26 / 52
刑の執行
しおりを挟む
【 イアンの視点 】
「殿下、証言台へ!」
王子は力無く証言台まで歩いた。
「王子殿下。卒業パーティであなたの婚約者がカレン・クロイナーを虐めていたことを断罪する前に調査をさせましたか?」
「え?」
「多くの証言の通り、虐めだの嫌がらせだのはクロイナーの自作自演でした。
つまり、あなたの婚約者によって虐められたと言ったのはクロイナーだけでは?」
「……」
「当然 調査をなさったのですよね?」
「……」
「答えていただかなければ黙秘として進行します」
「調査をさせていない」
「何故ですか?」
「カレンが言ったから」
「クロイナーが言えば全てが真実だと判断したのですね?それは王子殿下がカレン・クロイナーと不貞をしていたからですね?」
「…そうかもしれない」
「虐めなどについて冤罪でしたし、淫乱と呼ばれることになった事件も被害者だと分かりましたし、バルド侯爵と婚姻後の花嫁検診で、ラヴィア・バルド夫人は純潔だと証明されました。今現在も純潔とのことで、異議があれば宮廷医に確認させてもいいそうです。
つまり、王子殿下の婚約破棄は契約違反となります」
「純潔!?」
「あなたの元婚約には1%の非もありませんでした。
現在はバルド侯爵籍ですので、バルド家に賠償の申し立ての権利が移っています。
バルド侯爵、希望の罰はありますか」
「妻を犯そうとした4人の男達は私がこの場で処刑をします。公女であり、王子殿下の婚約者であった女性を犯そうとしましたし、“公女に誘われた”と殿下と学園長に証言している以上、王族への偽証も成り立ちます。婚約破棄の決め手となったのですから処刑を間逃れることはありません。
殿下は目の前で、結果をご覧ください。王族が判断を間違えた結果をその目にその鼻にその耳に焼き付けてください」
「許可しよう。4人を並べろ」
「た、助けてください!」
「未遂ですよ!?」
「僕達だって、カレンに騙されてっ」
「処刑されるようなことはしていません!」
兵士は騒ぐ4人を押さえ付け正座をさせた。
「未遂だから?処刑されるようなことはしていない?
だが、卒業パーティの日の夜に、妻は首を吊ったのだぞ。メイドが偶然 公女の部屋の近くを通って異変に気が付かなければ妻は確実に死んでいた。
俺はお前たちの首を持って領地へ帰っても、“こんなに簡単に殺したのか”と叱られるだろう。それだけ酷いことをしたんだ!」
「ラヴィアが首を吊った?」
「殿下、私の妻を“ラヴィア”と呼ばないでください。さあ、ここまで来てしっかり見届けてください。目を逸らすことは許されませんよ」
俺は順番に剣を振り下ろし、首を斬り落としていった。
直視できない者が多い。王子は蒼白だった。
王子の靴や服は、4人の切断面から噴出する血で染まっていた。
「次はカレン・クロイナー。この女も斬首しようと思ったが、おまえは簡単に死なせてはならないな。
だが、泥棒としての罰を受けてもらおう」
「泥棒?何も盗んでいないわ!」
「婚約者を盗んだだろう。取り巻きや他の令息も含めると何人盗んだんだろうな。この程度の容姿で」
「なっ!」
「殿下、よく使われる泥棒に対する平民の処罰方法は何ですか」
「……手を…斬り落とす」
「御名答です、殿下。クロイナーには両手切断の罰を与える。
殿下には不貞行為の罰として、殿下がクロイナーの両手を斬り落としてください」
「は?」
「私が?」
「やらなければ、殿下はどうなるでしょうね」
腰に刺していた中剣を抜いて渡した。王子は剣術は得意ではない。きっと一刀両断は無理だろう。それも狙いだ。
「止めて!放して!!」
木の台が置かれると、兵士がクロイナーの腕を掴み台に乗せた。
「パトリック様、しないわよね?
お願い、助けて!」
「……」
ザクッ
「ギャアアアアアッ!!」
「落とせていません。剣を抜いてもう一度」
「嫌!!止めて!!ギャアアアアアッ!!」
殿下は剣を振り下ろすも、最初の切り口へ剣を下ろせず、切り口が増えていくだけでなかなか斬り落とせなかった。
10回以上振り下ろし、斬り落とせた頃にはクロイナーは失神していた。
「殿下、証言台へ!」
王子は力無く証言台まで歩いた。
「王子殿下。卒業パーティであなたの婚約者がカレン・クロイナーを虐めていたことを断罪する前に調査をさせましたか?」
「え?」
「多くの証言の通り、虐めだの嫌がらせだのはクロイナーの自作自演でした。
つまり、あなたの婚約者によって虐められたと言ったのはクロイナーだけでは?」
「……」
「当然 調査をなさったのですよね?」
「……」
「答えていただかなければ黙秘として進行します」
「調査をさせていない」
「何故ですか?」
「カレンが言ったから」
「クロイナーが言えば全てが真実だと判断したのですね?それは王子殿下がカレン・クロイナーと不貞をしていたからですね?」
「…そうかもしれない」
「虐めなどについて冤罪でしたし、淫乱と呼ばれることになった事件も被害者だと分かりましたし、バルド侯爵と婚姻後の花嫁検診で、ラヴィア・バルド夫人は純潔だと証明されました。今現在も純潔とのことで、異議があれば宮廷医に確認させてもいいそうです。
つまり、王子殿下の婚約破棄は契約違反となります」
「純潔!?」
「あなたの元婚約には1%の非もありませんでした。
現在はバルド侯爵籍ですので、バルド家に賠償の申し立ての権利が移っています。
バルド侯爵、希望の罰はありますか」
「妻を犯そうとした4人の男達は私がこの場で処刑をします。公女であり、王子殿下の婚約者であった女性を犯そうとしましたし、“公女に誘われた”と殿下と学園長に証言している以上、王族への偽証も成り立ちます。婚約破棄の決め手となったのですから処刑を間逃れることはありません。
殿下は目の前で、結果をご覧ください。王族が判断を間違えた結果をその目にその鼻にその耳に焼き付けてください」
「許可しよう。4人を並べろ」
「た、助けてください!」
「未遂ですよ!?」
「僕達だって、カレンに騙されてっ」
「処刑されるようなことはしていません!」
兵士は騒ぐ4人を押さえ付け正座をさせた。
「未遂だから?処刑されるようなことはしていない?
だが、卒業パーティの日の夜に、妻は首を吊ったのだぞ。メイドが偶然 公女の部屋の近くを通って異変に気が付かなければ妻は確実に死んでいた。
俺はお前たちの首を持って領地へ帰っても、“こんなに簡単に殺したのか”と叱られるだろう。それだけ酷いことをしたんだ!」
「ラヴィアが首を吊った?」
「殿下、私の妻を“ラヴィア”と呼ばないでください。さあ、ここまで来てしっかり見届けてください。目を逸らすことは許されませんよ」
俺は順番に剣を振り下ろし、首を斬り落としていった。
直視できない者が多い。王子は蒼白だった。
王子の靴や服は、4人の切断面から噴出する血で染まっていた。
「次はカレン・クロイナー。この女も斬首しようと思ったが、おまえは簡単に死なせてはならないな。
だが、泥棒としての罰を受けてもらおう」
「泥棒?何も盗んでいないわ!」
「婚約者を盗んだだろう。取り巻きや他の令息も含めると何人盗んだんだろうな。この程度の容姿で」
「なっ!」
「殿下、よく使われる泥棒に対する平民の処罰方法は何ですか」
「……手を…斬り落とす」
「御名答です、殿下。クロイナーには両手切断の罰を与える。
殿下には不貞行為の罰として、殿下がクロイナーの両手を斬り落としてください」
「は?」
「私が?」
「やらなければ、殿下はどうなるでしょうね」
腰に刺していた中剣を抜いて渡した。王子は剣術は得意ではない。きっと一刀両断は無理だろう。それも狙いだ。
「止めて!放して!!」
木の台が置かれると、兵士がクロイナーの腕を掴み台に乗せた。
「パトリック様、しないわよね?
お願い、助けて!」
「……」
ザクッ
「ギャアアアアアッ!!」
「落とせていません。剣を抜いてもう一度」
「嫌!!止めて!!ギャアアアアアッ!!」
殿下は剣を振り下ろすも、最初の切り口へ剣を下ろせず、切り口が増えていくだけでなかなか斬り落とせなかった。
10回以上振り下ろし、斬り落とせた頃にはクロイナーは失神していた。
1,686
あなたにおすすめの小説
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』
鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
どうして別れるのかと聞かれても。お気の毒な旦那さま、まさかとは思いますが、あなたのようなクズが女性に愛されると信じていらっしゃるのですか?
石河 翠
恋愛
主人公のモニカは、既婚者にばかり声をかけるはしたない女性として有名だ。愛人稼業をしているだとか、天然の毒婦だとか、聞こえてくるのは下品な噂ばかり。社交界での評判も地に落ちている。
ある日モニカは、溺愛のあまり茶会や夜会に妻を一切参加させないことで有名な愛妻家の男性に声をかける。おしどり夫婦の愛の巣に押しかけたモニカは、そこで虐げられている女性を発見する。
彼女が愛妻家として評判の男性の奥方だと気がついたモニカは、彼女を毎日お茶に誘うようになり……。
八方塞がりな状況で抵抗する力を失っていた孤独なヒロインと、彼女に手を差し伸べ広い世界に連れ出したしたたかな年下ヒーローのお話。
ハッピーエンドです。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID24694748)をお借りしています。
傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。
石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。
そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。
新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。
初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵令息から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
誓いを忘れた騎士へ ―私は誰かの花嫁になる
吉乃
恋愛
「帰ってきたら、結婚してくれる?」
――あの日の誓いを胸に、私は待ち続けた。
最初の三年間は幸せだった。
けれど、騎士の務めに赴いた彼は、やがて音信不通となり――
気づけば七年の歳月が流れていた。
二十七歳になった私は、もう結婚をしなければならない。
未来を選ぶ年齢。
だから、別の男性との婚姻を受け入れると決めたのに……。
結婚式を目前にした夜。
失われたはずの声が、突然私の心を打ち砕く。
「……リリアナ。迎えに来た」
七年の沈黙を破って現れた騎士。
赦せるのか、それとも拒むのか。
揺れる心が最後に選ぶのは――
かつての誓いか、それとも新しい愛か。
お知らせ
※すみません、PCの不調で更新が出来なくなってしまいました。
直り次第すぐに更新を再開しますので、少しだけお待ちいただければ幸いです。
大嫌いな幼馴染の皇太子殿下と婚姻させられたので、白い結婚をお願いいたしました
柴野
恋愛
「これは白い結婚ということにいたしましょう」
結婚初夜、そうお願いしたジェシカに、夫となる人は眉を顰めて答えた。
「……ああ、お前の好きにしろ」
婚約者だった隣国の王弟に別れを切り出され嫁ぎ先を失った公爵令嬢ジェシカ・スタンナードは、幼馴染でありながら、たいへん仲の悪かった皇太子ヒューパートと王命で婚姻させられた。
ヒューパート皇太子には陰ながら想っていた令嬢がいたのに、彼女は第二王子の婚約者になってしまったので長年婚約者を作っていなかったという噂がある。それだというのに王命で大嫌いなジェシカを娶ることになったのだ。
いくら政略結婚とはいえ、ヒューパートに抱かれるのは嫌だ。子供ができないという理由があれば離縁できると考えたジェシカは白い結婚を望み、ヒューパートもそれを受け入れた。
そのはず、だったのだが……?
離縁を望みながらも徐々に絆されていく公爵令嬢と、実は彼女のことが大好きで仕方ないツンデレ皇太子によるじれじれラブストーリー。
※こちらの作品は小説家になろうにも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる