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そのさんじゅうなな
続・夢の住人
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再びリシェは真っ白な空間の中に居た。
またか…とげんなりしていると、やはり例の自分そっくりなコスプレ少年が座っている。彼はこちらの気配に気付き、ゆっくりと振り返り「またお前か」と眉を寄せた。
「またお前かって、こっちがそう言いたいよ」
「今度は何の用なのだ」
「さあ…そもそも自分が何でここに居るのかすら分からないんだ。お前はどこから来たのだ」
リシェの問いかけに、コスプレ少年は首をやや傾けながら「俺はアストレーゼンから来たんだ」と不思議そうな面持ちで告げる。
んん?と眉を寄せるリシェ。
「アストレーゼン?学校に居たのか?俺はお前の事を見た事無いぞ」
「学校?何がだ?お前、自分で何を言って」
お互い話が噛み合っているようでまるで噛み合っていない。同じ顔の美少年は、お互い向き合いながら変な会話を続けていた。
頭がこんがらがってしまう。
リシェはうう…と唸りながら頭を掻きむしっていた。
「…まあいい。早くこの場から脱出しないと、ロシュ様が心配する。お前、ここから出る方法を知らないか」
「ロシュ様?何を言ってるんだ…あんな変な人がお前の心配を?」
リシェにとってのロシュは、頭のおかしい保健医のイメージしか無かった。変な人というフレーズに引っかかったのだろう。相手は何と言った?と睨んでくる。
彼はリシェに向かって無礼な奴めと凄んだ。
「同じ顔でロシュ様を愚弄するとは。やはり偽者だな、お前!!」
「偽者なものか!!お前にとってあの人は大事なんだろうけど俺にとっては他人なんだ!!お前には分からないだろうけどあの人は変態だぞ!俺のハンカチの匂いを嗅いだり俺の怪我した指をベロベロ舐めたり!!とにかく変な人なんだ!!」
思い出しながら半泣きになるリシェ。
彼に関しては全くいい印象が無いのだ。
「俺のロシュ様がそんな変な事を…する…わけ…んん?」
彼は言いかけたが、次第に考え込みだす。
「…やる…かな…ううん…やりそうな気もする…どうだったかな…いや、やるかもしれない…」
急激に自信を無くすコスプレ少年のリシェ。
「ほら見ろ!!」
リシェはドヤ顔で叫んだ。
「あの人は酷く変態なんだぞ!!」
「だから!ロシュ様を愚弄するな!!あの方は俺の命なんだぞ!!あんな素晴らしい人はどこにも居ない!!」
何故彼はロシュにこれだけ心酔しているのだろう。リシェにはさっぱり理解出来なかった。恐らくこれからも理解出来ないだろう。
あれだけ変な人間なのに。
「お前、相当なマニアだぞ!」
「何だと!?お前にロシュ様の何が分かるというのだ!!あの方に惚れ込んだからこそ今の俺があるのだ!!それを変態扱いとは!!」
さっき考え込んだじゃないか、とリシェは怒鳴る。
こいつは頭がおかしいと心から思った。
「お前の中ではあの人はさぞ素晴らしいんだろうよ!俺にとっては単なる変態にしか見えないんだ!!」
「お前っ!!それ以上言ったら許さんぞ!!」
そう言い、彼は飛び掛かってきた。
リシェも彼に応じて殴り合い、引っ張り合いを始める。
「この偽者め!!」
「うるさい、無礼者!!」
同じ人物だが、どうやら波長が合わないようだ。
真っ白な空間の中、二人は結果的にぽこすかと争っていた。
「…せんぱい、せーんぱーい」
「うう…このやろ…偽者め…」
眠りながら魘されているリシェを、ラスは優しく揺さぶっていた。しばらくすると彼ははっと目を覚ます。
「あ!先輩、やっと起きてくれたぁ」
にっこりするラスは、上体を起こすリシェに微笑む。
「また変な夢ですか?」
リシェは頭を振り、ううんと呻いた。
「また変な夢を見たんだけど…何だったかなあ…不毛な言い争いをしたような気がするんだ」
やはり思い出せなかった。
「大した夢じゃないんですよぉ。ほら、先輩。起きてご飯食べに行きましょう」
ラスに促され、リシェはベッドから降りる。ラスも同時に立ち上がると、いつものように彼を優しく抱き締めた。
「お前はいちいち引っ付かないと死ぬ病気なのか?」
起きがけに懐かれ、リシェは面倒そうに彼を見上げる。
しかしラスは満面の笑みを浮かべると、「はい、死ぬ病気です」と返した。
またか…とげんなりしていると、やはり例の自分そっくりなコスプレ少年が座っている。彼はこちらの気配に気付き、ゆっくりと振り返り「またお前か」と眉を寄せた。
「またお前かって、こっちがそう言いたいよ」
「今度は何の用なのだ」
「さあ…そもそも自分が何でここに居るのかすら分からないんだ。お前はどこから来たのだ」
リシェの問いかけに、コスプレ少年は首をやや傾けながら「俺はアストレーゼンから来たんだ」と不思議そうな面持ちで告げる。
んん?と眉を寄せるリシェ。
「アストレーゼン?学校に居たのか?俺はお前の事を見た事無いぞ」
「学校?何がだ?お前、自分で何を言って」
お互い話が噛み合っているようでまるで噛み合っていない。同じ顔の美少年は、お互い向き合いながら変な会話を続けていた。
頭がこんがらがってしまう。
リシェはうう…と唸りながら頭を掻きむしっていた。
「…まあいい。早くこの場から脱出しないと、ロシュ様が心配する。お前、ここから出る方法を知らないか」
「ロシュ様?何を言ってるんだ…あんな変な人がお前の心配を?」
リシェにとってのロシュは、頭のおかしい保健医のイメージしか無かった。変な人というフレーズに引っかかったのだろう。相手は何と言った?と睨んでくる。
彼はリシェに向かって無礼な奴めと凄んだ。
「同じ顔でロシュ様を愚弄するとは。やはり偽者だな、お前!!」
「偽者なものか!!お前にとってあの人は大事なんだろうけど俺にとっては他人なんだ!!お前には分からないだろうけどあの人は変態だぞ!俺のハンカチの匂いを嗅いだり俺の怪我した指をベロベロ舐めたり!!とにかく変な人なんだ!!」
思い出しながら半泣きになるリシェ。
彼に関しては全くいい印象が無いのだ。
「俺のロシュ様がそんな変な事を…する…わけ…んん?」
彼は言いかけたが、次第に考え込みだす。
「…やる…かな…ううん…やりそうな気もする…どうだったかな…いや、やるかもしれない…」
急激に自信を無くすコスプレ少年のリシェ。
「ほら見ろ!!」
リシェはドヤ顔で叫んだ。
「あの人は酷く変態なんだぞ!!」
「だから!ロシュ様を愚弄するな!!あの方は俺の命なんだぞ!!あんな素晴らしい人はどこにも居ない!!」
何故彼はロシュにこれだけ心酔しているのだろう。リシェにはさっぱり理解出来なかった。恐らくこれからも理解出来ないだろう。
あれだけ変な人間なのに。
「お前、相当なマニアだぞ!」
「何だと!?お前にロシュ様の何が分かるというのだ!!あの方に惚れ込んだからこそ今の俺があるのだ!!それを変態扱いとは!!」
さっき考え込んだじゃないか、とリシェは怒鳴る。
こいつは頭がおかしいと心から思った。
「お前の中ではあの人はさぞ素晴らしいんだろうよ!俺にとっては単なる変態にしか見えないんだ!!」
「お前っ!!それ以上言ったら許さんぞ!!」
そう言い、彼は飛び掛かってきた。
リシェも彼に応じて殴り合い、引っ張り合いを始める。
「この偽者め!!」
「うるさい、無礼者!!」
同じ人物だが、どうやら波長が合わないようだ。
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「…せんぱい、せーんぱーい」
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