王は上位者に近しき者です。惑わされない協力者が欲しかったので、あの方に伝言を頼んだ次第なのです。
無論こちらからも領域の主討伐に手を貸すのと、いくつかの領域の情報をお教えいたします」
狩人は上位種族の血を輸血され、それに適合した存在。故に上位種族に魅入られやすく、精神が強固でないと惑わされて自らが狩人たちの敵へと成り果てる。”狩人の夢から解放された古狩人”か、ヒビキたちのような”医療を直接受けず、かつ濃密な血を宿す狩人”でないと惑わしになかなか対抗できないのだとか。
アルフレートの見た目は結構若いが、彼も古狩人だそうだ。
「それは構わねぇけど」
ヒビキがその目を見返しながら返すと、ありがとうございます、という言とともにアルフレートは《発火ヤスリ》を3つくれた。その後、「医療教会」と「ビルゲンワース」なる組織についてある程度まで教えてもらえた。「ビルゲンワース」について彼はこう表現した。
「ビルゲンワースは、古い学び舎です。
古狩人は皆知っているのですが、この街の地下深くに広がるという禁じられた邪神の墓地、かつてビルゲンワースに学んだ何名かが、その墓地から遺体を持ち帰り
そして医療教会と、血の救いが生まれたのです」
その後暫く話し、彼はどこかへ去っていった。「領域の主と戦う時は《狩人呼びの鐘》を鳴らして下さい。白手記をそこに残しておきますので。では、あなた方に血の加護があることを祈っています」と言い残して。半ば呆気にとられたままそれを見送り、暫く経って我に返ったヒビキは青年とともに踵を返す。無論、この聖堂街のエリア主「教区長エミ―リア」討伐にだ。
《狩長の印》で開く扉を抜け、円形広場を左に曲がり、民家地帯を道なりに進む。するととても長い縄梯子が垂れており、下を見下ろすと大階段が見えた。ついでにその近くに大きな門が2つあり、その先に黒ランタンが見えることから両方とも灯りへのショートカットらしい。縄梯子を下り、2つの大扉がある場所の裏に出た。とりあえず大扉を片方開けてから、ふと視線を横に向けるとそこにレバーが。
ガタン!!ガラガラガラガラ!
もう片方の大門が開き、黒ランタンがその先でギィ、ギィと音を立てて揺れ動く。近づくと静かに火が灯った。
≪ログ≫
灯り「誰もいない聖堂街」が解放されました。狩人の夢の「市街の墓石」とこの灯りとの転移ができるようになります。
《危機察知》曰くこの先にある、この街で最も大きい聖堂がエリア主のいる場所だ。このまま行ってもいいのだが、地味にここまでアップダウンの激しい結構長い道のりを歩いてきている。そのためここで一旦休むことにした。相変わらず空は赤く焼け、空気は薄く血の香りを含んでいる。
ちょいちょい後ろを振り返るが青年はぴったりとかつ黙々とついてきていた。巻かれている黒い布のせいで視覚がゼロのはずなのに不思議だなーと今更ながらに思っておく。
灯りの傍に腰を下ろし、暖かな光を宿すランタンをぼーっと見つめる。
「………………なあ」
「…?」
「…………名前、なんて言うんだ?」
「…………」
青年は暫く黙り込んだ後、人差し指で路面をなぞる。最も大きい聖堂へと続くこの道だけは植物に侵されているものの、埃っぽいが崩れてはいないためその軌跡がよく見える。黒い布の巻かれた顔は、じっと路面に向けられていた。
「…………ク……ロ………ノ?」
「(こくり)」
カタカナで「クロノ」。別にカタカナでなくてもよかったんじゃないかとは思うがそこは置いておいて、やっと青年の名前が分かった…というよりか今の今まで名前を聞くことが頭からすっぽ抜けていたといった方が正しいか。
「他に何か覚えていたりするか?」
「…………………………【なにもおぼえていない。ただ、最後に見たあいつの笑顔だけは忘れられない。……あれからどれだけ経ったのか。自分だけが生き返っても、心細いだけだった……。今は、少しましになった】」
「………そうか」
その文からは途轍もない悲哀が感じられた気がして、今はそれ以上尋ねる気になれなかった。
≪拾ったアイテム種類≫
・狂人の智慧
・木の盾
・狩人シリーズ(色違い)
・輸血液
・死血の雫【2】
・火炎瓶
・強化の血晶石【1】
・白い丸薬
・血石の欠片
・濃厚な死血【4】
・血石の二欠片
・強化の血晶石【2】
・毒メス
・教会の黒シリーズ
・水銀弾
・濃厚な死血【5】
・使者の黒帽子
・狂気の死血【7】
・鉛の秘薬
≪狩人メモ(Byヒビキ)≫
【血族狩りアルフレート】
教会の処刑隊の装束を纏った、同い年かと思うほど若い狩人。カインハーストの穢れた血の女王を処刑すべく色々動いているようだが、城に辿り着く道筋が見えず現在手詰まり状態らしい。どうやら師匠がいたようで、自分も師匠のようにありたいと強い尊敬の念と共に思っている。
聞いたところ背負っている車輪は処刑隊の標準武器だそうだ。物腰は柔らかく丁寧だが、ちょっとばかり生真面目すぎるきらいがある。取り合えず彼の目的を達成するまでは協力することにする。デュラと同じく無暗に敵対はしたくない。
***
―――ここは古びた医療教会の工房。狩人ルドウイークを始祖とする工房だったものの、今はもうその命脈は尽きている。車椅子の狩人の言に従って来たはいいものの、最上階の扉は開かないようだ。
入小首をかしげながら、バスガイドのような装備をした一人の女狩人がまた階段を降りて行った。
―――聖堂街から接続する、常に鬱蒼とした暗い森。
執念かその類の念によるものか森の入り口を死後も守り続ける、しかし自我は全く存在しない2人組の狩人は、ビルゲンワースの学徒たちだけが知るという”あいことば”が無いと扉を開けてくれないとか。何故か教区長のいる部屋にその”あいことば”が隠されているとか聞くが、実際のところはどうなのだろうか…?
―――禁じられた区域たる鬱蒼とした暗い森に辿り着いた後の一人の狩人が、赤いランプの灯った民家にいる謎の男から貰った網目の張った歪んだ石《扁桃石》を持ったまま森付近をさまよっていると唐突にブラックホールのようなものが現れ、その中から伸びてきた黒い手ががっちりとその狩人の腕を掴んだ、と思うとそのまま息つく間もなく凄まじい力で引きずり込んでしまった…!
引きずり込まれた先は、いかにも廃墟といった感じのどこかの学び舎。壁や床、天井に至るまでボロボロであちこち崩壊し植物の蔦が這いずり、頭に奇妙な六角柱型の檻を被った、下半身がスライムのように液状化した学徒たちがうろついている。外は月夜、不吉な雰囲気が辺りに渦を巻く。狩人の赤い目は油断なく周囲を警戒していた。
窓からはぽっかりと月を映す大きな湖が見える。しかし、なんとも不思議なことにそこに映っているのは空に昇る月と星々、森の木々。しかし、そこには映っているべき今狩人のいる校舎がどこにも見えないのだ。校舎からはいかにも飛び込めと言わんばかりの湖に突き出した月見台もちらりと見える。
校舎の一室には先に行く扉をその体躯で封鎖してしまっている半人半蜘蛛の異形の男が、その蒼みがかった灰色の瞳で湖を見ていた。
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…………???「全 の上位 は を失い、また求 る
故 は青ざ た月との邂逅 たらし
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