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看板夫婦
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カラン カラン
「いらっしゃいませ」
「郡司と連れです」
「お待ちしておりました」
迎えでたウェイターは郡司さんの名を聞くと店の中に通した。ドアには貸切の札が出ていた。
小さなレストランは立食になっていて、少しだけおしゃれをしたと言った感じの人達がお喋りをしていた。年齢層は二十~三十代。
「二条さん?」
「二条と申します。初めまして」
「郡司の妻で社長の森遥と申します。仕事では旧姓のまま仕事をしているんです」
「今日はどのようなパーティなのですか?」
「創立10周年を身内で祝うことにしたんです。とはいってもこの通りの立食会ですけど。お酒は、」
「森さん、彼女は飲まないんだ」
「そうなの。ではジュースを」
ウェイターがグラスを渡してくれた。
「皆さん、ご紹介します!」
森社長は社員に私の紹介を始めた。
「こちらの方は主人の仕事仲間の二条さんです。私がお願いして来ていただきました。お酒は勧めないようにしてください。ではもう一度乾杯をして食事を楽しみましよう、乾杯!」
「乾杯!」
どうやら10周年の挨拶や乾杯は既に済ませていて、食事は私達を待っていてくださったみたい。
ん!
「美味しいです」
「良かった。一口飲ませて」
「何言ってるんですか、郡司さん」
「味見だよ」
「持ってきましょうか?」
「一口でいいんだ」
「私、一口怪獣は嫌です」
「…ごめん」
「一口怪獣って何ですか?」
森社長が質問をした。
「外食のシェアが苦手で…元々複数のメニューに悩んでいて、シェアして楽しもうという話で注文したのならいいんですけど、それぞれ自分の食べたい物を注文したはずなのに一口ちょうだいと言われるのが嫌なんです。自分の分を一口あげるからなんて言われても、それは私の食べたいメニューではありませんし。
断るとケチとか食い意地が張ってるとか逆ギレするので一口怪獣と名付けました」
「確かに一口あげると言われても、むしろ食べたくないメニューかもしれませんしね」
「ご賛同ありがとうございます」
「郡司さん、あまり二条さんにご迷惑をかけないでね」
そう言って森社長は社員に一人一人声をかけ始めた。
「素敵な社長さんですね」
郡司さんは冷たいお茶の入ったグラスを空けると、私と同じジュースを手に取った。
「確かに美味しいな。ブラットオレンジと、なんとなく桃の香りもするし、あとは何だ?」
「何でしょう。ベリー系?」
そんな話をしているとジュワッと焼く音が聞こえた。お肉の焼けるいい香りが漂ってきた。
少し待つと焼きたてのカットステーキが並べられた。
郡司さんは3切れ取って渡してくれた。
「ありがとうございます…美味しい!」
「うん、美味しいな。今度は2人で来ようか」
「来ませんよ」
「冷たいなぁ」
「春翔さんと3人で来ましょう」
「嫌だ。妹はお兄ちゃんの言うことをきくものだぞ」
「妹を口説くお兄ちゃんなんて袋叩きに遭いますよ…あ、春翔さんからじゃないですか?」
郡司さんのスマホだけど、着信音で春翔さんだと分かった。郡司さんが通話ボタンを押したらフェイスタイムだった。
〈 え?何で楓ちゃんと一緒? 〉
「あ、妻の希望で妻の会社のパーティに招待したんです」
〈 なんで?プライベートで会ってるの? 〉
「依頼しました」
〈 ふ~ん。郡司さん、俺を誘わずに楓ちゃんだけ? 〉
「すみません、雪嶋さんは私からは気軽にお誘い出来ませんので」
〈 何で笑ってるの?楓ちゃん 〉
「今度春翔さんと3人でこのお店に来たいと話していたところだったので」
〈 本当に?行くよ。今からでも行く…って言いたいけど、実家に来てるんだよね。はぁ…楓ちゃんに会いたい 〉
「あの、パーティの最中なので」
〈 そっか、ごめんね楓ちゃん、またね 〉
そう言って通話は切れてしまった。
郡司さんにかけてきたはずなのに、私にまたねと言って切るなんて。
郡司さんに用事があったんじゃないのかな。
「掛け直した方が」
「いや、夜にかけ直すよ」
郡司さんがスマホをしまうと社員さんが話しかけてきた。
「凄い!今の雪嶋春翔じゃないですか!お友達なんですか?」
「まあ…」
「いいなぁ、僕も知り合いたいです」
「雪嶋さんとはお仕事の付き合いがあるので紹介のようなことはできないよ」
郡司さんははっきり断った。
「二条さんはおいくつですか」
「馬鹿、年齢を聞くな」
先輩社員らしき人が窘めてくれた。
「お仕事は何をなさっているんですか?」
別の女子社員が私に質問をした。
「彼女は人助けかな」
「もしかして雪嶋さんが入院していた病院の看護師さんとか。こんな美人看護師さんがいたら採血の失敗くらい何度でも我慢できるよ」
「彼女は別件の付き合いなんだ」
郡司さんが代わりに答えると女子社員が別の質問をした。
「郡司さんと二条さんは具体的にはどういったご関係ですか?とても仲が良さそうですけど特別な関係ですか?」
「仕事仲間だよ。契約上、どんな仕事かは話せないんだ」
「それだけですかぁ?それ以上に見えますけど」
え?そう見えるのなら森社長に申し訳ないんだけど。私からははっきり否定した。
「違います」
「彼氏はいるんですか?」
「います」
「どんな方ですか?」
「説明し辛いです」
大人の男性かと思えば甘えたり嫉妬したり…などとは言えない。アクターについても詳しく話したくないし。
「恋人の職業は何ですか」
「セキュリティ関係です」
「セキュリティ?ああ、警備員さん」
さっきからこの人突っかかるなぁ。
「二条さんの恋人は例えるならボディガードだな。役者に現場まで付き添ったりしている格闘技経験者だよ」
郡司さんが代わりに答えてくれた。
「すごーい」
「どうやったら知り合うんですか」
「写真あります?」
またこの女性だ。せっかく郡司さんや他の社員が雰囲気を変えてくれたのに戻そうとしてくる。ここで見せないと架空の恋人で、郡司さんと訳ありだと思われちゃう。
仕方なく先日行った遊園地の写真を見せた。
「わ、かっこいい」
「遊園地デート」
「いいなぁ」
「あ、伏原選手だ」
「何だ、おまえ知ってるのか」
「大学時代の友人が伏原選手の格闘技仲間で、よく写真や動画を見せてもらいました。めっちゃ強くてカッコいいんですよ。怪我さえしなければテレビに出て有名人になったはずだと啓太が言ってました」
「え?啓太さんの友人ですか?左の眉尻に傷跡のある?」
「そう!格闘技じゃなくて酔っ払って転んで放置自転車に飛び込んで出来た傷!
啓太を知ってるんですか!?」
「2人は同じ会社で働いているんです」
「うわー!鳥肌立った!何この偶然!啓太何で伏原選手と一緒にいるって教えてくれなかったんだよ!」
「貸切でもここはレストランだから声を落として」
「すみません、郡司さん」
そこで、ずっと突っかかってきていた女性社員が失礼なことを言い始めた。
「そうなんですね。でも有名人になる前に怪我で引退されたんですか?それだと将来不安ですよね」
さすがに腹が立って、ハッキリ言い返すことにした。
「今は副社長から跡継ぎ指名をされて経営者教育の最中です。ご心配どうもありがとうございます」
「っ!」
「あんまり変な質問をしないでくれないか。わざわざ来てもらったゲストに失礼だろう。こういう会社の行事でしでかすようだと昇進は望めないんじゃないか?」
「っ!失礼しました」
バツが悪そうに謝って私から離れたけど、遠くから見ていたらしい森社長に呼び出されて、戻ってきた彼女からは笑みは消えていた。
「いらっしゃいませ」
「郡司と連れです」
「お待ちしておりました」
迎えでたウェイターは郡司さんの名を聞くと店の中に通した。ドアには貸切の札が出ていた。
小さなレストランは立食になっていて、少しだけおしゃれをしたと言った感じの人達がお喋りをしていた。年齢層は二十~三十代。
「二条さん?」
「二条と申します。初めまして」
「郡司の妻で社長の森遥と申します。仕事では旧姓のまま仕事をしているんです」
「今日はどのようなパーティなのですか?」
「創立10周年を身内で祝うことにしたんです。とはいってもこの通りの立食会ですけど。お酒は、」
「森さん、彼女は飲まないんだ」
「そうなの。ではジュースを」
ウェイターがグラスを渡してくれた。
「皆さん、ご紹介します!」
森社長は社員に私の紹介を始めた。
「こちらの方は主人の仕事仲間の二条さんです。私がお願いして来ていただきました。お酒は勧めないようにしてください。ではもう一度乾杯をして食事を楽しみましよう、乾杯!」
「乾杯!」
どうやら10周年の挨拶や乾杯は既に済ませていて、食事は私達を待っていてくださったみたい。
ん!
「美味しいです」
「良かった。一口飲ませて」
「何言ってるんですか、郡司さん」
「味見だよ」
「持ってきましょうか?」
「一口でいいんだ」
「私、一口怪獣は嫌です」
「…ごめん」
「一口怪獣って何ですか?」
森社長が質問をした。
「外食のシェアが苦手で…元々複数のメニューに悩んでいて、シェアして楽しもうという話で注文したのならいいんですけど、それぞれ自分の食べたい物を注文したはずなのに一口ちょうだいと言われるのが嫌なんです。自分の分を一口あげるからなんて言われても、それは私の食べたいメニューではありませんし。
断るとケチとか食い意地が張ってるとか逆ギレするので一口怪獣と名付けました」
「確かに一口あげると言われても、むしろ食べたくないメニューかもしれませんしね」
「ご賛同ありがとうございます」
「郡司さん、あまり二条さんにご迷惑をかけないでね」
そう言って森社長は社員に一人一人声をかけ始めた。
「素敵な社長さんですね」
郡司さんは冷たいお茶の入ったグラスを空けると、私と同じジュースを手に取った。
「確かに美味しいな。ブラットオレンジと、なんとなく桃の香りもするし、あとは何だ?」
「何でしょう。ベリー系?」
そんな話をしているとジュワッと焼く音が聞こえた。お肉の焼けるいい香りが漂ってきた。
少し待つと焼きたてのカットステーキが並べられた。
郡司さんは3切れ取って渡してくれた。
「ありがとうございます…美味しい!」
「うん、美味しいな。今度は2人で来ようか」
「来ませんよ」
「冷たいなぁ」
「春翔さんと3人で来ましょう」
「嫌だ。妹はお兄ちゃんの言うことをきくものだぞ」
「妹を口説くお兄ちゃんなんて袋叩きに遭いますよ…あ、春翔さんからじゃないですか?」
郡司さんのスマホだけど、着信音で春翔さんだと分かった。郡司さんが通話ボタンを押したらフェイスタイムだった。
〈 え?何で楓ちゃんと一緒? 〉
「あ、妻の希望で妻の会社のパーティに招待したんです」
〈 なんで?プライベートで会ってるの? 〉
「依頼しました」
〈 ふ~ん。郡司さん、俺を誘わずに楓ちゃんだけ? 〉
「すみません、雪嶋さんは私からは気軽にお誘い出来ませんので」
〈 何で笑ってるの?楓ちゃん 〉
「今度春翔さんと3人でこのお店に来たいと話していたところだったので」
〈 本当に?行くよ。今からでも行く…って言いたいけど、実家に来てるんだよね。はぁ…楓ちゃんに会いたい 〉
「あの、パーティの最中なので」
〈 そっか、ごめんね楓ちゃん、またね 〉
そう言って通話は切れてしまった。
郡司さんにかけてきたはずなのに、私にまたねと言って切るなんて。
郡司さんに用事があったんじゃないのかな。
「掛け直した方が」
「いや、夜にかけ直すよ」
郡司さんがスマホをしまうと社員さんが話しかけてきた。
「凄い!今の雪嶋春翔じゃないですか!お友達なんですか?」
「まあ…」
「いいなぁ、僕も知り合いたいです」
「雪嶋さんとはお仕事の付き合いがあるので紹介のようなことはできないよ」
郡司さんははっきり断った。
「二条さんはおいくつですか」
「馬鹿、年齢を聞くな」
先輩社員らしき人が窘めてくれた。
「お仕事は何をなさっているんですか?」
別の女子社員が私に質問をした。
「彼女は人助けかな」
「もしかして雪嶋さんが入院していた病院の看護師さんとか。こんな美人看護師さんがいたら採血の失敗くらい何度でも我慢できるよ」
「彼女は別件の付き合いなんだ」
郡司さんが代わりに答えると女子社員が別の質問をした。
「郡司さんと二条さんは具体的にはどういったご関係ですか?とても仲が良さそうですけど特別な関係ですか?」
「仕事仲間だよ。契約上、どんな仕事かは話せないんだ」
「それだけですかぁ?それ以上に見えますけど」
え?そう見えるのなら森社長に申し訳ないんだけど。私からははっきり否定した。
「違います」
「彼氏はいるんですか?」
「います」
「どんな方ですか?」
「説明し辛いです」
大人の男性かと思えば甘えたり嫉妬したり…などとは言えない。アクターについても詳しく話したくないし。
「恋人の職業は何ですか」
「セキュリティ関係です」
「セキュリティ?ああ、警備員さん」
さっきからこの人突っかかるなぁ。
「二条さんの恋人は例えるならボディガードだな。役者に現場まで付き添ったりしている格闘技経験者だよ」
郡司さんが代わりに答えてくれた。
「すごーい」
「どうやったら知り合うんですか」
「写真あります?」
またこの女性だ。せっかく郡司さんや他の社員が雰囲気を変えてくれたのに戻そうとしてくる。ここで見せないと架空の恋人で、郡司さんと訳ありだと思われちゃう。
仕方なく先日行った遊園地の写真を見せた。
「わ、かっこいい」
「遊園地デート」
「いいなぁ」
「あ、伏原選手だ」
「何だ、おまえ知ってるのか」
「大学時代の友人が伏原選手の格闘技仲間で、よく写真や動画を見せてもらいました。めっちゃ強くてカッコいいんですよ。怪我さえしなければテレビに出て有名人になったはずだと啓太が言ってました」
「え?啓太さんの友人ですか?左の眉尻に傷跡のある?」
「そう!格闘技じゃなくて酔っ払って転んで放置自転車に飛び込んで出来た傷!
啓太を知ってるんですか!?」
「2人は同じ会社で働いているんです」
「うわー!鳥肌立った!何この偶然!啓太何で伏原選手と一緒にいるって教えてくれなかったんだよ!」
「貸切でもここはレストランだから声を落として」
「すみません、郡司さん」
そこで、ずっと突っかかってきていた女性社員が失礼なことを言い始めた。
「そうなんですね。でも有名人になる前に怪我で引退されたんですか?それだと将来不安ですよね」
さすがに腹が立って、ハッキリ言い返すことにした。
「今は副社長から跡継ぎ指名をされて経営者教育の最中です。ご心配どうもありがとうございます」
「っ!」
「あんまり変な質問をしないでくれないか。わざわざ来てもらったゲストに失礼だろう。こういう会社の行事でしでかすようだと昇進は望めないんじゃないか?」
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バツが悪そうに謝って私から離れたけど、遠くから見ていたらしい森社長に呼び出されて、戻ってきた彼女からは笑みは消えていた。
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