異世界学園の中の変な仲間たち2

へすこ(ひしご)

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そのごじゅう

ラスの脳内はお花畑

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「…という事で先輩」
 いきなり言い出すラスは、いきなり話を切り出した。
「は?」
「俺といちゃいちゃしましょう」
 そしていきなり変な事を言い出す。リシェは眉間に皺を寄せながら「嫌だ」と正直に返した。
「まあ、冗談ですよ。えっと…紹介したい人が居るんですよ」
「何?俺に?紹介…?付き合っている彼女か」
 相変わらずリシェはゲームで赤フンとチャットをしていた。
 ラスは違いますよ!とやたらムキになって怒る。
「彼女なんて居る訳ないじゃないですか!!先輩と出会ってから全然誰にも目を向けてないですし!!それなのに先輩ったら俺に見向いてもくれないんだからっ!!」
 散々彼の欲求に付き合って添い寝までしてやっているというのに、まだ我儘を言い続けるのかとリシェは溜息を吐いた。
「で、誰に会わせたいんだ?結婚の挨拶をしたいから両親にとか言い出したら殴るぞ」
 可愛らしい顔に似合わず、日に日に凶暴になりかけていくリシェ。それでもラスはお構い無しでニコニコしながら「それでもいいんですけどね」と答えた。
 彼は両手の指と指をくっつけて蠢かし、もじもじするようにお伺いを立ててくる。
 上目遣いで。
 リシェははっきりと気持ち悪いなと吐き捨てるが、ラスは聞こえないようだ。
「バイト先の知り合いと会って欲しいんです」
「何で」
「俺、先輩の事を言ったんですよ。写真も見せました」
 ゲーム画面を開き、機械音を鳴らしながらリシェは「は?」と嫌そうな顔を隠そうともせずに返した。
 ラスはリシェが手にしているゲーム機を優しく取り上げる。
「ああっ!何だよ、何するんだ」
 ゲーマーには一番腹が立つ取り上げられ方をされ、リシェはラスに抗議した。顔を紅潮させて憤慨する。
「赤フンが死ぬだろ!!返せ!!」
「先輩、ノー…いや、赤フンと遊んでたんですか」
 ノーチェと言いそうになるのを咄嗟に押さえ、取り上げたゲームの画面を見た。
 相変わらずお互いの正体が分からないまま遊んでいるらしい。
「…もう!返せ!!回復してやらなきゃならないんだから」
 ラスからゲーム機を引ったくり、再び画面を見る。
「先輩ぃ」
「何だよ」
「ですから、その子と会って欲しいんです。画像見せたら先輩の事をCGだろって言うんですよぉ」
 それでいいじゃないか、とリシェは言う。
 他人と会うのがとにかく面倒なようだ。
「男子校でそんなのが居るもんかって。先輩可愛いから」
「ならスティレンでも連れて行けばいいじゃないか。褒められるのがとにかく好きなんだから」
 乗り気ではないリシェをどうしたら連れ出せるだろうか。
「画像と違うって言われちゃいますよ!先輩、俺を見て下さいよぉ。俺に構って!!いちゃいちゃして!!先輩、先輩ぃ」
「ああもううるさいな!!もう少しでボスのHPのゲージが無くなるから待ってろ!!」
 元のリシェからは想像出来ない言葉だ。
 大人しく終わるのを待っていると、言葉通りリシェはゲームを中断した。
 ラスはお預けから許可を得た子犬のように、スイッチを切ったリシェに勢い良く抱き着く。
「先輩!」
「抱き着くな鬱陶しい!とりあえず話を聞いてやるから離れろ!」
 ぐぐぐと両腕を伸ばし、ラスから離れようともがいた。
 ようやく彼の手から離れると、リシェはなるべくラスから距離を保って続けろと急かした。
 抱きつかれている間に変なスイッチを入れられたら困る。
「ですから、先輩が現にいる事を証明したいんですよ」
「………」
「存在が嘘みたいに言うから…」
 自分がまるで幽霊みたいじゃないか。
「お前、俺を何と紹介したいんだ?」
「え?」
「同居人って言ってるのか?」
 無表情のリシェを見ながら、ラスはまたもじもじしだした。
 そのやかましい見た目からの消極的な動きが、変に不釣り合いに見えてしまう。
 かああっと赤面しながらやや俯き加減で、ラスは呟く。
「こっ…恋人かなあ♡だって、添い寝とかキスとかしてくれたじゃないですか…」
 ラスの頭の中は、完全にお花畑が敷き詰められているようだ。
「お前は何を言ってるんだ?」
 まるで少女のように照れ笑いする同居人に対し、リシェは心から冷え込む気持ちに陥っていた。
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