異世界学園の中の変な仲間たち2

へすこ(ひしご)

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そのよん

スティレンの貴族的優雅な休日

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 一方、その頃。
 暇を持て余したスティレンも、街へと繰り出し買い物を楽しんでいた。必要なものがあれば、いくらでも使っていいと渡されたカードで支払うという夢のような買い方をしていた彼は、両脇に大量の紙袋を抱えながら満足そうに闊歩している。
 …ふふん、持つべきものは金を持ってる家族だよね!
 周囲からの目線を浴び、スティレンは得意げに歩道の真ん中をカツカツと足音を立てながら進む。
 彼が一番好きな事は買い物を好きなだけする事だった。
 お洒落な服を大量に買い込んだり、美を保つ為の化粧品類を買い集める事が一種のストレス解消法なのだ。だが、買い込みすぎて逆に着ない服が溜まっては、リシェに与えるというどうしようもない事を平気でするので逆に怒られてしまう事もしばしば。
 しかもリシェが好む服のタイプと、スティレンが好む服のタイプは全く違うのだ。
 スティレンはエレガントで大人びた雰囲気の種類を好んで着るが、リシェはどちらかと言えば年相応で無難なカジュアル系を着る。ガキ臭いとスティレンが馬鹿にする一方で、リシェは背伸びばっかりしてと呆れ返していた。
 とにかく、服の趣味といい全く趣味が合致しない。
 それにも関わらず、スティレンは何も考えずに買い物をするという、非常に勿体無いかつ頭の悪い買い方をしていた。
 …とりあえず、この荷物をどこかのコインロッカーに預けてからまた別のショップに寄ってみようかな、まだ見たいものもあるし。
 何袋も嵩張っているショップバッグを手に、彼はコインロッカーを探そうと周囲を見回したその時だ。
「あっれぇ?どこかで見た事があるなぁ」
 不意に背後から声が聞こえてくる。
 スティレンは自分が声を掛けられたのだと気付かずにそのまま道を歩いていたが、「ちょっと!!」と叫びに近い声を上げられてしまった。
 え、俺?とようやく振り返る。
 ちょうど背後に、あのナマコ野郎とリシェに馬鹿にされていた少年がドヤ顔で立っていた。
「あー、ええっと…ナマコ野郎だっけ。思い出した」
 何でここに、と面倒そうな表情を見せると相手の少年はイラッとしたのか違う!!と怒った。
「そのナマコ野郎ってのやめてくれない!?ちゃんとシエルって名前があるんだけど!?」
「ああ、そう、何でもいいよ。それが俺になんの用なのさ?」
 これもまた可愛らしい顔立ちなのに、怒りっぽいせいなので魅力も半減してしまう。
 …ま、この美しい俺には太刀打ちできないけどね、とスティレンは内心勝ち誇りながら相手の話を聞いた。
「特に用なんて無いけど!それだけやたら買い物袋を持ってるから誰かと買い物して罰ゲームでもやらされてるのかと思って」
「はん?」
「思いっきり鼻で笑おうと思って!!」
 性格が悪いな、と思ってしまった。
 しかし大人の態度を見せつけて優位に立ってあげないと、とスティレンはいつもの対抗意識を燃やす。
「ふん、ガキだね。これだから庶民は困るよ。これは全部俺の買い物なの。俺は好きなものを何でも買うのを許されてるんだからね、たまにこうして贅沢にショッピングを楽しんでいるのさ。ふふん、どーお?羨ましいでしょ」
 全て自分の買い物、と聞いたシエルは目をまん丸くしながら驚く。その話ぶりで相当なお坊ちゃんだというのが分かり驚いたものの、強気な彼はそれを隠す為にふんと鼻で笑い飛ばした。
 なぁにさ、と腕を組みながら気にしないように振る舞う。
「それだけ買い込んだら絶対着ないものだって増えると思うけどぉ?大丈夫ぅ?宝の持ち腐れとかになりそう」
「それには及ばないよ、着なくなったものはリシェに渡してるからね!あっ、それとも何?おこぼれが欲しいとか?何だ、言ってくれたらあげてやってもいいけど?」
 お互い上から目線で物を言い合っているので、内心火花を散らす。
 数分間似たような会話を繰り返していると、今度は別の方向から「すみませぇん」と大人の女性の声が飛んできた。
 いがみ合っていた二人は同時に声の方向に顔を向ける。
「「はぁい」」
 とびっきりの営業スマイルで。
「あ!やっぱりぃ。私の見る目は間違ってなかったわ!あのぉ、私女の子向けの雑誌の編集をしているんですけどぉ、街角で発見したイケメン特集の記事を作ってましてぇ、宜しかったら写真とか、ちょっとしたインタビューとかお願いしてもいいですかぁ?」
 その話を聞いた瞬間、とにかく派手に目立つ事が好きなスティレンを似たような性質のシエルは目を輝かせてしまう。
「はい!喜んで!」
「ふふ、俺が雑誌に載ったら売上げ増えちゃうかもよ?」
 自意識過剰なスティレンの言葉にに、横に居たシエルは内心「どんだけ自信あるんだよ」と毒づく。
 女性記者は嬉しそうに良かったぁ、と大層喜びの表情を浮かべて、じゃあちょっとインタビューからしますねぇ、と呑気に二人に対し取材を開始した。
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