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間者は誰!
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トントントントン トントントントン
トントントントン トントントントン
「パパに叱られるならわかるけど、何でヴラシスに叱られるの?」
「早く反省文を書け」
グリゾフ先生を上半身裸にして息が届く距離で筋肉を見つめていたことを 誰かが王子坊ちゃんに教えたらしく、ネチネチと圧をかけて叱られた後に反省文を書かされている。
「できました」
“次からは3歩さがります”
「…説教のやり直しだ。朝までかかるな」
「ひいっ!冗談です!書き直します!」
書き直すこと5回目
「いいだろう。ところで、グリゾフ先生に婿に来いって言ったとか?」
「クビになったならですけど」
「よし、1ヶ月泊まり込んでやる」
「ひいっ!!帰ってください!お願いします!」
「…酷い反応だな」
その後パパも
「エリシア…まだ婿の話は早い。罰としてヴラシス殿下を泊まらせる」
「そんなぁ~」
「2人とも酷いな…」
夜はギリギリまで王子坊ちゃんが私に付き纏い、朝は満面の笑みの王子坊ちゃんが同じ馬車に乗り込んでニタニタしている。
「はぁ…」
「善きに計らえ」
「も、もう止めて」
お殿様っぷりに、扇子で仰ぎながら“善きに計らえ”って言ってと頭頂部の髪の毛を紐で縛って扇子を渡してやらせた。一人で爆笑していたらパパとママは何がおかしいの?この子大丈夫かしらという目で見ているし、王子坊ちゃんはずっとやってくれていた。
「…でもそういうところ 好き」
「え?」
到着と同時に言い逃げして馬車を降りた。
「おはよう、エリシア」
「おはよう、アレックス」
「なあ、王子殿下と登校していたの幻じゃないよな」
「生霊でもないよ」
「キュアノス家の馬車に近衛付きって…」
「私が昨日グリゾフ先生を誘惑した罰としてヴラシス殿下が1ヶ月うちに泊まることになったの。まったく誰よ、殿下に言い付けたの!」
「罰…王子のお泊まりが罰なのか?」
「だってずっと構って欲しいと寄ってくる大型犬が家にいると思ってよ。挙げ句の果てには言葉まで喋るのよ?」
「…仲がいいだけじゃなくて とんでもない扱いしてるな」
「幼い頃からの友人だからね」
「馬車から降りてきた殿下の顔が赤かったのは?」
「褒めたから?いつもけなすかキレるか怒るかだから」
「…王子御免状ってすごい効果だな」
「ほんと。最初にもらっていなきゃ生首いっぱい飾っていたわね」
「首1個しか持ってないだろう」
「ふふっ」
「なんだよ」
「昨日から笑いすぎて腹筋痛い」
「おはよう、エリシア」
「おはよう、イザベラ」
「昨日、ダリウス殿下を負かしたんだって?」
「しつこく絡むから思い知らせたの」
「ほんと怖いやつだな エリシアは」
「歳下の生徒に絡む男の方が問題よ。エリシアは追い払っただけよね?」
「うん」
「あ~あ、がっかり。昨日弓術とってる双子の弟から補助教師に第二王子が来たって聞いて胸をときめかせたのに すぐに干上がったわ」
「イザベラ…」
授業が終わり 帰りの馬車で
「エリシア 俺に弓を教えて欲しい」
「教えるのは無理だよ?帰って騎士様達に教えてもらった方がいいと思う」
「文句も言わないし、合間にエリシアが射るところを見せてくれたらそれでいい」
「うちの私兵に頼む?」
「嫌だ」
「使う弓が違うの」
「それでも」
「う~ん」
「頼む!」
「分かったから頭を上げて」
深々と頭を下げられたら仕方ない。
「その代わり、早朝とか無理だから」
「分かった」
翌日から、王子坊ちゃんは早朝に剣の稽古や筋トレなどをしていて、シャワーを浴びて私達と食事をして学園へ行く。帰ってから私と弓の練習をしながらティータイム。夕食前まで勉強をして夕食後は寝支度をした後、就寝直前まで私の部屋で本を読んでいる。
休日は王子坊ちゃんは鍛錬の時間を増やし勉強もする。
私は前世の知識があるし語学チートあるし、新たに覚えることはマナーや所作、歴史程度。弓も前世でやっていたからできた。それに比べて王子坊ちゃんは全て勉強していかないといけない。かなりの努力家だといえる。
「ヴラシス、ごめんなさい」
「どうした」
「剣術で1位を取れだなんて言って」
あんなことを言って、相当負荷をかけてしまったはずだ。
「やるべきことにエリシアが対価を与えてくれたんだから寧ろ感謝しているよ。だからエリシアが気に病む必要はない」
我儘な王子坊ちゃんだけど優しい人だ。
「王子坊ちゃんだけど いい男だね」
「っ!!」
照れて赤くなる姿もなかなか可愛い。
ちなみに、第二王子先生はクビになった。
トントントントン トントントントン
「パパに叱られるならわかるけど、何でヴラシスに叱られるの?」
「早く反省文を書け」
グリゾフ先生を上半身裸にして息が届く距離で筋肉を見つめていたことを 誰かが王子坊ちゃんに教えたらしく、ネチネチと圧をかけて叱られた後に反省文を書かされている。
「できました」
“次からは3歩さがります”
「…説教のやり直しだ。朝までかかるな」
「ひいっ!冗談です!書き直します!」
書き直すこと5回目
「いいだろう。ところで、グリゾフ先生に婿に来いって言ったとか?」
「クビになったならですけど」
「よし、1ヶ月泊まり込んでやる」
「ひいっ!!帰ってください!お願いします!」
「…酷い反応だな」
その後パパも
「エリシア…まだ婿の話は早い。罰としてヴラシス殿下を泊まらせる」
「そんなぁ~」
「2人とも酷いな…」
夜はギリギリまで王子坊ちゃんが私に付き纏い、朝は満面の笑みの王子坊ちゃんが同じ馬車に乗り込んでニタニタしている。
「はぁ…」
「善きに計らえ」
「も、もう止めて」
お殿様っぷりに、扇子で仰ぎながら“善きに計らえ”って言ってと頭頂部の髪の毛を紐で縛って扇子を渡してやらせた。一人で爆笑していたらパパとママは何がおかしいの?この子大丈夫かしらという目で見ているし、王子坊ちゃんはずっとやってくれていた。
「…でもそういうところ 好き」
「え?」
到着と同時に言い逃げして馬車を降りた。
「おはよう、エリシア」
「おはよう、アレックス」
「なあ、王子殿下と登校していたの幻じゃないよな」
「生霊でもないよ」
「キュアノス家の馬車に近衛付きって…」
「私が昨日グリゾフ先生を誘惑した罰としてヴラシス殿下が1ヶ月うちに泊まることになったの。まったく誰よ、殿下に言い付けたの!」
「罰…王子のお泊まりが罰なのか?」
「だってずっと構って欲しいと寄ってくる大型犬が家にいると思ってよ。挙げ句の果てには言葉まで喋るのよ?」
「…仲がいいだけじゃなくて とんでもない扱いしてるな」
「幼い頃からの友人だからね」
「馬車から降りてきた殿下の顔が赤かったのは?」
「褒めたから?いつもけなすかキレるか怒るかだから」
「…王子御免状ってすごい効果だな」
「ほんと。最初にもらっていなきゃ生首いっぱい飾っていたわね」
「首1個しか持ってないだろう」
「ふふっ」
「なんだよ」
「昨日から笑いすぎて腹筋痛い」
「おはよう、エリシア」
「おはよう、イザベラ」
「昨日、ダリウス殿下を負かしたんだって?」
「しつこく絡むから思い知らせたの」
「ほんと怖いやつだな エリシアは」
「歳下の生徒に絡む男の方が問題よ。エリシアは追い払っただけよね?」
「うん」
「あ~あ、がっかり。昨日弓術とってる双子の弟から補助教師に第二王子が来たって聞いて胸をときめかせたのに すぐに干上がったわ」
「イザベラ…」
授業が終わり 帰りの馬車で
「エリシア 俺に弓を教えて欲しい」
「教えるのは無理だよ?帰って騎士様達に教えてもらった方がいいと思う」
「文句も言わないし、合間にエリシアが射るところを見せてくれたらそれでいい」
「うちの私兵に頼む?」
「嫌だ」
「使う弓が違うの」
「それでも」
「う~ん」
「頼む!」
「分かったから頭を上げて」
深々と頭を下げられたら仕方ない。
「その代わり、早朝とか無理だから」
「分かった」
翌日から、王子坊ちゃんは早朝に剣の稽古や筋トレなどをしていて、シャワーを浴びて私達と食事をして学園へ行く。帰ってから私と弓の練習をしながらティータイム。夕食前まで勉強をして夕食後は寝支度をした後、就寝直前まで私の部屋で本を読んでいる。
休日は王子坊ちゃんは鍛錬の時間を増やし勉強もする。
私は前世の知識があるし語学チートあるし、新たに覚えることはマナーや所作、歴史程度。弓も前世でやっていたからできた。それに比べて王子坊ちゃんは全て勉強していかないといけない。かなりの努力家だといえる。
「ヴラシス、ごめんなさい」
「どうした」
「剣術で1位を取れだなんて言って」
あんなことを言って、相当負荷をかけてしまったはずだ。
「やるべきことにエリシアが対価を与えてくれたんだから寧ろ感謝しているよ。だからエリシアが気に病む必要はない」
我儘な王子坊ちゃんだけど優しい人だ。
「王子坊ちゃんだけど いい男だね」
「っ!!」
照れて赤くなる姿もなかなか可愛い。
ちなみに、第二王子先生はクビになった。
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