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そのさんじゅうよん
僕は君の主人、君は僕の「?」
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今日も一日疲れたぁ、とスティレンは自分の部屋の扉の鍵を解錠して中に入ろうとした。毎回出る時は鍵をきちんと施錠して確認の上で校舎に向かうのだが、ドアノブを捻った際に何故か施錠されている事に気付く。
あれ、ちゃんと鍵を掛けていったのにな。知らないうちに忘れてた?
不思議に思い、また鍵穴に鍵を差し込んだ。
今度は扉が開かれ、変だなと違和感を感じながら部屋の中に足を踏み入れた。
「おっかえりー!スティレン★」
嫌な声が聞こえてきた。
そして自分の部屋に居るかのように寛ぎ、回転する椅子に腰を掛けてくるくる回る金髪の小悪魔美少年の姿を見た瞬間、スティレンは無言で部屋を出て扉を閉める。
「あぁん、スティレンンン」
扉を挟んだ向こう側から、甘えたような声が聞こえた。
忌々しく舌打ちしながら、スティレンは心の中で罵倒する。
…このクソガキ、何しに来やがったのさ!!…てか金握らされて勝手に入れないでよ事務所連中!!
学生寮の事務所員にまで腹が立って仕方無い。親族ならまだ構わないが、よりによって面倒な奴を許可無く入れてしまうとは。
扉の向こうでバンバンと叩く音がする。
出てこないようにドアノブをしっかり掴んで固定しながら、スティレンは人の部屋に勝手に上がり込んできた他校の生徒をどうしてくれようかと考えてしまう。
「待ってたんだよーぅ、スティレン★ほら、バレンタインだったでしょ?僕からのチョコを貰って欲しいなぁってさあ。んふふ、嬉しいでしょ?」
「全く嬉しくないんだけど!!何なのあんた!?勝手に人の部屋に上がり込んできてさぁ!」
「何なのって…君の主人のサキト様だよぉ♫君にぴったりの高級チョコ持って来たんだから有り難く思いなよね!ほらぁ、スティレン。扉開けて開けて!」
君の主人という言葉に、スティレンは短気を起こしてつい扉を蹴りそうになった。だがそれは美徳に反する。
落ち着け、と自分に言い聞かせながら「あんたを主人にした記憶は全く無いんだけど」と怒りを押さえて返事をした。
お互い扉越しに言い合う形で会話を続ける。
「今更何言ってるのさ。僕は毎日四つん這いになってる君を椅子にする妄想をしてるんだよぉ。僕の頭の中では僕は君のご主人様なの。はぁあ、君がこうして間近に居るだけで僕我慢出来なくなっちゃうぅ」
「きっっっっっも!!!」
ネジが緩みきったサキトの発言に、スティレンは反射的に嫌悪の言葉を吐いていた。
「何なのあんた!怖いんだけど!よくその顔でそこまで気色悪い言葉が吐けたもんだね!」
罵倒と同時に、向こうから扉が開かれた。
うわ!とスティレンの体が引いたが、サキトのひらひらしたシャツの袖が伸びて彼の腕をキャッチする。すかさずサキトはスティレンの胸元に飛びついてきた。
ふわりと柔らかそうな髪が視界に入り込み、香水のほのかな香りが鼻を掠める。
「つーかまえた★」
好意があれば満更でも無い態度を見せられるだろう。
だがスティレンには全くサキトに対して好意は無い。むしろ気持ち悪いレベルだ。外見はとんでもなく可愛らしい人形のような美少年なのに、とにかく受け付けられない。
理由は、とにかく思考が気持ち悪い。
「んんっふぅ」
サキトはスティレンを見上げると、無邪気な笑みを向けた。
「さあスティレン、僕を貰って!」
「嫌だね!絶対嫌!」
「僕の体にチョコ掛けして丸ごと食べていいんだよ!」
「頭おかしいんじゃないの!?」
つれないなあ、と頰を膨らませる。
「じゃあさ、せめて僕が持ってきた高級チョコを食べてね。一粒一粒が万単位なの。君の為に取り寄せたんだよぉ。一流のシェフが作ったんだからぁ」
スティレンの胸に頰をぴったりくっつけ、恍惚とした表情を浮かべて甘えてくる。
ぞわぞわと背中に悪寒が走り、スティレンは彼から離れようと両手を突き出し続けていた。
「君がその気になれないなら僕は一旦引くよ。クロスレイも待たせてるからね。ふふ、そのうち君に僕が君の主人だって事を分からせてあげるんだから。あとおまけに、また君と僕の薄い本を持って来たからそれを読んで学習してねっ!後でエッチなおさらいするから」
「いや、持って帰って。いらないからマジで」
何を期待しているのだろう。
サキトはスティレンに「キスして」と迫るが、嫌だと拒否した。
「頭突きされたくなかったら帰って。めちゃくちゃ強い頭突きするよ」
「んもう、つれない!!」
じゃあチョコは食べてよね!と興醒めした様子で言うと、彼は何故か窓から出て行った。ここは一階では無いはずだが。
まあいいや、と安堵する。
机の上には綺麗に包装された上品な雰囲気のチョコと、数冊の薄い本。前回見た時と同じ絵柄だ。クロスレイが描かされたものだろう。
はあ、と溜息をつきながら薄い本を机の奥に入れた。
包装されたチョコを開くと、確かに箱にも記載されている位のブランド物だった。
一粒万単位、という言葉が頭に浮かぶ。
「別にお金かけなくてもいいってのにさ…」
馬鹿じゃないの、と呆れながらスティレンはその高級チョコを一口頬張っていた。
あれ、ちゃんと鍵を掛けていったのにな。知らないうちに忘れてた?
不思議に思い、また鍵穴に鍵を差し込んだ。
今度は扉が開かれ、変だなと違和感を感じながら部屋の中に足を踏み入れた。
「おっかえりー!スティレン★」
嫌な声が聞こえてきた。
そして自分の部屋に居るかのように寛ぎ、回転する椅子に腰を掛けてくるくる回る金髪の小悪魔美少年の姿を見た瞬間、スティレンは無言で部屋を出て扉を閉める。
「あぁん、スティレンンン」
扉を挟んだ向こう側から、甘えたような声が聞こえた。
忌々しく舌打ちしながら、スティレンは心の中で罵倒する。
…このクソガキ、何しに来やがったのさ!!…てか金握らされて勝手に入れないでよ事務所連中!!
学生寮の事務所員にまで腹が立って仕方無い。親族ならまだ構わないが、よりによって面倒な奴を許可無く入れてしまうとは。
扉の向こうでバンバンと叩く音がする。
出てこないようにドアノブをしっかり掴んで固定しながら、スティレンは人の部屋に勝手に上がり込んできた他校の生徒をどうしてくれようかと考えてしまう。
「待ってたんだよーぅ、スティレン★ほら、バレンタインだったでしょ?僕からのチョコを貰って欲しいなぁってさあ。んふふ、嬉しいでしょ?」
「全く嬉しくないんだけど!!何なのあんた!?勝手に人の部屋に上がり込んできてさぁ!」
「何なのって…君の主人のサキト様だよぉ♫君にぴったりの高級チョコ持って来たんだから有り難く思いなよね!ほらぁ、スティレン。扉開けて開けて!」
君の主人という言葉に、スティレンは短気を起こしてつい扉を蹴りそうになった。だがそれは美徳に反する。
落ち着け、と自分に言い聞かせながら「あんたを主人にした記憶は全く無いんだけど」と怒りを押さえて返事をした。
お互い扉越しに言い合う形で会話を続ける。
「今更何言ってるのさ。僕は毎日四つん這いになってる君を椅子にする妄想をしてるんだよぉ。僕の頭の中では僕は君のご主人様なの。はぁあ、君がこうして間近に居るだけで僕我慢出来なくなっちゃうぅ」
「きっっっっっも!!!」
ネジが緩みきったサキトの発言に、スティレンは反射的に嫌悪の言葉を吐いていた。
「何なのあんた!怖いんだけど!よくその顔でそこまで気色悪い言葉が吐けたもんだね!」
罵倒と同時に、向こうから扉が開かれた。
うわ!とスティレンの体が引いたが、サキトのひらひらしたシャツの袖が伸びて彼の腕をキャッチする。すかさずサキトはスティレンの胸元に飛びついてきた。
ふわりと柔らかそうな髪が視界に入り込み、香水のほのかな香りが鼻を掠める。
「つーかまえた★」
好意があれば満更でも無い態度を見せられるだろう。
だがスティレンには全くサキトに対して好意は無い。むしろ気持ち悪いレベルだ。外見はとんでもなく可愛らしい人形のような美少年なのに、とにかく受け付けられない。
理由は、とにかく思考が気持ち悪い。
「んんっふぅ」
サキトはスティレンを見上げると、無邪気な笑みを向けた。
「さあスティレン、僕を貰って!」
「嫌だね!絶対嫌!」
「僕の体にチョコ掛けして丸ごと食べていいんだよ!」
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つれないなあ、と頰を膨らませる。
「じゃあさ、せめて僕が持ってきた高級チョコを食べてね。一粒一粒が万単位なの。君の為に取り寄せたんだよぉ。一流のシェフが作ったんだからぁ」
スティレンの胸に頰をぴったりくっつけ、恍惚とした表情を浮かべて甘えてくる。
ぞわぞわと背中に悪寒が走り、スティレンは彼から離れようと両手を突き出し続けていた。
「君がその気になれないなら僕は一旦引くよ。クロスレイも待たせてるからね。ふふ、そのうち君に僕が君の主人だって事を分からせてあげるんだから。あとおまけに、また君と僕の薄い本を持って来たからそれを読んで学習してねっ!後でエッチなおさらいするから」
「いや、持って帰って。いらないからマジで」
何を期待しているのだろう。
サキトはスティレンに「キスして」と迫るが、嫌だと拒否した。
「頭突きされたくなかったら帰って。めちゃくちゃ強い頭突きするよ」
「んもう、つれない!!」
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まあいいや、と安堵する。
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