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留年ではありません
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ザワザワ ザワザワ
「なあ、何で卒業したヴラシス殿下がこのクラスにいるんだ?」
「留年じゃなくて、希望してもう一度最終学年をやるんだって」
私とアレックスは隣の席になった。
「同じ学年に殿下がいたら順位下がるじゃないか」
「でも私の上には絶対行けないから」
「俺の上にはいくだろう?」
「それは分からないわ」
「殿下は首席卒業生だぞ!?」
「そこ。近い」
遠くから聞き慣れた声が飛んでくる。
「しかもめっちゃ怖い」
「躾けておくから少し我慢して」
「あの王子を躾けるなんて言えるのはこの世でエリシアくらいじゃないか?」
「そこ!近い!」
「そっち!うるさい!」
「っ!!」
ヴラシスは悲しそうな顔をした。
「訂正しろよ。泣きそうじゃないか」
「だって」
「席 代わろうか?」
「私が泣くよ?」
「俺なんか卒業までに寿命尽きちゃうよ」
仕方ないから振り返ってヴラシスに手を振った。
満面の笑みで手を振り返す。
「ほらな」
「はぁ…Bクラス落ちでもすれば良かった」
「今大半の生徒を敵に回したぞ?」
「私がヴラシスと席を代わろうか?」
「卒業どころか中間試験の頃には老木のように干からびちゃうだろう」
「大丈夫よ。我儘な仔犬みたいなものだから」
「どんな目をしてるんだよ。凶暴な猛獣だろう」
「んん゛」
ヴラシスの咳払いで黙ることにした。
昼食の時間になるとヴラシスは私の手を引いて行こうとした。
「駄目よ。私だって学友との付き合いがしたいの」
「俺がいるからいいだろう」
「学園に通うということは、学友との学園生活を楽しむことも含まれたものじゃないの?」
「そうだけど」
「ヴラシスとは学園が無くても一緒だけど、みんなとはなかなか会えなくなるの」
「一緒……分かった」
ヴラシスの機嫌が良くなり、アレックス達も交えて昼食をとった。
「卒業パーティは誰と出席したんですか?」
「姉貴」
「エリシアじゃなかったんですね」
「エリシアが姉貴を買収して、俺のパートナーを務めるよう画策したからな」
非難の目が突き刺さる。
「王女様が欲しそうなものをあげただけです」
「何を欲しがったの?」
「それは秘密」
王女様には転生前の知識から大人のランジェリーをデザインしてプレゼントした。
彼女は隣国の王子様と婚約している。
移住を控えた王女様に王妃様が引き合わせてくれた。
隣国の王子様は8つも歳上で、子供扱いされるのだとか。周りには大人の令嬢が纏わりついているそう。
王女と2人きりになったときに、覚悟があるならと提案した。
この世界は 常に矢でも飛んでくることに備えているのかと思うような鎧…じゃなかった、コルセットをつける。しかも拷問のように締め上げる。体に悪いことしかないと思う。失神する人も少なくない。令嬢や夫人が何かあるとすぐ倒れたのは 血流をコルセットで邪魔しているところをショックやら何やらで血の気が引いて失神しやすいのではないかと思う。
更にはかぼちゃパンツみたいなドロワーズ。色気なんてあったものではない。
それなのにナイトドレスは痴女レベル。
だからキュアノス産の下着を考案中ということで、試作品をプレゼントした。
ナイトドレスは絹とレースで可愛らしく。リボンで簡単に解けるようにした。その中は胸の柔らかさを強調する2分の1ブラ。フルオーダーだからギリギリ乳輪がはみ出ないところまで布をカットした。王女様はマシュマロのような胸をしていたので効果抜群。
そしてパンツはレースの紐パン。かぼちゃが三角になって王女様は“破廉恥なっ”と顔を赤くしていた。
さらにはガーターベルトとシルクロングソックス。
『いいですか。これらは全て誘惑用です。紐パンなら片方の紐を解くだけで…イヒヒッ』
『か、顔に似合わないいやらしい笑い方ね』
『んん゛もう一枚はそれです』
『なっ!お尻の布がまるで無いじゃないっ』
『Tバックといいます。王女様の桃のようなお尻ならお似合いです。これは弛んだお尻や形の悪いお尻には似合いません』
『あなた…私のどこを見ていたの』
『全身です。
お相手の王子様と関係を何度か持って、慣れてきたら使ってください。きっと王子様は興奮します』
『い、淫乱だと思われないのかしら』
『祖国の最新ランジェリーだと堂々と仰ってください。まだ発売前だと内緒にさせてくださいね』
『不安だわ。殿下はきっと閨事に慣れていらっしゃるでしょう。なのに私は…』
『いいですか。処女に優しくできない歳上の男なんてガッカリですよ。
純潔を守り抜いた証なのですから、痛ければ痛いと言えばいいのです。少しくらい待たせておけばいいのです。その代わり、気遣ってくれた王子様にはちゃんと気持ちを言葉で伝えてくださいね』
『何て?』
『“貴方と繋がれて嬉しい”とか“優しさに胸を打たれた”とか“ありがとうございます”とか。
言葉にしないと伝わりませんからね』
その後は、王女様に前世のエッチの知識を詰め込んだ。
アイリス王女様が移住して4ヶ月後、来てくれと手紙が届いた。
来てくれって…徒歩10分とかじゃなくて隣国なんですけど。
「なあ、何で卒業したヴラシス殿下がこのクラスにいるんだ?」
「留年じゃなくて、希望してもう一度最終学年をやるんだって」
私とアレックスは隣の席になった。
「同じ学年に殿下がいたら順位下がるじゃないか」
「でも私の上には絶対行けないから」
「俺の上にはいくだろう?」
「それは分からないわ」
「殿下は首席卒業生だぞ!?」
「そこ。近い」
遠くから聞き慣れた声が飛んでくる。
「しかもめっちゃ怖い」
「躾けておくから少し我慢して」
「あの王子を躾けるなんて言えるのはこの世でエリシアくらいじゃないか?」
「そこ!近い!」
「そっち!うるさい!」
「っ!!」
ヴラシスは悲しそうな顔をした。
「訂正しろよ。泣きそうじゃないか」
「だって」
「席 代わろうか?」
「私が泣くよ?」
「俺なんか卒業までに寿命尽きちゃうよ」
仕方ないから振り返ってヴラシスに手を振った。
満面の笑みで手を振り返す。
「ほらな」
「はぁ…Bクラス落ちでもすれば良かった」
「今大半の生徒を敵に回したぞ?」
「私がヴラシスと席を代わろうか?」
「卒業どころか中間試験の頃には老木のように干からびちゃうだろう」
「大丈夫よ。我儘な仔犬みたいなものだから」
「どんな目をしてるんだよ。凶暴な猛獣だろう」
「んん゛」
ヴラシスの咳払いで黙ることにした。
昼食の時間になるとヴラシスは私の手を引いて行こうとした。
「駄目よ。私だって学友との付き合いがしたいの」
「俺がいるからいいだろう」
「学園に通うということは、学友との学園生活を楽しむことも含まれたものじゃないの?」
「そうだけど」
「ヴラシスとは学園が無くても一緒だけど、みんなとはなかなか会えなくなるの」
「一緒……分かった」
ヴラシスの機嫌が良くなり、アレックス達も交えて昼食をとった。
「卒業パーティは誰と出席したんですか?」
「姉貴」
「エリシアじゃなかったんですね」
「エリシアが姉貴を買収して、俺のパートナーを務めるよう画策したからな」
非難の目が突き刺さる。
「王女様が欲しそうなものをあげただけです」
「何を欲しがったの?」
「それは秘密」
王女様には転生前の知識から大人のランジェリーをデザインしてプレゼントした。
彼女は隣国の王子様と婚約している。
移住を控えた王女様に王妃様が引き合わせてくれた。
隣国の王子様は8つも歳上で、子供扱いされるのだとか。周りには大人の令嬢が纏わりついているそう。
王女と2人きりになったときに、覚悟があるならと提案した。
この世界は 常に矢でも飛んでくることに備えているのかと思うような鎧…じゃなかった、コルセットをつける。しかも拷問のように締め上げる。体に悪いことしかないと思う。失神する人も少なくない。令嬢や夫人が何かあるとすぐ倒れたのは 血流をコルセットで邪魔しているところをショックやら何やらで血の気が引いて失神しやすいのではないかと思う。
更にはかぼちゃパンツみたいなドロワーズ。色気なんてあったものではない。
それなのにナイトドレスは痴女レベル。
だからキュアノス産の下着を考案中ということで、試作品をプレゼントした。
ナイトドレスは絹とレースで可愛らしく。リボンで簡単に解けるようにした。その中は胸の柔らかさを強調する2分の1ブラ。フルオーダーだからギリギリ乳輪がはみ出ないところまで布をカットした。王女様はマシュマロのような胸をしていたので効果抜群。
そしてパンツはレースの紐パン。かぼちゃが三角になって王女様は“破廉恥なっ”と顔を赤くしていた。
さらにはガーターベルトとシルクロングソックス。
『いいですか。これらは全て誘惑用です。紐パンなら片方の紐を解くだけで…イヒヒッ』
『か、顔に似合わないいやらしい笑い方ね』
『んん゛もう一枚はそれです』
『なっ!お尻の布がまるで無いじゃないっ』
『Tバックといいます。王女様の桃のようなお尻ならお似合いです。これは弛んだお尻や形の悪いお尻には似合いません』
『あなた…私のどこを見ていたの』
『全身です。
お相手の王子様と関係を何度か持って、慣れてきたら使ってください。きっと王子様は興奮します』
『い、淫乱だと思われないのかしら』
『祖国の最新ランジェリーだと堂々と仰ってください。まだ発売前だと内緒にさせてくださいね』
『不安だわ。殿下はきっと閨事に慣れていらっしゃるでしょう。なのに私は…』
『いいですか。処女に優しくできない歳上の男なんてガッカリですよ。
純潔を守り抜いた証なのですから、痛ければ痛いと言えばいいのです。少しくらい待たせておけばいいのです。その代わり、気遣ってくれた王子様にはちゃんと気持ちを言葉で伝えてくださいね』
『何て?』
『“貴方と繋がれて嬉しい”とか“優しさに胸を打たれた”とか“ありがとうございます”とか。
言葉にしないと伝わりませんからね』
その後は、王女様に前世のエッチの知識を詰め込んだ。
アイリス王女様が移住して4ヶ月後、来てくれと手紙が届いた。
来てくれって…徒歩10分とかじゃなくて隣国なんですけど。
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