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しつこいし、うざいけど顔面キラキラしすぎ
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あれから、3日経った。弘人から連絡はきていない。
「未練たらたらで気持ち悪いっ・・。向こうは俺のこともう。」
よくないことを考えていたと颯は首を横に振る。
着替えていると、曲が鳴る。電話の着信音だ。すぐにスマホを取ると『神瀬』と書いてあった。
「もしもしっ!」
『もしもし。今大丈夫か?』
「うん、大丈夫。」
向こうで物音がする。
『初めまして。白鳥梓といいます。』
「初めまして?だっけ」
『ごめんなさい。八重さん?を覚えていなくて。』
「大丈夫大丈夫。気にしないで。」
『ありがとうございます。それで、弘人さんのことなんですけど、智寧が言うには、今スマホを壊しちゃって連絡が取れないみたいなんです。なので、八重さんが良ければ直接会わないかと。』
颯の鼓動が速くなる。
「も、もちろん。もちろん。会いたい。」
『伝えておきます。私はこれで。八重。今日は予定があるか?』
神瀬に代わる。
「特には。」
『じゃあ、俺の家に来てくれ。旧男学校の家。覚えてるだろ。』
「覚えてるよ。」
『じゃあお互い大学が終わってから会おう。』
「うん。ありがとう。」
電話を切り、家を出る。
「はやて・・・」
大学で、なんだか落ち込んだ友人が近づいてきた。
「な、なんだよ。」
「ミクちゃん。ミクちゃん。俺のことブロックしてる。」
スマホを借りる。
『ミクちゃん。そろそろ付き合おう』
という文字が4日前。未読のまま。
「なんでブロックされてるって」
「スタンプをプレゼントしようと思って送ったら・・」
「あぁ。」
「というわけで、夜、飲み行こう!奢ってくれ!」
「はぁ?」
「振られたんだぞ!奢るのが当たり前だろ!」
「何言ってんだ。それに俺、今日は予定あるから無理。他を当たってくれ。」
「慈悲がねぇー」
「それにその子別の人にも同じようなこと言っていたし、付き合わなくて良かったんじゃない?お前には別に合う相手がいるさ。」
「颯ー!」
ぎゅーっと抱きついてきそうなところを阻止する。
「やめろ。」
「ひでぇ!」
「てことでじゃあな。」
「え、もう帰るのか。」
「あの・・あのキラキラした先輩に呼ばれてるんだ。」
「あっ・・頑張れよ。」
颯は頭を掻く。
「めんどくせぇ。」
「先輩。」
「やぁ、来てくれたんだ。」
「なんの用ですか?」
「八重くんは、あの有名な高校を卒業したんでしょ」
「男学校ですか。」
「そうそっ。」
「それがどうしたんです?」
「噂で聞いたんだけど」
十瑚玲司が耳に顔を近づけてくる。
「男と子供を作ってたってほんと?」
颯は十瑚から距離をとって耳を塞ぐ。十瑚は笑う。
「その反応、本当なんだ。」
「そ、そんな、そんなことができるわけないでしょ!何を言っているんですか。」
笑いが止まらないのか腹を抱えている。
「否定すればするほど肯定してるみたいだよ。嘘が下手だね。颯くん。」
「帰ります。」
「待って待って。颯くんにとってこのことは、誰かにバラされたくないんでしょ」
「何が言いたいんですか。」
「鈍いなぁ・・。」
嫌な予感。
「俺と一回やってくんない?」
十瑚はキラキラした面のままニコッと首を横に傾ける。
「颯くんはどうせ、受け入れる側なんでしょ?ならちょうどいいし。俺は入れる側以外しないよ。」
まだ何も言っていないのに話が進んでいく。颯はため息をついて、
「先輩もそういう人だったんですね。ガッカリです。」
颯はもう動揺していなかった。
「あれ?何その顔。言われたくないんじゃないの?」
「俺がいつ言われたくないと言いました?勝手にしてください。俺はあの学校を誇りに思っていますし、先輩の噂なんてみんなが知っていると思いますよ。よく言い寄られるんです。夜すごいなら私と寝ない?ってほんとめんどくさい。」
「じゃあ、最初何に驚いていたの?」
颯が十瑚から距離をとった理由、慌てて否定した理由。
「・・男学校の卒業生に言い寄ってくる人は3種類いるんです。まずは先輩みたいに、やりたいからという男と女。それから、男が子供を産めるようになった理由と実体験を聞きたいという研究員。そして、1番めんどくさいのが未だにまだ男学校を探ってる記者・・男学校自体は誇りに思っています。先輩がこの3種類のどれかわからなかったので。記者や研究員ならめんどくさいので否定しますよ。」
呆れられたのに十瑚は楽しそうな顔をしている。
「距離は?」
十瑚がまた顔を近づけようとしてくる。
「やめてください。そんなキラキラした顔で近づいてこないで。俺は・・面食いなんだ・・」
十瑚の口角が上がる。何も言わずにどんどん近づいてくる。
「あっ・・」
壁まで追い詰められる。ドンっと壁ドンをされた。
「可愛い~」
「かわっ!」
「颯くん。やろって言うのは半分冗談。ごめんね。」
颯は(半分かよ)と心の中でツッコむ。
「気は済みました?」
「じゃあ、本題ね~」
「まだ!?」
壁ドンから解放される。
「颯くんって好きな人いるの?」
「いますよ。」
「そこは否定するか、誤魔化すところでしょ~」
「否定して、先輩にアタックされたくないので。」
「名前聞いてもいい?」
「知らない人ですよ。きっと。」
「それでも、好きな人の好きな相手って気になるでしょ。」
「・・七宮弘人。」
「七宮・・」
「知ってるんですか?」
「ん、いや。その弘人くんはイケメンなの?」
「はい!先輩より。」
「ね、泣いていい?」
「お好きに。それより、先輩。俺約束あるんで、もう帰らせてください。」
「約束って?」
「言う必要あります?」
「気になるじゃんー」
「高校の知り合いに会うんです。」
「男学校の。」
「はい。」
急に先輩がキラキラした目を見せてくる。
「まさかっ・・」
「俺も連れてってー」
「絶対に嫌!」
すぐにその場から走って逃げる。後ろから足音が聞こえる気がする。
「はぁ・・はぁ・・」
肩で息をする。
「いつまで付いてくるんですか!」
「だから、俺にも会わせてよ。」
「なんで関係ない・・あなたに。」
「気になるから。」
うざっと嫌な顔をする。腕時計を確認するとそろそろ約束の時間。十瑚をどう撒くか考えてると。
「お前、八重颯だろ!」
どこからか、声がする。辺りを見ると木にぶら下がっている1人の女性の姿。
「君ー、そこ危ないから降りて来な」
十瑚が女性に見せる王子フェイスを見せる。
「うわっきしょ。」
木にぶら下がってる女性は言葉を包まずに言う。十瑚の顔を見ると目がピクピクしている。
「それより、八重だろ。八重。」
木から降りて来て、颯の前に立つ。
「うん、八重だけど。」
「この私が、特別に!特別に!迎えに来てあげたんだから。」
「迎え?」
「神瀬の家に行くんだろ?」
「その迎えか・・」
女性を連れて十瑚と距離をとる。
「協力して欲しいんだ。後ろのキラキラしたやつがしつこくて神瀬の家に行けなくて。」
十瑚は颯と女性を覗こうとしている。
「あぁー、特別に協力してあげる。白白を待たせたくないから。」
「白白?」
女性は颯から離れて、十瑚に向く。
「お前、名前は?」
女性が目をこちらに向けてくる。なんとなく察し、そーっと物陰に入った瞬間、颯は走り出した。
「俺は、十瑚玲司。」
「なんでここにいるんだ?」
「颯くんと颯くんの友達のところに・・って!颯くん!!やられたっ・・君のせいだよ。それより君は誰なんだっ!って・・いない。」
「未練たらたらで気持ち悪いっ・・。向こうは俺のこともう。」
よくないことを考えていたと颯は首を横に振る。
着替えていると、曲が鳴る。電話の着信音だ。すぐにスマホを取ると『神瀬』と書いてあった。
「もしもしっ!」
『もしもし。今大丈夫か?』
「うん、大丈夫。」
向こうで物音がする。
『初めまして。白鳥梓といいます。』
「初めまして?だっけ」
『ごめんなさい。八重さん?を覚えていなくて。』
「大丈夫大丈夫。気にしないで。」
『ありがとうございます。それで、弘人さんのことなんですけど、智寧が言うには、今スマホを壊しちゃって連絡が取れないみたいなんです。なので、八重さんが良ければ直接会わないかと。』
颯の鼓動が速くなる。
「も、もちろん。もちろん。会いたい。」
『伝えておきます。私はこれで。八重。今日は予定があるか?』
神瀬に代わる。
「特には。」
『じゃあ、俺の家に来てくれ。旧男学校の家。覚えてるだろ。』
「覚えてるよ。」
『じゃあお互い大学が終わってから会おう。』
「うん。ありがとう。」
電話を切り、家を出る。
「はやて・・・」
大学で、なんだか落ち込んだ友人が近づいてきた。
「な、なんだよ。」
「ミクちゃん。ミクちゃん。俺のことブロックしてる。」
スマホを借りる。
『ミクちゃん。そろそろ付き合おう』
という文字が4日前。未読のまま。
「なんでブロックされてるって」
「スタンプをプレゼントしようと思って送ったら・・」
「あぁ。」
「というわけで、夜、飲み行こう!奢ってくれ!」
「はぁ?」
「振られたんだぞ!奢るのが当たり前だろ!」
「何言ってんだ。それに俺、今日は予定あるから無理。他を当たってくれ。」
「慈悲がねぇー」
「それにその子別の人にも同じようなこと言っていたし、付き合わなくて良かったんじゃない?お前には別に合う相手がいるさ。」
「颯ー!」
ぎゅーっと抱きついてきそうなところを阻止する。
「やめろ。」
「ひでぇ!」
「てことでじゃあな。」
「え、もう帰るのか。」
「あの・・あのキラキラした先輩に呼ばれてるんだ。」
「あっ・・頑張れよ。」
颯は頭を掻く。
「めんどくせぇ。」
「先輩。」
「やぁ、来てくれたんだ。」
「なんの用ですか?」
「八重くんは、あの有名な高校を卒業したんでしょ」
「男学校ですか。」
「そうそっ。」
「それがどうしたんです?」
「噂で聞いたんだけど」
十瑚玲司が耳に顔を近づけてくる。
「男と子供を作ってたってほんと?」
颯は十瑚から距離をとって耳を塞ぐ。十瑚は笑う。
「その反応、本当なんだ。」
「そ、そんな、そんなことができるわけないでしょ!何を言っているんですか。」
笑いが止まらないのか腹を抱えている。
「否定すればするほど肯定してるみたいだよ。嘘が下手だね。颯くん。」
「帰ります。」
「待って待って。颯くんにとってこのことは、誰かにバラされたくないんでしょ」
「何が言いたいんですか。」
「鈍いなぁ・・。」
嫌な予感。
「俺と一回やってくんない?」
十瑚はキラキラした面のままニコッと首を横に傾ける。
「颯くんはどうせ、受け入れる側なんでしょ?ならちょうどいいし。俺は入れる側以外しないよ。」
まだ何も言っていないのに話が進んでいく。颯はため息をついて、
「先輩もそういう人だったんですね。ガッカリです。」
颯はもう動揺していなかった。
「あれ?何その顔。言われたくないんじゃないの?」
「俺がいつ言われたくないと言いました?勝手にしてください。俺はあの学校を誇りに思っていますし、先輩の噂なんてみんなが知っていると思いますよ。よく言い寄られるんです。夜すごいなら私と寝ない?ってほんとめんどくさい。」
「じゃあ、最初何に驚いていたの?」
颯が十瑚から距離をとった理由、慌てて否定した理由。
「・・男学校の卒業生に言い寄ってくる人は3種類いるんです。まずは先輩みたいに、やりたいからという男と女。それから、男が子供を産めるようになった理由と実体験を聞きたいという研究員。そして、1番めんどくさいのが未だにまだ男学校を探ってる記者・・男学校自体は誇りに思っています。先輩がこの3種類のどれかわからなかったので。記者や研究員ならめんどくさいので否定しますよ。」
呆れられたのに十瑚は楽しそうな顔をしている。
「距離は?」
十瑚がまた顔を近づけようとしてくる。
「やめてください。そんなキラキラした顔で近づいてこないで。俺は・・面食いなんだ・・」
十瑚の口角が上がる。何も言わずにどんどん近づいてくる。
「あっ・・」
壁まで追い詰められる。ドンっと壁ドンをされた。
「可愛い~」
「かわっ!」
「颯くん。やろって言うのは半分冗談。ごめんね。」
颯は(半分かよ)と心の中でツッコむ。
「気は済みました?」
「じゃあ、本題ね~」
「まだ!?」
壁ドンから解放される。
「颯くんって好きな人いるの?」
「いますよ。」
「そこは否定するか、誤魔化すところでしょ~」
「否定して、先輩にアタックされたくないので。」
「名前聞いてもいい?」
「知らない人ですよ。きっと。」
「それでも、好きな人の好きな相手って気になるでしょ。」
「・・七宮弘人。」
「七宮・・」
「知ってるんですか?」
「ん、いや。その弘人くんはイケメンなの?」
「はい!先輩より。」
「ね、泣いていい?」
「お好きに。それより、先輩。俺約束あるんで、もう帰らせてください。」
「約束って?」
「言う必要あります?」
「気になるじゃんー」
「高校の知り合いに会うんです。」
「男学校の。」
「はい。」
急に先輩がキラキラした目を見せてくる。
「まさかっ・・」
「俺も連れてってー」
「絶対に嫌!」
すぐにその場から走って逃げる。後ろから足音が聞こえる気がする。
「はぁ・・はぁ・・」
肩で息をする。
「いつまで付いてくるんですか!」
「だから、俺にも会わせてよ。」
「なんで関係ない・・あなたに。」
「気になるから。」
うざっと嫌な顔をする。腕時計を確認するとそろそろ約束の時間。十瑚をどう撒くか考えてると。
「お前、八重颯だろ!」
どこからか、声がする。辺りを見ると木にぶら下がっている1人の女性の姿。
「君ー、そこ危ないから降りて来な」
十瑚が女性に見せる王子フェイスを見せる。
「うわっきしょ。」
木にぶら下がってる女性は言葉を包まずに言う。十瑚の顔を見ると目がピクピクしている。
「それより、八重だろ。八重。」
木から降りて来て、颯の前に立つ。
「うん、八重だけど。」
「この私が、特別に!特別に!迎えに来てあげたんだから。」
「迎え?」
「神瀬の家に行くんだろ?」
「その迎えか・・」
女性を連れて十瑚と距離をとる。
「協力して欲しいんだ。後ろのキラキラしたやつがしつこくて神瀬の家に行けなくて。」
十瑚は颯と女性を覗こうとしている。
「あぁー、特別に協力してあげる。白白を待たせたくないから。」
「白白?」
女性は颯から離れて、十瑚に向く。
「お前、名前は?」
女性が目をこちらに向けてくる。なんとなく察し、そーっと物陰に入った瞬間、颯は走り出した。
「俺は、十瑚玲司。」
「なんでここにいるんだ?」
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