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まだ早い
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キュアノス邸に帰れると思ったのに、王宮に来てしまった。今回の旅は公務扱いで学園も出席扱い。つまり報告するまでが公務ということらしい。
まず帰ってきて会ったのは王妃様とロイス王子。アイリス王女が(最終的には丸くおさまって)元気にしていたと報告してさっさと自宅へ帰ろうと思っていた。
「王妃様、兄上、俺とエリシアは恋人になりました」
「ブーッ!!」
ごめん!ロイス王子にお茶を吹き掛けちゃった!
ロイス王子は“いいから”と言いながらメイドが持ってきたハンカチで拭いている。
「ヴラシス…両想いということでいいのかしら?」
「身体は」
「ブーッ!!」
今度はロイス王子がお茶を私に吹き掛けた。ヴラシスがせっせとハンカチで拭いてくれている。アクリル板が必要ね。
「つまり、肉体関係があるってこと?」
「はい。相性はとても良いです」
「「……」」
私とロイス王子のアイコンタクトは死んだ魚のような目だった。
「む、無理矢理じゃないわよね?」
「可愛い抵抗はありましたが、エリシアも気に入ってくれているようです」
何で決めつけるのよ!…とは言わない方が身のためね。
王妃様は侍女に“陛下とキュアノス子爵の予定を押さえて”と指示を出した。
「はぁ…子爵の反応が怖いわ」
夕方、陛下とパパの時間を空けてもらった。既にあらましを聞いてから私達に会ったようでパパの顔が怖い。
王妃様にしたみたいにヴラシスが話すのかと思ったら違った。
「キュアノス子爵、俺は出会ったときからエリシアが大好きです。ずっと一途に彼女を思い続けていたのはご存知ですよね」
え?パパは知ってたの!?
「だから手を出していいと?」
「俺を婿に迎えてください!」
パパは黙り込んでしまった。
「キュアノス子爵、私からも頼む」
「陛下、王子の婿入り先に子爵家は問題ではありませんか?」
「こうなったなら例外になる」
「エリシアと話し合ってからお返事いたします」
キュアノス邸に帰るとママに泣かれた。
2日後からは登校を再開した。
「アレックス、イザベラ、おはよう」
「おはよう、エリシア」
「おはよう。隣国はどうだった?」
「ちょっと面倒くさかったかな」
「何それ」
「問題起こしてないよな?」
「まさか」
「おはよう チュッ」
「「!!!!!」」
「……」
ヴラシスが後ろから私を抱きしめて頭にキスをした。アレックスとイザベラは頬を染めて驚愕している。
終わった…
「殿下、おめでとうございます」
「もっと時間かかると思っていましたわ」
「2人ともありがとう。ヴラシス・キュアノスになってもよろしく」
「婚約パーティは、」
「ストップ!婚約とかそういうの全く決まってないから」
「え~、無駄な足掻きだと思うわよ?」
「そうだぞ。エリシアのような自由奔放な子はヴラシス殿下のような心の広いお方がいいんだ」
「エリシアは素晴らしい友人に恵まれて幸せ者だな」
学生食堂でそんな話をしてしまったがために、翌日にはキュアノス邸や王家に祝いの品が届き始めた。私のせいじゃない。ヴラシスが学園でも甘く接するとは思わなかっただけ。
「あなた、もう避けようがなさそうね」
「だが気に食わん」
パパとママが贈り物を前に溜息をついた。
週末、王宮で話し合いの席が設けられた。
「こちらの条件としましては、卒業後に陛下の執務補佐室の見習いとして3年間従事していただくこと、その後のことは陛下が配属を決めてください。キュアノス家に領地はありませんので領地運営の仕事はございません。その代わり外できちんと働いて給金を家に入れる必要があります」
「領地を与えようか?」
「適した物件はございません」
「ヴラシス」
「エリシアと一緒にいるためなら異論はありません。しかもお義父上と同じ職場の方が安心です」
「…まあ、そういう見方もできるな。キュアノス子爵に預ければ間違いないだろう」
「子爵家に婿入りするのですから、妻はエリシア1人だけですし、妾も愛人も持てませんよ」
「そんなものは要りません。エリシアに全てを捧げます」
「では婚約ということでいいか?」
「はい、陛下」
直ぐに王宮から婚約の知らせを発信し周知された。
まず帰ってきて会ったのは王妃様とロイス王子。アイリス王女が(最終的には丸くおさまって)元気にしていたと報告してさっさと自宅へ帰ろうと思っていた。
「王妃様、兄上、俺とエリシアは恋人になりました」
「ブーッ!!」
ごめん!ロイス王子にお茶を吹き掛けちゃった!
ロイス王子は“いいから”と言いながらメイドが持ってきたハンカチで拭いている。
「ヴラシス…両想いということでいいのかしら?」
「身体は」
「ブーッ!!」
今度はロイス王子がお茶を私に吹き掛けた。ヴラシスがせっせとハンカチで拭いてくれている。アクリル板が必要ね。
「つまり、肉体関係があるってこと?」
「はい。相性はとても良いです」
「「……」」
私とロイス王子のアイコンタクトは死んだ魚のような目だった。
「む、無理矢理じゃないわよね?」
「可愛い抵抗はありましたが、エリシアも気に入ってくれているようです」
何で決めつけるのよ!…とは言わない方が身のためね。
王妃様は侍女に“陛下とキュアノス子爵の予定を押さえて”と指示を出した。
「はぁ…子爵の反応が怖いわ」
夕方、陛下とパパの時間を空けてもらった。既にあらましを聞いてから私達に会ったようでパパの顔が怖い。
王妃様にしたみたいにヴラシスが話すのかと思ったら違った。
「キュアノス子爵、俺は出会ったときからエリシアが大好きです。ずっと一途に彼女を思い続けていたのはご存知ですよね」
え?パパは知ってたの!?
「だから手を出していいと?」
「俺を婿に迎えてください!」
パパは黙り込んでしまった。
「キュアノス子爵、私からも頼む」
「陛下、王子の婿入り先に子爵家は問題ではありませんか?」
「こうなったなら例外になる」
「エリシアと話し合ってからお返事いたします」
キュアノス邸に帰るとママに泣かれた。
2日後からは登校を再開した。
「アレックス、イザベラ、おはよう」
「おはよう、エリシア」
「おはよう。隣国はどうだった?」
「ちょっと面倒くさかったかな」
「何それ」
「問題起こしてないよな?」
「まさか」
「おはよう チュッ」
「「!!!!!」」
「……」
ヴラシスが後ろから私を抱きしめて頭にキスをした。アレックスとイザベラは頬を染めて驚愕している。
終わった…
「殿下、おめでとうございます」
「もっと時間かかると思っていましたわ」
「2人ともありがとう。ヴラシス・キュアノスになってもよろしく」
「婚約パーティは、」
「ストップ!婚約とかそういうの全く決まってないから」
「え~、無駄な足掻きだと思うわよ?」
「そうだぞ。エリシアのような自由奔放な子はヴラシス殿下のような心の広いお方がいいんだ」
「エリシアは素晴らしい友人に恵まれて幸せ者だな」
学生食堂でそんな話をしてしまったがために、翌日にはキュアノス邸や王家に祝いの品が届き始めた。私のせいじゃない。ヴラシスが学園でも甘く接するとは思わなかっただけ。
「あなた、もう避けようがなさそうね」
「だが気に食わん」
パパとママが贈り物を前に溜息をついた。
週末、王宮で話し合いの席が設けられた。
「こちらの条件としましては、卒業後に陛下の執務補佐室の見習いとして3年間従事していただくこと、その後のことは陛下が配属を決めてください。キュアノス家に領地はありませんので領地運営の仕事はございません。その代わり外できちんと働いて給金を家に入れる必要があります」
「領地を与えようか?」
「適した物件はございません」
「ヴラシス」
「エリシアと一緒にいるためなら異論はありません。しかもお義父上と同じ職場の方が安心です」
「…まあ、そういう見方もできるな。キュアノス子爵に預ければ間違いないだろう」
「子爵家に婿入りするのですから、妻はエリシア1人だけですし、妾も愛人も持てませんよ」
「そんなものは要りません。エリシアに全てを捧げます」
「では婚約ということでいいか?」
「はい、陛下」
直ぐに王宮から婚約の知らせを発信し周知された。
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