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そのきゅうじゅうご
プレゼントの中身の中身
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夏休みに全然帰って来ないじゃないの、たまには家に顔を見せに来なさいという実家からの電話を切った後、ラスははぁ…と一息吐いた。
アストレーゼン学園からは比較的近い場所に実家があるから、いつでも戻れるのだがいかんせんリシェとの寮生活が楽しいあまりなかなか戻らずにいたのだ。
「先輩」
「ん?」
リシェは何故か級友から貰ったキノコの怪人フィギュアを、あらかじめ購入していた透明なケースに入れて保存しようとしている。スルメといい、何故よく分からない物を彼に与えてくるのだろう。
マタンゴをチョイスしてくるセンスが謎だ。
「先輩は実家に帰らないのをあれこれ言われないんですか?」
「俺か?…多少は言われる程度だけど、うるさくは言われないな。向こうにはリオデルも居るし」
ラスはその名前を聞いて、強烈なインパクトを与えてきた彼の兄を思い出す。色んな意味で派手だった。
今頃何かしらのイベントに参戦しているのだろう。
「帰れば帰ったで面倒だからな。あいつには絡まれるし親には着せ替え人形扱いされるし、気の休まる事がない」
「着せ替え人形…」
ドレスとか着せられてしまうのだろうか。
想像し、思わず「わあ」と声を張り上げた。
「先輩、女装とかさせられちゃうんです??」
反射的にがっついてしまった。ただでさえ美少女っぽく見えるリシェが可愛らしいドレスを無理矢理着せられてしまうという状況を妄想するだけでも滾るものがあった。
きっと可愛いに違いない、と。
やけに食いついてきたラスを、リシェはうんざりしたように見る。
「何だお前は」
こういう時のラスはやけにギラギラするのが鬱陶しいようで、リシェは邪険に扱ってしまう。それでもラスは気にしない様子で続けた。
「先輩の女装姿とか、絶対可愛いと思うんです!」
「絶対やらないからな。そんな格好する位なら俺はマタンゴの着ぐるみを着る」
丁寧に怪人をクリアケースに保存し、自分の机に静かに置いた。
「…先輩」
「ん?」
「最近やけに変な物を貰ってきますね…」
「そうか?」
そうですよ、とラスはいじけた。
「貰うのは構いませんけど、気をつけた方が良いですよ。カメラとか仕掛けられてるかもしれませんからね」
意外な忠告に、リシェはまさかと驚く。
「このマタンゴの中にカメラなんてものがあるはずはない」
「いやいや…」
どうか分かったもんじゃないですよ、とラスはケースを開けて再びフィギュアを外に出した。リシェは何をするのだと困惑する。
どうやら底部分に中身を開けられる場所がある模様。フィギュアのような貯金箱のようだ。リシェの目の前で、蓋を開けて中身を確認するとビニールのようなものが入っていた。
「ん?ビニール?プチプチかな」
「何だ?普通じゃないのか」
貰った時に確認しなかったんですか…と言いながら、ラスは中にあったビニールを引っ張りだす。買った際に入っていたものをそのままプレゼントしたのだろうか。
リシェは無表情のままで中身が引き出されていくのを見ている。
「んん、プチプチですね」
「普通じゃないか」
その後に改めて中を覗き込む。すると「ん?」とラスは眉を寄せた。
「何かあるのか」
「綿が入ってる…プチプチ入ってたのに綿の意味があるのかな」
どうにか詰められていた綿も引っ張った。
リシェも固められて混入していた綿を不思議そうに見つめていると、小粒の何かが更に転がってくる。
「あっ」
ラスは声を上げた。やっぱり何かあった!とそれを摘む。
しかしその小粒サイズの物体を見ると、彼はたちまち無言になった。その正体はとにかく謎過ぎて、逆にコメントのしようがなかったのだ。
リシェも首を傾げる始末。
「豆だ」
「………」
豆だな、とリシェも呟いた。
ラスはその小豆色の謎の豆を見つめ、やがてリシェの方へ顔を向ける。
「…何で?」
こんなに厳重に閉じ込められた先にあったのはただの豆。
何で?と聞かれてもリシェも返しようがなかった。
「さあ…」
俺に聞かれても、と困惑する。
むしろ質問するなと思った。
アストレーゼン学園からは比較的近い場所に実家があるから、いつでも戻れるのだがいかんせんリシェとの寮生活が楽しいあまりなかなか戻らずにいたのだ。
「先輩」
「ん?」
リシェは何故か級友から貰ったキノコの怪人フィギュアを、あらかじめ購入していた透明なケースに入れて保存しようとしている。スルメといい、何故よく分からない物を彼に与えてくるのだろう。
マタンゴをチョイスしてくるセンスが謎だ。
「先輩は実家に帰らないのをあれこれ言われないんですか?」
「俺か?…多少は言われる程度だけど、うるさくは言われないな。向こうにはリオデルも居るし」
ラスはその名前を聞いて、強烈なインパクトを与えてきた彼の兄を思い出す。色んな意味で派手だった。
今頃何かしらのイベントに参戦しているのだろう。
「帰れば帰ったで面倒だからな。あいつには絡まれるし親には着せ替え人形扱いされるし、気の休まる事がない」
「着せ替え人形…」
ドレスとか着せられてしまうのだろうか。
想像し、思わず「わあ」と声を張り上げた。
「先輩、女装とかさせられちゃうんです??」
反射的にがっついてしまった。ただでさえ美少女っぽく見えるリシェが可愛らしいドレスを無理矢理着せられてしまうという状況を妄想するだけでも滾るものがあった。
きっと可愛いに違いない、と。
やけに食いついてきたラスを、リシェはうんざりしたように見る。
「何だお前は」
こういう時のラスはやけにギラギラするのが鬱陶しいようで、リシェは邪険に扱ってしまう。それでもラスは気にしない様子で続けた。
「先輩の女装姿とか、絶対可愛いと思うんです!」
「絶対やらないからな。そんな格好する位なら俺はマタンゴの着ぐるみを着る」
丁寧に怪人をクリアケースに保存し、自分の机に静かに置いた。
「…先輩」
「ん?」
「最近やけに変な物を貰ってきますね…」
「そうか?」
そうですよ、とラスはいじけた。
「貰うのは構いませんけど、気をつけた方が良いですよ。カメラとか仕掛けられてるかもしれませんからね」
意外な忠告に、リシェはまさかと驚く。
「このマタンゴの中にカメラなんてものがあるはずはない」
「いやいや…」
どうか分かったもんじゃないですよ、とラスはケースを開けて再びフィギュアを外に出した。リシェは何をするのだと困惑する。
どうやら底部分に中身を開けられる場所がある模様。フィギュアのような貯金箱のようだ。リシェの目の前で、蓋を開けて中身を確認するとビニールのようなものが入っていた。
「ん?ビニール?プチプチかな」
「何だ?普通じゃないのか」
貰った時に確認しなかったんですか…と言いながら、ラスは中にあったビニールを引っ張りだす。買った際に入っていたものをそのままプレゼントしたのだろうか。
リシェは無表情のままで中身が引き出されていくのを見ている。
「んん、プチプチですね」
「普通じゃないか」
その後に改めて中を覗き込む。すると「ん?」とラスは眉を寄せた。
「何かあるのか」
「綿が入ってる…プチプチ入ってたのに綿の意味があるのかな」
どうにか詰められていた綿も引っ張った。
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「あっ」
ラスは声を上げた。やっぱり何かあった!とそれを摘む。
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「豆だ」
「………」
豆だな、とリシェも呟いた。
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