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王女の結婚
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あれほど招待しないようお願いしたのにアメデオ王太子とアイリス王女の結婚式に呼ばれてしまった。
その間にも何故かベルデマレの王妃から“土産を持って遊びに来い”と手紙が届いたけど、学生なのでお断りの返事を書いていた。
今回元々招待されていたのは第一王子であるロイス王太子殿下だ。だけどまた私とヴラシスも公務扱いで出席する羽目に。“パーティは出席しなくてもいい。ご馳走は用意する”という王妃様からの追加の便りを読んで承諾した。
出発迄にやることができてしまった。手紙の中に詳細な採寸表が入っていたから。
“土産を持って遊びに来い”は“土産を持って息子の結婚式に来い”に変わったらしい。
正直、こっちは出費の一方だから金貨か何かで払って欲しいんだよね。前回はアメデオ王太子殿下に渡した特注品の制作費と、特注の矢や仕立てた服の代金がキュアノス持ち。まあ勝手にやったことだけど。今回はドレスは王家が用意するらしいけど、特注の土産は違うもの。王妃様の分と結婚祝いを作らせないと。
ヴラシスはまた私と旅ができるから上機嫌だし。
「あの、こんな大雑把なレースでよろしいのですか?これではレースというより網だと思いますが」
「いいの。網タイツだから」
「あの、本当にこのようなデザインの編み物を?これでは風邪をひいてしまいます」
「いいの。暖をとるための服じゃないから」
「あの、本当にこんな卑猥な物を!?」
「ツルツルに仕上げないと処刑されてしまうわよ。とてもとても高貴なお方がお使いになるの」
結婚祝いにはコスプレ寄りなものを贈ることにした。いけないシリーズのバニーガールの衣装でウサ耳カチューシャと網タイツ付き。そしていけないシリーズの童貞を殺すセーター2種。“いけないシリーズ”は勝手に私が名付けたもの。いつか店を出すときのために考えた。
王妃様には大人のおもちゃ。王様様に○○スリング。もう呼ばれることはないはずだから、過激でも大丈夫だろう。
3ヶ月後、ベルデマレ王国に到着すると王妃様とアメデオ王太子殿下と王女様が出迎えてくれた。
「エリシアちゃん!遅いじゃない」
「先日ぶりです、王妃様」
「何言ってるの。何ヶ月空いたと思ってるの」
「そうだぞ。手ぶらじゃないだろうな」
「あからさまですね、王太子殿下。それより、ロイス王太子夫妻を歓迎して欲しいのですが」
「あ、ようこそベルデマレへ」
「応接間に案内しましょう。改めて歓迎と挨拶をさせてください」
「ヴラシス、私達はお部屋で休もう?疲れちゃった」
「もちろんだ」
「何を言ってるの、エリシアちゃんも来るの」
「ベルデマレに来るだけでいいってここに書いてあります」
王妃様からの手紙を持ってきて良かった。
「っ!相変わらず賢い子ね」
「では夕食でお会いしましょう」
ヴラシスと客室に行き、荷物を運び入れてもらって飲み物と軽食を出してもらうとヴラシスが脱ぎ始めた。
「疲れてるの」
「でも、ここでシタのが最後でずっとお預けだっただろう チュッ」
「ダメ」
「チュッ」
「無理」
「チュッ」
「ヴラシス」
「ヂュッ」
「んあっ」
晩餐ギリギリまでヴラシスに翻弄され続けた。ご満悦のヴラシスとグッタリした私を見たロイス王太子殿下は呆れた目を向けた。
その目はヴラシスだけに向けてください!
晩餐後はよく覚えていない。起きたらヴラシスと一緒に寝ていた。
「ちょっと、そういうのは早く言ってくださいよ」
朝食でアメデオ王太子殿下が“そういえば温泉あるよ”と言った。
「え?興味あるの?」
「温泉大好きなんです」
「私、エリシアと行ってきますわ」
「アイリスは駄目だ。式は明日だろう」
「姉上、エリシアは俺が連れて行きますから大丈夫ですよ」
「ずるいわ!
式が終わってから一緒に行きましょう、エリシア」
「王女様、さすがにそれは…」
「駄目だ。王太子妃になるんだぞ?」
「……」
ヤバっ…式前だというのに空気が悪くなっちゃった。
「そう遠くない隣国ではありますが生まれ育った国を離れ、アイリス王女様は少し寂しかっただけですわ。王女様はお慕いしているアメデオ王太子殿下に振り向いてもらう方法はないかと思い悩んでいらっしいました。以前より私がそのお気持ちを聞いておりましたので、今回私の姿を見て懐かしく思われたのです。明日になれば、温泉に行きたいなどと言っていたことは忘れてしまいますわ。王太子殿下が忘れさせてくださいますもの」
「申し訳ございません、アメデオ様」
「どうやらまだ若い花嫁に気を配ることができていなかったようだ。アイリス。もうすぐヴラシス殿下とキュアノス嬢の結婚だろう。その時にオヴェルへ行こう」
「ありがとうございます」
「俺とエリシアの結婚は4年後くらいになりそうですのでもうすぐではありません」
「4年?そなた達の様子では先に子が出来てしまうぞ?」
「なっ!!」
「そこは俺がちゃんとしていますので」
「そ、そうか」
今、朝食だよね?
その間にも何故かベルデマレの王妃から“土産を持って遊びに来い”と手紙が届いたけど、学生なのでお断りの返事を書いていた。
今回元々招待されていたのは第一王子であるロイス王太子殿下だ。だけどまた私とヴラシスも公務扱いで出席する羽目に。“パーティは出席しなくてもいい。ご馳走は用意する”という王妃様からの追加の便りを読んで承諾した。
出発迄にやることができてしまった。手紙の中に詳細な採寸表が入っていたから。
“土産を持って遊びに来い”は“土産を持って息子の結婚式に来い”に変わったらしい。
正直、こっちは出費の一方だから金貨か何かで払って欲しいんだよね。前回はアメデオ王太子殿下に渡した特注品の制作費と、特注の矢や仕立てた服の代金がキュアノス持ち。まあ勝手にやったことだけど。今回はドレスは王家が用意するらしいけど、特注の土産は違うもの。王妃様の分と結婚祝いを作らせないと。
ヴラシスはまた私と旅ができるから上機嫌だし。
「あの、こんな大雑把なレースでよろしいのですか?これではレースというより網だと思いますが」
「いいの。網タイツだから」
「あの、本当にこのようなデザインの編み物を?これでは風邪をひいてしまいます」
「いいの。暖をとるための服じゃないから」
「あの、本当にこんな卑猥な物を!?」
「ツルツルに仕上げないと処刑されてしまうわよ。とてもとても高貴なお方がお使いになるの」
結婚祝いにはコスプレ寄りなものを贈ることにした。いけないシリーズのバニーガールの衣装でウサ耳カチューシャと網タイツ付き。そしていけないシリーズの童貞を殺すセーター2種。“いけないシリーズ”は勝手に私が名付けたもの。いつか店を出すときのために考えた。
王妃様には大人のおもちゃ。王様様に○○スリング。もう呼ばれることはないはずだから、過激でも大丈夫だろう。
3ヶ月後、ベルデマレ王国に到着すると王妃様とアメデオ王太子殿下と王女様が出迎えてくれた。
「エリシアちゃん!遅いじゃない」
「先日ぶりです、王妃様」
「何言ってるの。何ヶ月空いたと思ってるの」
「そうだぞ。手ぶらじゃないだろうな」
「あからさまですね、王太子殿下。それより、ロイス王太子夫妻を歓迎して欲しいのですが」
「あ、ようこそベルデマレへ」
「応接間に案内しましょう。改めて歓迎と挨拶をさせてください」
「ヴラシス、私達はお部屋で休もう?疲れちゃった」
「もちろんだ」
「何を言ってるの、エリシアちゃんも来るの」
「ベルデマレに来るだけでいいってここに書いてあります」
王妃様からの手紙を持ってきて良かった。
「っ!相変わらず賢い子ね」
「では夕食でお会いしましょう」
ヴラシスと客室に行き、荷物を運び入れてもらって飲み物と軽食を出してもらうとヴラシスが脱ぎ始めた。
「疲れてるの」
「でも、ここでシタのが最後でずっとお預けだっただろう チュッ」
「ダメ」
「チュッ」
「無理」
「チュッ」
「ヴラシス」
「ヂュッ」
「んあっ」
晩餐ギリギリまでヴラシスに翻弄され続けた。ご満悦のヴラシスとグッタリした私を見たロイス王太子殿下は呆れた目を向けた。
その目はヴラシスだけに向けてください!
晩餐後はよく覚えていない。起きたらヴラシスと一緒に寝ていた。
「ちょっと、そういうのは早く言ってくださいよ」
朝食でアメデオ王太子殿下が“そういえば温泉あるよ”と言った。
「え?興味あるの?」
「温泉大好きなんです」
「私、エリシアと行ってきますわ」
「アイリスは駄目だ。式は明日だろう」
「姉上、エリシアは俺が連れて行きますから大丈夫ですよ」
「ずるいわ!
式が終わってから一緒に行きましょう、エリシア」
「王女様、さすがにそれは…」
「駄目だ。王太子妃になるんだぞ?」
「……」
ヤバっ…式前だというのに空気が悪くなっちゃった。
「そう遠くない隣国ではありますが生まれ育った国を離れ、アイリス王女様は少し寂しかっただけですわ。王女様はお慕いしているアメデオ王太子殿下に振り向いてもらう方法はないかと思い悩んでいらっしいました。以前より私がそのお気持ちを聞いておりましたので、今回私の姿を見て懐かしく思われたのです。明日になれば、温泉に行きたいなどと言っていたことは忘れてしまいますわ。王太子殿下が忘れさせてくださいますもの」
「申し訳ございません、アメデオ様」
「どうやらまだ若い花嫁に気を配ることができていなかったようだ。アイリス。もうすぐヴラシス殿下とキュアノス嬢の結婚だろう。その時にオヴェルへ行こう」
「ありがとうございます」
「俺とエリシアの結婚は4年後くらいになりそうですのでもうすぐではありません」
「4年?そなた達の様子では先に子が出来てしまうぞ?」
「なっ!!」
「そこは俺がちゃんとしていますので」
「そ、そうか」
今、朝食だよね?
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