越えられない壁で僕らの幸せは・・・(黒凪の話)

綾瑪東暢

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恋焦がれる

ストレス

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 17時を回った頃に、家に帰った。ただいまやおかえりの言葉はない。部屋に戻ろうと階段を登ったら
 「おかえり。なぎ。」
 かおる兄さんに言われた。慣れてないため、吃りながら答えた。

 
 部屋に入る。
 「はぁ・・・つかれた」
 
 宇治田うじたの言葉が嫌に頭に残る。ただ静かに過ごしたいだけ。
 
 「凪。お風呂。入りな」
 薫兄さんの声がする。
 「入るよ」
 「凪。」
 ドアの向こうにまだ、薫兄さんがいる。
 「どうしたの?」
 「あっ・・・いや、ごめん。なんでもない。ごめんね。」
 「兄さん?」

 ベットから下りて、ドアを開ける。廊下にはもう兄さんはいなかった。


 ゆっくり湯船に浸かる。
 「はぁ・・・」
 今日はいろんなことがあった。
 時咲とさの態度が変わったり
 先輩は・・僕を優先してくれるし、
 敵にはあったし、
 兄さんは少し変だった。

1日で、人生の半分を経験したみたいだ。


 
 体をタオルで拭いていると、父様の怒鳴り声が聞こえてきた。
 「いい加減にしろ!!!」
 母親の悲鳴も聞こえる。
 急いで服を着て、ほんの少し開いている隙間から覗き込む。使いの髪を引っ張って殴っている父様。

 あの使いは、僕に先輩が好きなのか聞いてきた奴だ。もしかして。
 
 「!?」
 急に肩に手が置かれた。
 「凪様。」
 叫びそうになったところ、口を抑えられた。
 「お静かに。」
 びっくりしすぎてドキドキしてる。
 「上に行きましょう。薫様も待っているので。」

 僕の部屋に入る。
 「どうしてここに?使い長は繋の方じゃ?」
 「他の使いから助けてほしいと連絡があり、駆けつけました。最近の当主様は、怒りの沸点が小さくなっていて、使いだけでは手に終えないと。」
 「ねぇ、使い達はなんの報告をお父様にしてるの?」
 ドアの横に寄りかかって睨みつけている薫兄さん。
 「お二人の一挙一動を。」
 「最近の使い達はちらほら周りにいて気が滅入る。それは、お父様の命令?」
 「はい。」
 「今はなんの報告をしたの?どうせ、知ってるんでしょ?」
 「・・・凪様が婚約者以外の方に好意を抱いていると。」
 「・・・・・そんなことまで報告する必要があるのか?」
 薫兄さんがより睨みを強くする。お父様よりも威厳がある気がする。空気が変わる。肌がピリピリと敏感になって、鳥肌が立つ。薫兄さんが怖い。

 「少しでも、要家の名誉に傷がつくような出来事は、報告するよう言われています。」
 「それが、使いの予測でも?事実でもないことを?凪が認めたとでも言うの?」
 薫兄さんがちらっと僕を見る。より、ゾワッと体が跳ねる。
 使い長は威圧感に当てられたのか、膝をつく。
 「薫様。これ以上はお答えするわけには。」
 
 「まずは、ご報告をさせてください。今日から使い長である、私、静川しずかわしんが凪様のを務めることになりました。」



















 


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