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そのさん
リシェ・マイスイートエンジェル
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パフェを食べてご満悦なリシェは、ラスにしっかりと手を繋がれて街の中を移動中。デートだぁあ、と脳内でお花畑を展開させながら、次はどこに行きましょうかと問う。
「あまりどこに何があるのか分からん」
「あ…そっか、先輩は転校して来たからか」
リシェは余程の用がない限り、あまり外には出歩かなかった。逆にラスは時間があれば友人達と遊びに行くタイプなので、遊べるような場所は大体把握している。
しかし同じ年齢帯にも関わらず、リシェは非常に地味な性格なので賑やかな場所を好まない。ラスはうーん、と考える。
「先輩、買い物とかもあまりしなさそうだしなあ」
「今は欲しいものは特に無いからな」
「でも美味いものには夢中になるよね」
先程のパフェを食べる際に目をキラキラ輝かせながら十分程飾り付けに見惚れていたのを思い出して、からかった。
リシェは無表情のままで「綺麗に盛られていたからだ」と言い訳をする。
「それだけ見てたらアイスとか崩れちゃいますよ」
…目に焼き付けておきたかったのだ。
あまりにも凝視し過ぎて、結局写真に収めておけばいいんですよとラスに注意される始末。前にもあったな、と思いながらしっかり写真を撮っておいた。
「次は大きいのに挑戦したい」
「五十センチパフェは一人だと厳しいですよ。あれ、四、五人分だから…スティレンとか一緒じゃないと」
「あいつが食うと思うか?太るとか肌に良くないとか喚き出すぞ」
確かに言いそうだ。
ラスは苦笑いした。
じゃあとりあえず色んな店とか見て回ろうかな、と思っていたその時。人々がごった返す道のどこかで、素っ頓狂な叫び声が聞こえてきた。
「んんん!?もしやあれは!?俺のリシェではなかろうか!?俺の天使ではござらんか!?」
その変に上擦った叫びを聞いた瞬間、リシェの小さな体がびくりと反応する。
ラスは「え」と声が飛んできた方に目を向けると、背の高いひょろひょろした体型の男がこちら目掛けて近付いて来た。
「やっぱり!!俺の可愛いリシェでござる!!」
その口調は前に聞いた事があった。
リシェが電話を嫌がる原因になった相手ではないかとラスは彼を見下ろすと、やはり顔を引きつらせている。
「せ、先輩…」
男が近寄ってくると、リシェは本気で嫌そうに舌打ちした。
「まさかここで出会うとは運命なのではなかろうか!リシェ!!」
「うるさい、近寄るな変態!!」
「お兄ちゃんに向かっていきなりそれは良くないでござるよ!めっ!!」
めっ、なんて普段小さな子供相手にしか聞かないのだが、彼はリシェに対し何の躊躇いもなく言ってのけている。
やたら芝居がかった物の言い方に、何とも言えぬ複雑な気持ちにさせられてしまった。
「何でここに居るんだ!」
「んんっ?この街は色んな物があるんだよ。フィギュアとか同人誌とか、お宝が沢山…あああ、リシェと会えると分かっていればコスプレ衣装とか買えば良かった!!さっき可愛いのがあったのにさぁ!あ、そうだ!今から一緒に衣装を買いに行くのでござる!!そして着てもらおうかな!そうしよう、リシェ!猫耳メイドさんのコスプレしておくれ、絶対似合うから!はあはあ」
息継ぎ無しで良く喋るなあ、とついラスは感心した。
リシェの兄らしく顔立ちは悪くは無いのに、発言と動作が妙に変な印象を受けてしまう。身につけている服は美少女キャラのシャツに、何故かピンク色のウサギの耳のついたカチューシャ。彼なりのこだわりなのだろう。
買い物のついでにイベントにでも寄ったのだろうか。首には紐付けされた美少女キャラのブロマイドが掛けられていた。
むしろイベントがメインで、買い物がついでかもしれない。
リシェは思いっきり「嫌だ!!」とはね除ける。
「お前なんかに付き合っている隙は無い!」
「お兄ちゃんの言う事を聞きなさい、リシェ!」
街中で兄弟喧嘩を見せつけられていたラスは、まあまあと二人を止めた。
まさか偶然とは言え、彼の身内と遭遇するとは。まずは挨拶を、と頭を下げる。
「むむっ?君は何かね」
「は、初めまして…せ、先輩のルームメイトのラスって言います…」
リシェの兄はこちらをまじまじと上から下から見た後、眉をぴくりと動かした。そして凄まじい剣幕で叫び始める。
「る、ルームメイト!?ルームメイトだと言うのでござるか!!り、リシェ!?ルームメイトに何か悪戯とかされてはいないであろうね!?そのっ、いやらしいやつとか!?えっちぃやつとか!?正直に!言いなさい!!お兄ちゃん怒らないから!!」
ルームメイトでそこまで想像を飛躍させるのも凄い。
いやらしいのとえっちぃのは似たようなものではないのかと思っていると、リシェは「やかましい!!」と怒鳴る。その話し方から、対応すら面倒なのかが窺えた。
しかし兄は全く止まらない。
「お兄ちゃんに許可なく転校したかと思えば行った先の学校のルームメイトといちゃいちゃとか!!いつからそんないけない子に育ったんだ!!」
ぐにょりぐにょりとリシェを抱き締め、彼の柔らかそうな頰に頬擦りを繰り返す。
「離せ、気持ち悪い!」
「お兄ちゃんに対してそれはダメでしょ!」
流石に嫌気が差したのだろう。
「何でもかんでも変な方向に話を持っていくな!!」
ぼこ、とリシェはくっついてくる兄の頰を殴っていた。
「あまりどこに何があるのか分からん」
「あ…そっか、先輩は転校して来たからか」
リシェは余程の用がない限り、あまり外には出歩かなかった。逆にラスは時間があれば友人達と遊びに行くタイプなので、遊べるような場所は大体把握している。
しかし同じ年齢帯にも関わらず、リシェは非常に地味な性格なので賑やかな場所を好まない。ラスはうーん、と考える。
「先輩、買い物とかもあまりしなさそうだしなあ」
「今は欲しいものは特に無いからな」
「でも美味いものには夢中になるよね」
先程のパフェを食べる際に目をキラキラ輝かせながら十分程飾り付けに見惚れていたのを思い出して、からかった。
リシェは無表情のままで「綺麗に盛られていたからだ」と言い訳をする。
「それだけ見てたらアイスとか崩れちゃいますよ」
…目に焼き付けておきたかったのだ。
あまりにも凝視し過ぎて、結局写真に収めておけばいいんですよとラスに注意される始末。前にもあったな、と思いながらしっかり写真を撮っておいた。
「次は大きいのに挑戦したい」
「五十センチパフェは一人だと厳しいですよ。あれ、四、五人分だから…スティレンとか一緒じゃないと」
「あいつが食うと思うか?太るとか肌に良くないとか喚き出すぞ」
確かに言いそうだ。
ラスは苦笑いした。
じゃあとりあえず色んな店とか見て回ろうかな、と思っていたその時。人々がごった返す道のどこかで、素っ頓狂な叫び声が聞こえてきた。
「んんん!?もしやあれは!?俺のリシェではなかろうか!?俺の天使ではござらんか!?」
その変に上擦った叫びを聞いた瞬間、リシェの小さな体がびくりと反応する。
ラスは「え」と声が飛んできた方に目を向けると、背の高いひょろひょろした体型の男がこちら目掛けて近付いて来た。
「やっぱり!!俺の可愛いリシェでござる!!」
その口調は前に聞いた事があった。
リシェが電話を嫌がる原因になった相手ではないかとラスは彼を見下ろすと、やはり顔を引きつらせている。
「せ、先輩…」
男が近寄ってくると、リシェは本気で嫌そうに舌打ちした。
「まさかここで出会うとは運命なのではなかろうか!リシェ!!」
「うるさい、近寄るな変態!!」
「お兄ちゃんに向かっていきなりそれは良くないでござるよ!めっ!!」
めっ、なんて普段小さな子供相手にしか聞かないのだが、彼はリシェに対し何の躊躇いもなく言ってのけている。
やたら芝居がかった物の言い方に、何とも言えぬ複雑な気持ちにさせられてしまった。
「何でここに居るんだ!」
「んんっ?この街は色んな物があるんだよ。フィギュアとか同人誌とか、お宝が沢山…あああ、リシェと会えると分かっていればコスプレ衣装とか買えば良かった!!さっき可愛いのがあったのにさぁ!あ、そうだ!今から一緒に衣装を買いに行くのでござる!!そして着てもらおうかな!そうしよう、リシェ!猫耳メイドさんのコスプレしておくれ、絶対似合うから!はあはあ」
息継ぎ無しで良く喋るなあ、とついラスは感心した。
リシェの兄らしく顔立ちは悪くは無いのに、発言と動作が妙に変な印象を受けてしまう。身につけている服は美少女キャラのシャツに、何故かピンク色のウサギの耳のついたカチューシャ。彼なりのこだわりなのだろう。
買い物のついでにイベントにでも寄ったのだろうか。首には紐付けされた美少女キャラのブロマイドが掛けられていた。
むしろイベントがメインで、買い物がついでかもしれない。
リシェは思いっきり「嫌だ!!」とはね除ける。
「お前なんかに付き合っている隙は無い!」
「お兄ちゃんの言う事を聞きなさい、リシェ!」
街中で兄弟喧嘩を見せつけられていたラスは、まあまあと二人を止めた。
まさか偶然とは言え、彼の身内と遭遇するとは。まずは挨拶を、と頭を下げる。
「むむっ?君は何かね」
「は、初めまして…せ、先輩のルームメイトのラスって言います…」
リシェの兄はこちらをまじまじと上から下から見た後、眉をぴくりと動かした。そして凄まじい剣幕で叫び始める。
「る、ルームメイト!?ルームメイトだと言うのでござるか!!り、リシェ!?ルームメイトに何か悪戯とかされてはいないであろうね!?そのっ、いやらしいやつとか!?えっちぃやつとか!?正直に!言いなさい!!お兄ちゃん怒らないから!!」
ルームメイトでそこまで想像を飛躍させるのも凄い。
いやらしいのとえっちぃのは似たようなものではないのかと思っていると、リシェは「やかましい!!」と怒鳴る。その話し方から、対応すら面倒なのかが窺えた。
しかし兄は全く止まらない。
「お兄ちゃんに許可なく転校したかと思えば行った先の学校のルームメイトといちゃいちゃとか!!いつからそんないけない子に育ったんだ!!」
ぐにょりぐにょりとリシェを抱き締め、彼の柔らかそうな頰に頬擦りを繰り返す。
「離せ、気持ち悪い!」
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