愛より大切な物語

asabato

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仕事なんだからと割り切れるもの 4

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私も潜在的に裏のあるので、人には言えないが変わった女である。頼まれるなら挑戦してみようと、請け負う気持ちが心をかすめてきた。

それに佐伯は、これで儲けようとはしてないようで、みんなの幸せな結婚を望んでるだけの、お人好しと思えてきた。何よりも刺激的な仕事を通して、役に立つのが一番であった。

私にはエロい気持ちがあったのは確かだったし、そんな仕事が成り立つのかと想像もしまう。

依頼者の女性は、オートレーサーの男性の印象が良かったので、もう少しお話がしたいと連絡が来たという。彼女は完ぺき主義なのか、セックス不能では困るという『性』に関する最終レポートを再依頼をしてきたのだ。

具体的に話を聞き始めて私が驚いたことは、立つ男の全身を添えて撮れれば完璧でレポートなどは要らないと言う。そんなこと出来るのだろうか・・

私は友人の話を聞くとか、第3者を探して聞きだしてレポートを作るのかと思っていたが文章など要らないという「立つ写真って?・・」簡単そうで身体を張っていかないと撮れそうもなかった。

佐伯には具体的に聞けるものじゃなかったが、理解できていた。

仕事なんだからと割り切れるものなのかと複雑な思いが浮かんでは断ち切る。でも依頼者の真剣な願いとなれば、引き受けたい気持ちもある。きっと依頼者には大事な事だろう・・恋愛じゃないんだからと・・

時間が経つうちに、かなり酔わないと無理だし難しいと思いながらも薄笑いをしている私が、自問自答するも回答が見つからなくて挫折感で潰れそうであった。

私が付き合ってる秀樹ならラブホで激写してや、渡すことにしようと思ったりしている弱い自分しか思い付かない。

オートレーサーの人物とは事務的に会ってるけど惚れてもいない男の写真を撮るなんて、どうすれば最善なのか浮かんでこない。やはり付き合っている秀樹のアップ写真で誤魔化すかなぁと、ずるい気持ちになってしまう。

動揺を隠しながら想像を膨らませていると、気持ちの切り替えが出来てきたのは一歩前進したようで、飲みながら居酒屋で会うことと結論を出した。

・・
女性からの現実的な依頼は、相手の男性には言ってはいけない。その中で彼を呼び出し、私は地味な装いで「相手の女性の方をどう思いますか?」と、男の気持ちを確かめた。つづく
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