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メリッサの生い立ち
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【 メリッサの視点 】
私だってクロネック子爵の実子なのにいつも差別される。
親戚の集まりでお父様とお母様の目の届かない所ではあからさまだった。
特に本家の双子の姉弟が中心となって差別する。
『アリサ。こっちに来なよ』
『こんなに痩せて。悪女に虐めれてるんでしょう』
『……』
私も座ろうとすると、
『あっちに座りなさい』
『そうだ。不義の子の席はここには無い』
『ふぎ?』
『結婚している男を誑かして寝盗って出来た子だからな』
『誑かすなんて言葉は、この馬鹿には分からないわよ』
『つまり、結婚した夫婦の間に割り込み、身体を使って他人の夫を盗む悪い女がお前の母親だ。
その結果、産まれたのが汚らわしいメリッサだ』
『お母様はお父様と結婚してるもん!』
『あんたが産まれた時はお屋敷に住んでいなかったでしょう。
その時は、本物の子爵夫人は生きていたの。
つまり、子爵とあんたの母親は結婚出来るわけがないの。
正当な子爵家の子はマーク様とアリサだけなのよ』
『え?』
『マーク様とアリサのお母様は元伯爵令嬢。あんたの母親は貧乏男爵の子沢山のうちの一人で、口減しにクロネック邸で働いていた下級メイドなの。
身分も格も違いすぎるわ。
あのふしだらな身体で別に部屋を借りてもらって、囲われてご奉仕する仕事に変更したのがあんたの母親。
泥棒の上に、専属娼婦を後妻迎えるなんて』
夜にお母様にそのことを話すと、興奮しながらお父様に泣き付いた。
『あんまりですわ!』
『言い方は良くないが、事実だろう。
相手は本家の侯爵家。逆らえないのだよ。
双子はいずれ外に出される身だし、メリッサも嫁に行く身だ。それまで我慢しなさい』
『そんな! 何とかしてください! 旦那様!』
『煩い!
妻が伯爵令嬢だったのも、お前が没落しかけた男爵家の娘だったのも、下級メイドの立場で愛人契約を願い出たのも事実だろう!
お前が妻に“子が生まれたから屋敷に住まわせてくれ” なんて手紙を送るから、妻は治療を拒否して死を選んだ!お前が殺したようなものだ!』
『メリッサも子爵家の血が流れているのに、私達だけ貸アパートなんて』
『王都にあの広さのアパートを借りるのにいくらかかると思ってるんだ!!
お前の生家では絶対に借りれない部屋なんだぞ!』
『そ、それは…でも後妻に迎えてくださったではありませんか』
『妻の実家の伯爵家が、死の真相を知って支援を切ってしまって、あの部屋を借りる金が工面できなかったからだ。
お前達を屋敷に迎えた後、本家の侯爵家に援助を頼んだ。
伯爵家の5分の1しか出さないと言われた。
侯爵夫人と妻は友人だったから、かなり怒っていらしたが、マークとアリサのためだと言って平伏して頼んだんだ。
私がどれだけ惨めだったか分かるか?
伯爵家からは、妻の忘形見のマークとアリサを寄越せと言われ、そこでも、立派に育てることで償いをさせて欲しいと床を舐めるように頭を下げた』
『渡して、メリッサに婿を迎えさせれば、』
『マークとアリサの兄妹と、メリッサではまるで価値が違うんだよ。
あの二人は伯爵家の相続の権利を持っているし、妻の遺産も受け継いでいるんだ。
メリッサにそんな資産があるか?』
『ううっ』
『そもそも、避妊薬を渡して飲むよう命じたのに、勝手に孕んだのはお前だろう。
メリッサには身分相応の暮らしをさせて、マークとアリサに敬意を払え。分かったな』
信じられなかった。
私はお母様から、お父様に一目惚れされて望まれたと聞かされていた。
私のことも、待望の子だと……全部嘘だったの?
私だってクロネック子爵の実子なのにいつも差別される。
親戚の集まりでお父様とお母様の目の届かない所ではあからさまだった。
特に本家の双子の姉弟が中心となって差別する。
『アリサ。こっちに来なよ』
『こんなに痩せて。悪女に虐めれてるんでしょう』
『……』
私も座ろうとすると、
『あっちに座りなさい』
『そうだ。不義の子の席はここには無い』
『ふぎ?』
『結婚している男を誑かして寝盗って出来た子だからな』
『誑かすなんて言葉は、この馬鹿には分からないわよ』
『つまり、結婚した夫婦の間に割り込み、身体を使って他人の夫を盗む悪い女がお前の母親だ。
その結果、産まれたのが汚らわしいメリッサだ』
『お母様はお父様と結婚してるもん!』
『あんたが産まれた時はお屋敷に住んでいなかったでしょう。
その時は、本物の子爵夫人は生きていたの。
つまり、子爵とあんたの母親は結婚出来るわけがないの。
正当な子爵家の子はマーク様とアリサだけなのよ』
『え?』
『マーク様とアリサのお母様は元伯爵令嬢。あんたの母親は貧乏男爵の子沢山のうちの一人で、口減しにクロネック邸で働いていた下級メイドなの。
身分も格も違いすぎるわ。
あのふしだらな身体で別に部屋を借りてもらって、囲われてご奉仕する仕事に変更したのがあんたの母親。
泥棒の上に、専属娼婦を後妻迎えるなんて』
夜にお母様にそのことを話すと、興奮しながらお父様に泣き付いた。
『あんまりですわ!』
『言い方は良くないが、事実だろう。
相手は本家の侯爵家。逆らえないのだよ。
双子はいずれ外に出される身だし、メリッサも嫁に行く身だ。それまで我慢しなさい』
『そんな! 何とかしてください! 旦那様!』
『煩い!
妻が伯爵令嬢だったのも、お前が没落しかけた男爵家の娘だったのも、下級メイドの立場で愛人契約を願い出たのも事実だろう!
お前が妻に“子が生まれたから屋敷に住まわせてくれ” なんて手紙を送るから、妻は治療を拒否して死を選んだ!お前が殺したようなものだ!』
『メリッサも子爵家の血が流れているのに、私達だけ貸アパートなんて』
『王都にあの広さのアパートを借りるのにいくらかかると思ってるんだ!!
お前の生家では絶対に借りれない部屋なんだぞ!』
『そ、それは…でも後妻に迎えてくださったではありませんか』
『妻の実家の伯爵家が、死の真相を知って支援を切ってしまって、あの部屋を借りる金が工面できなかったからだ。
お前達を屋敷に迎えた後、本家の侯爵家に援助を頼んだ。
伯爵家の5分の1しか出さないと言われた。
侯爵夫人と妻は友人だったから、かなり怒っていらしたが、マークとアリサのためだと言って平伏して頼んだんだ。
私がどれだけ惨めだったか分かるか?
伯爵家からは、妻の忘形見のマークとアリサを寄越せと言われ、そこでも、立派に育てることで償いをさせて欲しいと床を舐めるように頭を下げた』
『渡して、メリッサに婿を迎えさせれば、』
『マークとアリサの兄妹と、メリッサではまるで価値が違うんだよ。
あの二人は伯爵家の相続の権利を持っているし、妻の遺産も受け継いでいるんだ。
メリッサにそんな資産があるか?』
『ううっ』
『そもそも、避妊薬を渡して飲むよう命じたのに、勝手に孕んだのはお前だろう。
メリッサには身分相応の暮らしをさせて、マークとアリサに敬意を払え。分かったな』
信じられなかった。
私はお母様から、お父様に一目惚れされて望まれたと聞かされていた。
私のことも、待望の子だと……全部嘘だったの?
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