【完結】継母に婚約者を寝取られましたが、何故かモテています

ユユ

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兄の溜息


兄である国王陛下は溜息を吐いた後、ガゼボで人払いをした上で質問を続けた。

「基本的な王女の婚姻相手の条件は何だ」

「初婚、高位貴族、見合う手柄をあげた者、近親者ではないこと…でしょうか」

「そうだな」

「……」

陛下が何をお考えなのか分からない。兄妹としてもあまり関わってこなかったから尚更分からない。

「条件を抜きにしてハイダー将軍をどう思う」

「すごい方だなと」

「後は?」

「強そう…厳しそう…女性に興味無さそう?」

「何度か会っただろう」

「はい」

「昔 庭園にエスコートされたのではなかったか?」

「無理にそのようなことをさせられてお可哀想でした」

「何故そう思う」

「お父様に命じられて応じてくださっただけですわ。ずっと同じ険しい顔をなさっていらして、お忙しいのに無駄な時間に付き合わせてしまって申し訳なく思いました。
お父様も何がしたかったのかさっぱり分かりません」

「はぁ~」

「私には陛下のお心は読めません」

大きな溜息を吐く陛下に、はっきり言ってくれないと分からないと伝えたのに、あやふやな話は続いた。

「ファルーク神判長はどうだ」

「どうとは?」

「将軍と同じ質問だ」

「神判長になったことを踏まえると信心深い、優しいお方です」

「優しい?」

「はい。洗濯場にお越しになり労いをかけてくださいます」

「いつから」

「ファルーク様と初めてお会いしたのは子供の頃ですが、大人になってからでしょうか。お茶のお誘いは副神判長になってからでしょうか」

「お茶?」

「行くと必ずお見かけしてお声がけをしてくださいます。下女にも労うお優しい方なのですね。
そこに紛れている私にお茶のお誘いをしてくださいます。王女だからお気遣いくださったのでしょう。

“王女だからといってお気遣いはなさらずに”とお願いしましたら、頻度は下がりました。その時は他の下女の評価などをお尋ねでした。最初からそれが目的だったと知っていたら、変な遠慮をしませんでしたのに」

「これは困ったな」

「陛下?……よく分かりませんが、申し訳ございません」

「こんなに箱入りだったとは」

「……?」

「参ったな」

「サージ様やジャミラ様に騙されたからでしょうか」

「そうじゃない。
エリサがあの二人の関係に気付き罠を仕掛けたことに感心している。

それとは別でこんなに色恋に疎いと知らなかった。

いいか、エリサ。確かに姉上や母上とは似ていないが、父上だって端正な顔立ちで、エリサも美しい。タイプが違うだけなんだ。
例えて言えば母上や姉上は儚い感じの美人、ジャミラは妖艶な美人、エリサは凛々しい美人だ。

儚い美人には庇護欲を、妖艶な美人には性欲を、凛々しい美人には服従欲が沸く。

だが、優れている者は凛々しい美人に何を思う?」

「まさか、私は狙われているのですか!?」

「そうだ」

「ハイダー将軍やファルーク様に敵う訳がないではありませんか!跪けと言うならそうします!」

「……エリサ」

「敵視する必要などありませんのに」

「エリサ、違う」

「 ? 」

「違う」

「出る杭を打つ的な?」

「違う」

「……戻ってもいいですか」

「駄目だ。
エリサは昔から献身的で誰にでも優しい高貴な凛々しい美人だ。そんな女を射止められる者はそういない。サージはジャミラのおかげで婚約者になれたが普通はサージが望んだだけではエリサには釣り合わない。

エリサに釣り合うとすればハイダー将軍やファルーク神判長だろう」

「あの、将軍は望まれておりませんわ。
それにファルーク様は神に仕えるお方ではありませんか」

「先ず、神に仕えていても神判長クラスになれば妻を娶れる。政略結婚は認められないが」

「はい。存じ上げております」

「では何故“神に仕える方”と言うんだ」

「ファルーク様は実力もあり、神判長にもなれたお方で美貌の持ち主です。陛下の妹でない限り、私をお召しになるなどあり得ません」

「なんだか将軍と神判長が哀れに思えてきたぞ」

「その通りです。私などと婚姻させられたら哀れですわ」

「エリサ」

「はい」

「お前は無自覚に男を振り回すのだな」

「はい?」

「ハイダー将軍がのは、エリサが後妻でも受け入れると言ったからだ。
本来なら将軍は初婚ではないから求婚できない」

「……」

「そしてエリサの今後を聞いてファルーク神判長が私のところに来て求婚していった。先触れも無しに息を切らしてやってきた。“エリサ王女様の件で大事な話があります”と言われなければ日を改めてくれと言うところだった。
 
だが、既にハイダー将軍に教えてしまった後で、求婚者は2人になった。
どちらを選ぶかはエリサ次第だ」

「そんな!陛下が決めてください」

「どっちに恨まれるのも嫌だ。エリサが決めたなら恨まれないで済む」

「何かの間違いなんてことは」

「無いな」

「そんな」

「ハイダー将軍は亡くなった前妻とは見合い婚だ。
大変だぞ。大物2人からの求婚なんて」

「私には無理です!」

「頑張って決めてくれ。どちらかを愛してくれたらありがたいな。あんなことがあった後なら尚更だ。二股は駄目だぞ」

その後は交流について説明を受けた。

誰か助けて!

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