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真・らぶ・TRY・あんぐる 三十八
しおりを挟む佑は二人の間で上半身裸になっていた。
いや、正確にいうなら上半身のパジャマとシャツを脱がされていた。
留美と由香の二人に、である。
別段色っぽい展開ではない。
入浴代わりに身体を拭く……専門用語で言うと『清拭』のためであった。
実をいえば、由香は看護師に憧れていた。
小学生のころに盲腸で入院して以来のことらしく、今では知識だけは准看なみであった。
だからこそ、佑がケガした時に手出しせず黙って見ていたのだった。
看護師が勝手に処置してはいけない事を知っていたからである。
だが、留美の意見を聞いて、清拭くらいは問題がないだろうと判断し、実行に移すことにしたのである。
とはいえ、同年代の男の子の裸体を、たとえ上半身だけとはいえこんなに間近に見るのは初めての経験だった。
それは留美も同様で、二人はほんのり頬を火照らし、佑の顔は火照りに火照っていた。
「佑クンて、けっこう逞しいのね」
思ったより佑は胸板が厚かった。 けっこう着痩せするタイプなのである。
とはいうものの、筋骨隆々なのではない。 飽くまでも着衣のときよりは逞しく見えるというだけなのであった。
で、本来息子の世話をするべき母親はどうしているかというと、前日に留美から聞き出した場所、つまり留加が屋台を出している場所へ向かっている真っ最中なのだった。
例によって、話は少々さかのぼるが、ご理解いただきたい。
「留美ちゃん、由香ちゃん? 二人とも佑をお願い致しますわ。 あたくしはちょっと用事があって出かけてきますからね」
いつもより幾分デラックスな服装で二人に告げる。 昨日の今日で佑美が行動を起こすとは、留美の想像の範疇外のことで夢にもそんなことは思っていない。
留美にとっても由香にとっても佑美のお願いは願ったり叶ったりというものであった。 二人とも、少しでも佑に助けて貰った恩を返したい、そう思っていたからである。
だが、佑にとっては困惑のタネ以外の何ものでもない。
昨日と同じく二人に挟まれ、佑は汗をだらだらと流していた。
「佑クン、すごい汗」
それは二人のせいだ、などと言える佑ではない。
「拭いてあげるね」
「ちちちちちょっと待って」
待つ筈がなかった。
そして、まだあまり身動きのとれない佑は、あっと言う間に留美と由香の二人に上半身を裸にされていたのである。
汗のおかげで湿布も剥がれかかっていた。
「ユカちゃん、タオル絞ってきてくれる? あたしは佑クンの下着の着替えと湿布用意するから」
「うん、わかった」
タオルを4、5枚持って階下の洗面所へ向かう由香。
その間留美は、勝手知ったる恋人の部屋という感じで手早く替えのシャツとトランクスを用意する。
そうこうするうちに由香がお湯につけて絞ったタオルを持って戻ってきた。
「ありがと、ユカちゃん」
「どう致しまして」
そして、由香が体の前面を、留美が背面を担当し、佑の体を丁寧に拭きはじめた。
「ちょ、く、くすぐっ」
「佑くん、動かないで」
由香がそう言って押さえつける。
その点、留美の担当している背中はそれほどくすぐったくはない。
だが、留美は唐突に佑のうなじから背筋へと口づけた。
「ひあっ!?」
背筋に唇を這わせられ、びくん、と体を震わせる。
「ふふっ、佑クンて背中感じやすいんだね」
留美のオヤジ的発言に、由香はあきれ返り、佑は顔どころか全身を真っ赤にした。
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