下品なネタを耽美系文学に変えてみます

利子利尻

文字の大きさ
9 / 10

一体

しおりを挟む
 とっぷりと日の暮れた街並みは、うっすら橙色に染まっている。俺は産まれてこのかたずっとこの街で過ごしてきた。多くの建物が建てられては、消えて行き昔から形を変えず残っているものはごく僅か。
 変わらないのは、空の色のみか。セピア色の街並みから、どこかセンチメンタルになりながら歩を進める。
 仕事を終えて心身共に疲弊しきった身体に鞭打ってずるずると帰る。
 明日は休みだ。今宵は酒に溺れてしまおうかと、自宅の冷蔵庫に眠る酒とつまみを想うと少し足取りが軽くなった。

 シャワーで1日の汗水を洗い流し、さっぱりしたところで1人贅沢な宴の準備を始める。数日前スーパーのつまみコーナーに置いてあった裂きイカ。コンビニで見つけた新発売のカップ焼きそば。趣味で始めた糠漬けの中からキュウリとゆで卵を取り出し、一口大に切ってゆく。これらをちゃぶ台に並べ、酒も同様に並べていく。
 そして、俺の宴は始まった。

 キンキンに冷えた酒をあおり、並べたつまみを平らげてゆく。日本酒、焼酎、ビールなど、様々な酒を好んで呑んで飲みまくる。
 アルコールも回り、身体も熱くなりつつも脳髄がとろけてしまったような感覚だ。

 酒は無くなってしまい、1人の宴は終わりを迎えた。夜風に当たりたくて俺は外に出た。
 おぼつかない足取りで、行く当ても無く進む。ひんやりとした空気が、酒の入った体に心地よい。酒で熱くなった身体がいい感じに冷やされる。
 ふと、頭上を見上げる。濃紺の夜空には銀色の星々が光輝く。灰色の雲が月を覆い、金色に変わる。
 やがて月を覆っていた雲は流れ、明るい満月が顔を出した。
「いい眺めだなあ」
草の匂いや虫の鳴き声、風の柔らかさなど味覚以外の感覚が満たされ、自然と一体化したような気分になり、ますます気分が良くなった。
 
満月が出て少し良くなった視界に、人影を見つけた。全体的に白く、細長い影。
 目を凝らしてみると、明るい栗色のセミロングの女性がいた。小さな顔は伏し目がちな表情を浮かべ、うっすら赤みを帯びている。女性は何だかもじもじとした動きを見せる。どうしたものかと少し近づけば、俺は目を疑った。彼女は、一糸纏わない、産まれたままの姿だったのだ。
 彼女の白い肌を、満月が妖しく照らしている。小柄な身体に見合った控えめな乳房は陶器のように滑らかで、その頂点には赤い蕾が咲いていて何とも艶かしい。
 細く、むちむちとして柔らかそうな太ももは内股で擦り合っており、その間からは透明な液体が一筋伝っている。
 俺は、ごくりと生唾を飲んだ。なぜ全裸の女性が外を出歩いているのだろう。それに、見たところまだ成人すらしていない。
 俺はただ固まっていた。そんな俺に女性もとい少女が来た。
「おじさんも私と一緒、だね」
「ねえ、おじさん。今夜一緒に…」
 これは一体どういうことなのか。だが、先程大量に飲んだ酒で頭が回らない。とろけた脳髄は思考を無くし、そこから意識は途切れた。

 目を覚ませば、俺は灰色の狭い部屋にいた。一体どういうことなのか。痛む頭に意識を持っていかれそうになりながらなんとか目を覚ます。
「目が覚めたかい」
 聞きなれない男の声がした。
「ここは、どこですか」
「取調室だよ」
「どうして、俺はこんな所に…あれ、あのの子は?」
「あの子?あの子って何なんだ」
「それより、俺はどうしてこんな所に」
「それは鏡を見れば分かるよ」
 俺は鏡を見た。鏡には、だらしなく出た腹部が、毛にまみれた足が、産まれたころからずっと着いている息子がはしたなく立っていた。
 俺は絶句した。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中

桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。 やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。 「助けなんていらないわよ?」 は? しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。 「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。 彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...