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そのに
カウンセラー
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学校は休みにも関わらず、職員室には部活動の為に出勤する教師がちらほらと見受けられる。数学担当であり、リシェとスティレンの担任でもあるオーギュスティンはやる事が溜まっている為に出勤していた。
休みの時間があるうちに、出来るだけ問題を片付けようと思っていたのだ。
だが、その意気込みも若干薄れそうになっていた。
目の前にいる同僚のせいで。
「ですからね、最近また夢に手からアロエが出てくる夢を見てしまうんですよ」
国語教師のカティルは、真剣に悩みをこちらに打ち明けていた。真剣に悩んでいるならそれなりの病院に行って調べてはどうかと思うのだが、そこまで考えが至らないらしい。
同じような年齢だから、話しやすいのもあるかもしれない。
「何でアロエなんですか?」
「さあ…別にアロエが好きな訳でもないのにねえ」
はあ、と溜息を漏らす。
「そんなに心配なら専門家にでも聞いてきた方がいいんじゃないですか?手からアロエが生えてくる夢に悩まされているのですがって」
ううん、とカティルは難しそうな表情を浮かべた。
「何か知らないですかね?」
何故自分が知らなければならぬのか。オーギュスティンはぶっきら棒に「知る訳ないでしょう」と突っぱねる。
それとも何なのだろう。自分が彼に呪いでもかけたのかと思っているのだろうか。
魔法使いじゃあるまいし。
「どちらにしろ、私にはどうする事も出来ませんから病院に行った方がいいですよ。単に疲れているのかもしれませんし」
そうか…と残念そうにカティルは呟いた。
「願望とかもあるんですかねえ?こう、深層意識でとか」
「ん?あなたはアロエになりたい願望でもあるんですか?」
我ながら頭のおかしい質問だと思った。
カティルは「ほら」と意味深に真向かいのオーギュスティンを見る。彼は妙に変な悪寒を感じた。
「君の体を触手で悪戯してみたいとか」
…何を言い出すのだろうか、この変態は。
オーギュスティンは眉間に皺を寄せながら嫌悪感を丸出しにする。彼のこのようなセリフを受けるのは慣れきっていたが、たまに思いっきりビンタしたくなってくる。
このド変態が、と。
「それはそれは。人間に生まれてきて残念でしたね。来世はナメクジにでもなれるといいと思いますよ、カティル」
「あっはっは。いくらなんでもナメクジにはなりたいと思わないよ」
「仕事の邪魔をしないで貰えませんかね」
いい加減に作業がしたい。
ここで喋っている暇があるなら病院にでも行けばいいのに、とげんなりする。
「新装開店したいいホテルがあるんだけどどうかな?」
そこで何故話題がホテルに飛ぶのだろうか。あれだけ拒否してきたのに、彼は未だにしつこく誘ってくる。
もちろん、真面目なオーギュスティンは完全に誘いを無視している訳だが。
「お一人でどうぞ」
オーギュスティンは話題に全く乗らずに作業を続ける。
「結局あなたは欲求不満なのでしょう。アロエもその表れなんじゃないですか?もうアロエでも育ててなさいよ」
何故こちらが彼のカウンセラーみたいな事をしなければならないのだろうかとうんざりしていると、目の前のカティルは重荷が外れたかのような表情を浮かべた。
なるほど…と納得している。
「私、欲求不満なんですかね。そう言われてみればそうなのかもしれない…」
カティルはがたりと椅子から立ち上がる。
そして悩みを振り切ったかのように明るい表情をした。
「それでは、欲求不満を解消しにアロエでも買ってこようかな!」
「………」
欲求不満の解消にアロエを買ってくるというのがいまいち理解出来ないが、本人が良ければいいのだろう。
オーギュスティンは「そうですか。そうなさい」とやや冷たくカティルに言った。
一方のカティルは悩みが解決したと言わんばかりのすっきりした顔をしている。根が単純なのだろう。
「いやあ、君に相談して良かった!お礼に今度ホテルに行こう!じゃあアロエを買ってくるよ!」
大変晴れやかな様子で、彼は職員室から足取り軽く去って行った。
誰がホテルに行くか、と思いながら。
邪魔者が消えて清々した、と安堵の吐息を漏らして彼は再び作業の続きを開始した。
休みの時間があるうちに、出来るだけ問題を片付けようと思っていたのだ。
だが、その意気込みも若干薄れそうになっていた。
目の前にいる同僚のせいで。
「ですからね、最近また夢に手からアロエが出てくる夢を見てしまうんですよ」
国語教師のカティルは、真剣に悩みをこちらに打ち明けていた。真剣に悩んでいるならそれなりの病院に行って調べてはどうかと思うのだが、そこまで考えが至らないらしい。
同じような年齢だから、話しやすいのもあるかもしれない。
「何でアロエなんですか?」
「さあ…別にアロエが好きな訳でもないのにねえ」
はあ、と溜息を漏らす。
「そんなに心配なら専門家にでも聞いてきた方がいいんじゃないですか?手からアロエが生えてくる夢に悩まされているのですがって」
ううん、とカティルは難しそうな表情を浮かべた。
「何か知らないですかね?」
何故自分が知らなければならぬのか。オーギュスティンはぶっきら棒に「知る訳ないでしょう」と突っぱねる。
それとも何なのだろう。自分が彼に呪いでもかけたのかと思っているのだろうか。
魔法使いじゃあるまいし。
「どちらにしろ、私にはどうする事も出来ませんから病院に行った方がいいですよ。単に疲れているのかもしれませんし」
そうか…と残念そうにカティルは呟いた。
「願望とかもあるんですかねえ?こう、深層意識でとか」
「ん?あなたはアロエになりたい願望でもあるんですか?」
我ながら頭のおかしい質問だと思った。
カティルは「ほら」と意味深に真向かいのオーギュスティンを見る。彼は妙に変な悪寒を感じた。
「君の体を触手で悪戯してみたいとか」
…何を言い出すのだろうか、この変態は。
オーギュスティンは眉間に皺を寄せながら嫌悪感を丸出しにする。彼のこのようなセリフを受けるのは慣れきっていたが、たまに思いっきりビンタしたくなってくる。
このド変態が、と。
「それはそれは。人間に生まれてきて残念でしたね。来世はナメクジにでもなれるといいと思いますよ、カティル」
「あっはっは。いくらなんでもナメクジにはなりたいと思わないよ」
「仕事の邪魔をしないで貰えませんかね」
いい加減に作業がしたい。
ここで喋っている暇があるなら病院にでも行けばいいのに、とげんなりする。
「新装開店したいいホテルがあるんだけどどうかな?」
そこで何故話題がホテルに飛ぶのだろうか。あれだけ拒否してきたのに、彼は未だにしつこく誘ってくる。
もちろん、真面目なオーギュスティンは完全に誘いを無視している訳だが。
「お一人でどうぞ」
オーギュスティンは話題に全く乗らずに作業を続ける。
「結局あなたは欲求不満なのでしょう。アロエもその表れなんじゃないですか?もうアロエでも育ててなさいよ」
何故こちらが彼のカウンセラーみたいな事をしなければならないのだろうかとうんざりしていると、目の前のカティルは重荷が外れたかのような表情を浮かべた。
なるほど…と納得している。
「私、欲求不満なんですかね。そう言われてみればそうなのかもしれない…」
カティルはがたりと椅子から立ち上がる。
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「………」
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