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そのさんじゅうろく
◯◯部門
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「俺は学校の中でイケメン部門があったら間違い無く先輩を推しますよ」
いきなりラスは言い出した。
今日は生憎雨が降り続く天気で、昼休みはわざわざラスが一年であるリシェの教室に上がり込んでいる。ラスの戦利品の焼きそばパンをもっしゃもっしゃと食べていたリシェは、怪訝そうな顔でラスを見ていた。
やはり一緒に居るスティレンは、そんなラスの発言に眉間に皺を寄せて「はああ?」と不服を吐き出す。
「学校一のイケメンだって?この陰キャ極まりないリシェがぁ?大丈夫ラス?頭おかしくなったんじゃない?」
「スティレンはどうせ自分だって言うくせに…」
頭おかしくなったのではない。本当の事だから言っているのだとラスは頰を膨らませた。
一方のリシェはもぐもぐとパンを食べながら、全く興味無さそうにしている。彼の煽てには完全に慣れ切った様子だが、また馬鹿な事を言い出したと言わんばかりに溜息を吐いていた。
反応に困る。
「当たり前じゃない。イケメンっていうのは眉目秀麗で成績優秀、運動神経抜群の超王道な俺にぴったりじゃないか。こんな根暗なリシェには似合う言葉では無いと思うよ!」
スティレンはスラスラと自画自賛の言葉を吐き散らかす。まるで新品のトイレットペーパーのようだ。くるくると新しい紙の如く口からスラスラ出てくる。
ラスは苦笑いした。まあ、確かに彼は身なりに気を使うだけあり姿形がとにかく美しい。それは否定しない。なのに、リシェとは似ていても何かが違う。
初見で惚れたせいもあるかもしれない。
リシェは「お前、自分で言ってて虚しくならないのか」と紙パックの牛乳をストローで吸い上げた。
「真実でしょ」
「そうか。少なくともお前の中ではそうなんだろうな」
何故タイプが全く違う二人が従兄弟なのだろう。
「てか、イケメン部門があるなら違う部門もあるんだろうね、勿論?」
「文化祭のコンテストなら色々種目あるでしょ?ああ、そっか。先輩達は転入したからまだ分からないか。各クラスで何人か部門ごとに代表を出して、全校生徒から選んで貰うんだよ。イケメンとか女子力とか力自慢とか」
文化祭か、とリシェは興味無さげな様子でラスの説明を聞く。逆にスティレンは目を輝かせながら「へえ」と乗り気になっていた。
ここでも性格の差が出てくる。
「楽しそー!俺ならイケメン部門だね、間違い無く!」
「文化祭が近付いたらその話が出て来るだろうね。ふふふ、楽しみだなあ。イケメン部門もいいけど先輩は女子力部門とか無双しそう…ドレスとか着て欲しいな、あ!!メイド服でもいいなあ…んふふふふ」
想像して一人でニヤニヤするラスを、リシェは気持ち悪そうな様子で見上げて「俺はやりたくないぞそんなもの」と引く。
「えええ!!めちゃくちゃやって欲しいんですけど!先輩っ、メイド服に猫耳姿見せて下さいよ!!俺の為に!」
猫耳メイドと聞いたリシェは途端に嫌悪感を剥き出しにしてラスに突っ込んだ。
「お前、俺が世界で一番大嫌いな奴と全く同じ事を要求するのか?」
世界で一番大嫌いな奴。
イコール、リシェの兄という図式が頭に浮かぶ。
「俺は純粋に見たいだけです…」
一括りにされてやや凹むラス。
すると教室の外から、こちらに目をつけたのか別クラスのシエルが近付いて来た。彼もまた可愛らしい顔立ちなので文化祭のコンテストで抜擢されるだろう。
「ちょうどいい所に」
彼は本意では無い様子で「仕方無いから君らのどっちかでいいや」と前置きした上で話し始めた。
「悪いんだけど数学の教科書貸してくれない?僕、忘れて来ちゃったみたいなの。次の時間、生物なんでしょ?」
自分のミスなのにやけに偉そうに頼むのが気にかかったが、リシェは無言で彼に数学の教科書を机から出して差し出した。
それを受け取ると、彼は満足そうに「悪いね」と礼を告げて去って行く。
「じゃああいつは何部門さ?」
スティレンは彼の背中を見送りながら問う。
リシェは無表情のままでうーんと考える。
「ナマコ部門」
二人の話を聞きながら、ラスはそんなもの無いよ…と呟いた。
いきなりラスは言い出した。
今日は生憎雨が降り続く天気で、昼休みはわざわざラスが一年であるリシェの教室に上がり込んでいる。ラスの戦利品の焼きそばパンをもっしゃもっしゃと食べていたリシェは、怪訝そうな顔でラスを見ていた。
やはり一緒に居るスティレンは、そんなラスの発言に眉間に皺を寄せて「はああ?」と不服を吐き出す。
「学校一のイケメンだって?この陰キャ極まりないリシェがぁ?大丈夫ラス?頭おかしくなったんじゃない?」
「スティレンはどうせ自分だって言うくせに…」
頭おかしくなったのではない。本当の事だから言っているのだとラスは頰を膨らませた。
一方のリシェはもぐもぐとパンを食べながら、全く興味無さそうにしている。彼の煽てには完全に慣れ切った様子だが、また馬鹿な事を言い出したと言わんばかりに溜息を吐いていた。
反応に困る。
「当たり前じゃない。イケメンっていうのは眉目秀麗で成績優秀、運動神経抜群の超王道な俺にぴったりじゃないか。こんな根暗なリシェには似合う言葉では無いと思うよ!」
スティレンはスラスラと自画自賛の言葉を吐き散らかす。まるで新品のトイレットペーパーのようだ。くるくると新しい紙の如く口からスラスラ出てくる。
ラスは苦笑いした。まあ、確かに彼は身なりに気を使うだけあり姿形がとにかく美しい。それは否定しない。なのに、リシェとは似ていても何かが違う。
初見で惚れたせいもあるかもしれない。
リシェは「お前、自分で言ってて虚しくならないのか」と紙パックの牛乳をストローで吸い上げた。
「真実でしょ」
「そうか。少なくともお前の中ではそうなんだろうな」
何故タイプが全く違う二人が従兄弟なのだろう。
「てか、イケメン部門があるなら違う部門もあるんだろうね、勿論?」
「文化祭のコンテストなら色々種目あるでしょ?ああ、そっか。先輩達は転入したからまだ分からないか。各クラスで何人か部門ごとに代表を出して、全校生徒から選んで貰うんだよ。イケメンとか女子力とか力自慢とか」
文化祭か、とリシェは興味無さげな様子でラスの説明を聞く。逆にスティレンは目を輝かせながら「へえ」と乗り気になっていた。
ここでも性格の差が出てくる。
「楽しそー!俺ならイケメン部門だね、間違い無く!」
「文化祭が近付いたらその話が出て来るだろうね。ふふふ、楽しみだなあ。イケメン部門もいいけど先輩は女子力部門とか無双しそう…ドレスとか着て欲しいな、あ!!メイド服でもいいなあ…んふふふふ」
想像して一人でニヤニヤするラスを、リシェは気持ち悪そうな様子で見上げて「俺はやりたくないぞそんなもの」と引く。
「えええ!!めちゃくちゃやって欲しいんですけど!先輩っ、メイド服に猫耳姿見せて下さいよ!!俺の為に!」
猫耳メイドと聞いたリシェは途端に嫌悪感を剥き出しにしてラスに突っ込んだ。
「お前、俺が世界で一番大嫌いな奴と全く同じ事を要求するのか?」
世界で一番大嫌いな奴。
イコール、リシェの兄という図式が頭に浮かぶ。
「俺は純粋に見たいだけです…」
一括りにされてやや凹むラス。
すると教室の外から、こちらに目をつけたのか別クラスのシエルが近付いて来た。彼もまた可愛らしい顔立ちなので文化祭のコンテストで抜擢されるだろう。
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