21 / 33
普通ではないヴラシス
しおりを挟む
ヴラシスは令嬢の指を折った。
パキッ
「ギャアアアアッ!!」
一緒にいた令嬢達は驚きと困惑と不安と焦りで消えたいことだろう。だってヴラシスは金眼でいかにも王族に見える衣装を見に纏っているし、いかにもな護衛騎士達が一緒だからだ。
「爪の跡は5つだからな」
パキッ
「ギャアアアアッ!!」
パキッ
「ギャアアアアッ!!」
結局ヴラシスは令嬢の左手の指全てを折った。
「こいつは何なんだ?ゼノン」
「マリーヌ・ロデリオ、伯爵家の娘のようです。他の女達は分かりません」
「ああ…誰か…助けて」
「原因は何だ?」
「接触はありませんでした。我々を見かけて近寄って来たのです。多分エリシア嬢のことを下っ端の文官見習いか何かだと思ったようで、この庭園を歩く資格がないと言い掛かりを」
「そんなにこの庭園が好きなら一生居させてやろう。下男に声を掛けてスコップを持って来させろ」
「ヴラシス?どうするつもり?」
「埋めれば一生花やら木やらを見て過ごせるし、そのまま朽ち果てることができて本望だろう」
あ、“本望”って言葉覚えたんだ。
「埋めないであげて。王女様はこの王宮に住むのに変なものを埋めたら怒られるわよ?」
「じゃあどうする?」
「もう十分じゃないかな」
「王太子に呼ばれて隣国からわざわざ来たのに伯爵家の娘如きがおまえを侮辱して腕に爪を食い込ませたのだぞ?」
「…ヴラシス」
「ん?……分かった。人数分のインク瓶を持って来させてくれ」
ヴラシスに耳打ちをするとインク瓶を持って来させた。そして兵に令嬢達を押さえつけさせると顔に満遍なくかけた。
「キャアアアア ゴホッ」
「口を開けたら口の中に入るに決まってるだろう」
令嬢達の顔が真っ黒になったところで人が来た。王宮の兵士達が道を開けたから地位のある人なのだろう。
「ハント室長補佐。貴国の持て成しに誠心誠意応えたところだ」
「ヴラシス?」
ヴラシスが指を折りだすから護衛や兵士達の他に別の人物がいることに気が付かなかった。ヴラシスがハント室長補佐という人に話しかけてようやく存在に気が付いた。美形な男性だった。
「彼は外交室の室長補佐でさっき挨拶をしたばかりだ。エリシアにも紹介しようとしたら部屋にいなかった。行き先をメイドに聞いて追いかけたんだ」
ヴラシスが説明をしてくれている間にゼノン卿がハント室長補佐に細かな経緯を説明していた。
「キュアノス嬢。この者たちは捕らえて厳正な処罰をします」
「ロデリオ伯爵家は影響力は強いですか?」
「平凡な貴族ですね」
「一人っ子とか?」
「違うはずです」
「お願いを聞いてくださいますか?」
「どのような?」
「彼女達をこのまま3日間拘束してください。その後はご自宅へ帰してかまいません。お家の方には上手いことを言っておいてください」
「このままというのは」
「このまま。お風呂はもちろん拭く布も渡してはいけません。このまま乾燥させましょう」
「なるほど…。ではそうしましょう。
君達、この3人を連れて行ってくれ。1人ずつ特別隔離室に入れてくれ。指示があるまで何もするな。何一つ与えるな」
「かしこまりました」
兵士達が彼女達を連れて行った。
「ははっ、死んだ方がマシでしょうね」
「やり過ぎでしょうか」
「さあ。価値のない小娘などどうでもいいことです」
ヴラシスも容赦ないところがあるけど、ハント室長補佐もなかなかね。
でもやり過ぎたかな。時間をかければ消えると思うけど…万が一あのままだったら。
「……やっぱり」
「王太子殿下の客人に一方的に絡んで傷を負わせたのです。元々重い罰が待っていた者達なのでキュアノス嬢が気に病むことはありません。我が国の貴族が大変失礼をしました。代わってお詫び申し上げます」
「だ、大丈夫ですから」
「念のため、傷の手当てをしましょう」
あ、そうだ
「あの、さっきの伯爵令嬢の指の手当てくらいはしてあげてください」
「千切れそうじゃなければ大丈夫じゃないですかね」
「お願いします」
「分かりました」
作り笑みを浮かべるハント室長補佐官からは“無駄な事を”というセリフが出て来そうだった。
バン!!
「何ですって!!」
「王女様、落ち着いてください」
「伯爵家の小娘のくせに生意気だわ!!」
「明らかに私や王女様より歳上でしたけど」
「歳とかじゃないの!
ヴラシス!何で指だけなの!手首と肩は!不要な舌と歯は!」
「異母姉上、そこまでやるならエリシアがいる所ではやれませんよ」
「そうね。じゃあ今から行って来なさい」
ちょっと!2人とも中身が似てるじゃないの!!止めなきゃ!何で私って暴君予備軍に懐かれちゃうのよ!
「ヴラシスがいないと私が可哀想」
ヴラシスの腕に腕を絡ませた。
「…俺はエリシアの側にいる方を取ります」
「私がいるから大丈夫よ!」
「ヴラシスぅ」
「無理です」
「エリシア、ヴラシスから離れなさい」
「グスン」
「エリシア、そろそろ帰国しようか」
「うん」
「ちょっと!明らかに嘘泣きじゃないの!ヴラシス、あんたエリシア至上主義過ぎるわよ!」
「それの何が問題ですか?」
「エリシア、帰ったらまたすぐ呼び寄せるわよ」
「その頃はギックリ腰か何かで動けない予定です」
「あなたが持っているのは王子御免状であって王女御免状じゃないのよ?」
「すぐに入手できそうな気がします」
「だけどそれは国内限定じゃなくて?」
「エリシアを虐めるのは止めてもらえますか」
「はぁ…そろそろ晩餐の支度をしに戻るわ。エリシアも着替えてお化粧して髪も結ってもらうのよ?」
「……」
「絶対にちゃんとしなさいよ。じゃないと侍女やメイドを倍に増やして身動き取れなくするわよ」
「はぁい」
「まったく…誰がこんなに甘やかしたのかしら」
ぶつぶつ言いながら王女様は支度をしに戻った。用は済んだのでヴラシスから離れたら寂しそうな顔をされた。
パキッ
「ギャアアアアッ!!」
一緒にいた令嬢達は驚きと困惑と不安と焦りで消えたいことだろう。だってヴラシスは金眼でいかにも王族に見える衣装を見に纏っているし、いかにもな護衛騎士達が一緒だからだ。
「爪の跡は5つだからな」
パキッ
「ギャアアアアッ!!」
パキッ
「ギャアアアアッ!!」
結局ヴラシスは令嬢の左手の指全てを折った。
「こいつは何なんだ?ゼノン」
「マリーヌ・ロデリオ、伯爵家の娘のようです。他の女達は分かりません」
「ああ…誰か…助けて」
「原因は何だ?」
「接触はありませんでした。我々を見かけて近寄って来たのです。多分エリシア嬢のことを下っ端の文官見習いか何かだと思ったようで、この庭園を歩く資格がないと言い掛かりを」
「そんなにこの庭園が好きなら一生居させてやろう。下男に声を掛けてスコップを持って来させろ」
「ヴラシス?どうするつもり?」
「埋めれば一生花やら木やらを見て過ごせるし、そのまま朽ち果てることができて本望だろう」
あ、“本望”って言葉覚えたんだ。
「埋めないであげて。王女様はこの王宮に住むのに変なものを埋めたら怒られるわよ?」
「じゃあどうする?」
「もう十分じゃないかな」
「王太子に呼ばれて隣国からわざわざ来たのに伯爵家の娘如きがおまえを侮辱して腕に爪を食い込ませたのだぞ?」
「…ヴラシス」
「ん?……分かった。人数分のインク瓶を持って来させてくれ」
ヴラシスに耳打ちをするとインク瓶を持って来させた。そして兵に令嬢達を押さえつけさせると顔に満遍なくかけた。
「キャアアアア ゴホッ」
「口を開けたら口の中に入るに決まってるだろう」
令嬢達の顔が真っ黒になったところで人が来た。王宮の兵士達が道を開けたから地位のある人なのだろう。
「ハント室長補佐。貴国の持て成しに誠心誠意応えたところだ」
「ヴラシス?」
ヴラシスが指を折りだすから護衛や兵士達の他に別の人物がいることに気が付かなかった。ヴラシスがハント室長補佐という人に話しかけてようやく存在に気が付いた。美形な男性だった。
「彼は外交室の室長補佐でさっき挨拶をしたばかりだ。エリシアにも紹介しようとしたら部屋にいなかった。行き先をメイドに聞いて追いかけたんだ」
ヴラシスが説明をしてくれている間にゼノン卿がハント室長補佐に細かな経緯を説明していた。
「キュアノス嬢。この者たちは捕らえて厳正な処罰をします」
「ロデリオ伯爵家は影響力は強いですか?」
「平凡な貴族ですね」
「一人っ子とか?」
「違うはずです」
「お願いを聞いてくださいますか?」
「どのような?」
「彼女達をこのまま3日間拘束してください。その後はご自宅へ帰してかまいません。お家の方には上手いことを言っておいてください」
「このままというのは」
「このまま。お風呂はもちろん拭く布も渡してはいけません。このまま乾燥させましょう」
「なるほど…。ではそうしましょう。
君達、この3人を連れて行ってくれ。1人ずつ特別隔離室に入れてくれ。指示があるまで何もするな。何一つ与えるな」
「かしこまりました」
兵士達が彼女達を連れて行った。
「ははっ、死んだ方がマシでしょうね」
「やり過ぎでしょうか」
「さあ。価値のない小娘などどうでもいいことです」
ヴラシスも容赦ないところがあるけど、ハント室長補佐もなかなかね。
でもやり過ぎたかな。時間をかければ消えると思うけど…万が一あのままだったら。
「……やっぱり」
「王太子殿下の客人に一方的に絡んで傷を負わせたのです。元々重い罰が待っていた者達なのでキュアノス嬢が気に病むことはありません。我が国の貴族が大変失礼をしました。代わってお詫び申し上げます」
「だ、大丈夫ですから」
「念のため、傷の手当てをしましょう」
あ、そうだ
「あの、さっきの伯爵令嬢の指の手当てくらいはしてあげてください」
「千切れそうじゃなければ大丈夫じゃないですかね」
「お願いします」
「分かりました」
作り笑みを浮かべるハント室長補佐官からは“無駄な事を”というセリフが出て来そうだった。
バン!!
「何ですって!!」
「王女様、落ち着いてください」
「伯爵家の小娘のくせに生意気だわ!!」
「明らかに私や王女様より歳上でしたけど」
「歳とかじゃないの!
ヴラシス!何で指だけなの!手首と肩は!不要な舌と歯は!」
「異母姉上、そこまでやるならエリシアがいる所ではやれませんよ」
「そうね。じゃあ今から行って来なさい」
ちょっと!2人とも中身が似てるじゃないの!!止めなきゃ!何で私って暴君予備軍に懐かれちゃうのよ!
「ヴラシスがいないと私が可哀想」
ヴラシスの腕に腕を絡ませた。
「…俺はエリシアの側にいる方を取ります」
「私がいるから大丈夫よ!」
「ヴラシスぅ」
「無理です」
「エリシア、ヴラシスから離れなさい」
「グスン」
「エリシア、そろそろ帰国しようか」
「うん」
「ちょっと!明らかに嘘泣きじゃないの!ヴラシス、あんたエリシア至上主義過ぎるわよ!」
「それの何が問題ですか?」
「エリシア、帰ったらまたすぐ呼び寄せるわよ」
「その頃はギックリ腰か何かで動けない予定です」
「あなたが持っているのは王子御免状であって王女御免状じゃないのよ?」
「すぐに入手できそうな気がします」
「だけどそれは国内限定じゃなくて?」
「エリシアを虐めるのは止めてもらえますか」
「はぁ…そろそろ晩餐の支度をしに戻るわ。エリシアも着替えてお化粧して髪も結ってもらうのよ?」
「……」
「絶対にちゃんとしなさいよ。じゃないと侍女やメイドを倍に増やして身動き取れなくするわよ」
「はぁい」
「まったく…誰がこんなに甘やかしたのかしら」
ぶつぶつ言いながら王女様は支度をしに戻った。用は済んだのでヴラシスから離れたら寂しそうな顔をされた。
1,054
あなたにおすすめの小説
殿下に寵愛されてませんが別にかまいません!!!!!
さくら
恋愛
王太子アルベルト殿下の婚約者であった令嬢リリアナ。けれど、ある日突然「裏切り者」の汚名を着せられ、殿下の寵愛を失い、婚約を破棄されてしまう。
――でも、リリアナは泣き崩れなかった。
「殿下に愛されなくても、私には花と薬草がある。健気? 別に演じてないですけど?」
庶民の村で暮らし始めた彼女は、花畑を育て、子どもたちに薬草茶を振る舞い、村人から慕われていく。だが、そんな彼女を放っておけないのが、執着心に囚われた殿下。噂を流し、畑を焼き払い、ついには刺客を放ち……。
「どこまで私を追い詰めたいのですか、殿下」
絶望の淵に立たされたリリアナを守ろうとするのは、騎士団長セドリック。冷徹で寡黙な男は、彼女の誠実さに心を動かされ、やがて命を懸けて庇う。
「俺は、君を守るために剣を振るう」
寵愛などなくても構わない。けれど、守ってくれる人がいる――。
灰の大地に芽吹く新しい絆が、彼女を強く、美しく咲かせていく。
ワザとダサくしてたら婚約破棄されたので隣国に行きます!
satomi
恋愛
ワザと瓶底メガネで三つ編みで、生活をしていたら、「自分の隣に相応しくない」という理由でこのフッラクション王国の王太子であられます、ダミアン殿下であらせられます、ダミアン殿下に婚約破棄をされました。
私はホウショウ公爵家の次女でコリーナと申します。
私の容姿で婚約破棄をされたことに対して私付きの侍女のルナは大激怒。
お父様は「結婚前に王太子が人を見てくれだけで判断していることが分かって良かった」と。
眼鏡をやめただけで、学園内での手の平返しが酷かったので、私は父の妹、叔母様を頼りに隣国のリーク帝国に留学することとしました!
身代わり令嬢、恋した公爵に真実を伝えて去ろうとしたら、絡めとられる(ごめんなさぁぁぁぁい!あなたの本当の婚約者は、私の姉です)
柳葉うら
恋愛
(ごめんなさぁぁぁぁい!)
辺境伯令嬢のウィルマは心の中で土下座した。
結婚が嫌で家出した姉の身代わりをして、誰もが羨むような素敵な公爵様の婚約者として会ったのだが、公爵あまりにも良い人すぎて、申し訳なくて仕方がないのだ。
正直者で面食いな身代わり令嬢と、そんな令嬢のことが実は昔から好きだった策士なヒーローがドタバタとするお話です。
さくっと読んでいただけるかと思います。
氷の騎士と契約結婚したのですが、愛することはないと言われたので契約通り離縁します!
柚屋志宇
恋愛
「お前を愛することはない」
『氷の騎士』侯爵令息ライナスは、伯爵令嬢セルマに白い結婚を宣言した。
セルマは家同士の政略による契約結婚と割り切ってライナスの妻となり、二年後の離縁の日を待つ。
しかし結婚すると、最初は冷たかったライナスだが次第にセルマに好意的になる。
だがセルマは離縁の日が待ち遠しい。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
つかぬことを伺いますが ~伯爵令嬢には当て馬されてる時間はない~
有沢楓花
恋愛
「フランシス、俺はお前との婚約を解消したい!」
魔法学院の大学・魔法医学部に通う伯爵家の令嬢フランシスは、幼馴染で侯爵家の婚約者・ヘクターの度重なるストーキング行為に悩まされていた。
「真実の愛」を実らせるためとかで、高等部時代から度々「恋のスパイス」として当て馬にされてきたのだ。
静かに学生生活を送りたいのに、待ち伏せに尾行、濡れ衣、目の前でのいちゃいちゃ。
忍耐の限界を迎えたフランシスは、ついに反撃に出る。
「本気で婚約解消してくださらないなら、次は法廷でお会いしましょう!」
そして法学部のモブ系男子・レイモンドに、つきまといの証拠を集めて婚約解消をしたいと相談したのだが。
「高貴な血筋なし、特殊設定なし、成績優秀、理想的ですね。……ということで、結婚していただけませんか?」
「……ちょっと意味が分からないんだけど」
しかし、フランシスが医学の道を選んだのは濡れ衣を晴らしたり証拠を集めるためでもあったように、法学部を選び検事を目指していたレイモンドにもまた、特殊設定でなくとも、人には言えない事情があって……。
※次作『つかぬことを伺いますが ~絵画の乙女は炎上しました~』(8/3公開予定)はミステリー+恋愛となっております。
心を病んでいるという嘘をつかれ追放された私、調香の才能で見返したら調香が社交界追放されました
er
恋愛
心を病んだと濡れ衣を着せられ、夫アンドレに離縁されたセリーヌ。愛人と結婚したかった夫の陰謀だったが、誰も信じてくれない。失意の中、亡き母から受け継いだ調香の才能に目覚めた彼女は、東の別邸で香水作りに没頭する。やがて「春風の工房」として王都で評判になり、冷酷な北方公爵マグナスの目に留まる。マグナスの支援で宮廷調香師に推薦された矢先、元夫が妨害工作を仕掛けてきたのだが?
【完結】元悪役令嬢は、最推しの旦那様と離縁したい
うり北 うりこ@ざまされ2巻発売中
恋愛
「アルフレッド様、離縁してください!!」
この言葉を婚約者の時から、優に100回は超えて伝えてきた。
けれど、今日も受け入れてもらえることはない。
私の夫であるアルフレッド様は、前世から大好きな私の最推しだ。 推しの幸せが私の幸せ。
本当なら私が幸せにしたかった。
けれど、残念ながら悪役令嬢だった私では、アルフレッド様を幸せにできない。
既に乙女ゲームのエンディングを迎えてしまったけれど、現実はその先も続いていて、ヒロインちゃんがまだ結婚をしていない今なら、十二分に割り込むチャンスがあるはずだ。
アルフレッド様がその気にさえなれば、逆転以外あり得ない。
その時のためにも、私と離縁する必要がある。
アルフレッド様の幸せのために、絶対に離縁してみせるんだから!!
推しである夫が大好きすぎる元悪役令嬢のカタリナと、妻を愛しているのにまったく伝わっていないアルフレッドのラブコメです。
全4話+番外編が1話となっております。
※苦手な方は、ブラウザバックを推奨しております。
【完結】「政略結婚ですのでお構いなく!」
仙桜可律
恋愛
文官の妹が王子に見初められたことで、派閥間の勢力図が変わった。
「で、政略結婚って言われましてもお父様……」
優秀な兄と妹に挟まれて、何事もほどほどにこなしてきたミランダ。代々優秀な文官を輩出してきたシューゼル伯爵家は良縁に恵まれるそうだ。
適齢期になったら適当に釣り合う方と適当にお付き合いをして適当な時期に結婚したいと思っていた。
それなのに代々武官の家柄で有名なリッキー家と結婚だなんて。
のんびりに見えて豪胆な令嬢と
体力系にしか自信がないワンコ令息
24.4.87 本編完結
以降不定期で番外編予定
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる