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初のお茶会
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今年10歳から15歳までの令息令嬢を集めたお茶会が王宮で行われる。
10歳は子供メインの茶会の解禁で、いわばお披露目だ。私はお披露目対象なので普通は親が連れて行くらしいのだけど、パパはお仕事。ママはこの人に押し切られた。
「リナ。会場では僕から離れちゃダメだからね」
「レオは心配し過ぎ」
「リナ」
「分かりました」
「今日は結構大変よ。男爵家から王家まで集まるから」
「面倒くさ」
「リナ。言葉づかい」
「レオ」
「義母上、多少言葉づかいが乱れていてもかまいません。このままのリナでいいのです」
「レオナルド様、甘やかさないで。
リナ。レオナルド様の後ろに隠れないの!」
「ママ 怖い」
「さあ、行こうか」
レオナルドに手を繋がれて出発した。
馬車の中では続きが待っていた。
「男の子の顔は見ないこと。挨拶は少し目線を下げて目を見ないこと。食べ物や飲み物を受け取らないこと。友達になりたいと言われても濁すこと」
「濁す?どうやって?」
「“お父様とお母様が決めます”とか」
「ええ~。お友達欲しいな」
「令嬢でも一回調査入れるからね」
「レオ。そろそろ私から離れたいなんてことは」
「ない」
「エリオット殿下が眩しく見えたり、ドキドキすることは」
「ない」
“貴公子の秘め事”は、エリオット王子殿下とレオナルド公子のBL小説だ。
私は小説ではイザベラという名になっていて、諦めていた頃にできた待望の第二子で可愛い女の子だった。伯爵家総出で甘やかした結果、我儘お嬢様になる。
伯爵家の令息と婚約していたのに、王子様に惚れてしまい、付き纏う。
そのきっかけがこの茶会だ。
だけどイザベラという名は気に入らなくて回避したし、王子とはもう会ってるけど全くときめかない上に、王子妃教育なんて絶対にイヤだし。
脅迫に近い婚約をレオナルドとしちゃったけど、居心地は悪くない。
だけどエリオット殿下とレオナルドはもう惹かれあっていてもいいはず。
二人が学園に通う前に王女との婚約は白紙になる。
そしてフリーの王子争奪戦が始まるのだが、王子だから当然婚約者が決まる。
私は成人するとパーティなどで王子を追いかけ回して令嬢達と激しくバトルする。特にエリオット殿下の婚約者をターゲットにして、嫌がらせをするのだ。
イザベラよりパワフルな悪役令嬢がいて、一緒くたに断罪される。
そこからの婚約破棄と王子への接近禁止を受けて、学園を早々に退学。田舎に送られ 運悪く死ぬのだ。
うん。間違いなく全て回避できる。
だけど問題はレオナルドだ。
早くエリオット殿下への気持ちに気付いて婚約解消してくれないかな。
心の準備はずっとできてるんだけどな。
視線を落とすと ずっと繋がれたままの手が視界に入った。
10歳になったので婚約の継続が検討された。
どうしても婚約継続の流れが変えられないので、レオナルドだけに生まれ変わりの話と未来に起こるであろうことを話した。
だけど“エリオットと?あり得ない”と言われて継続になった。
「リナを一人で学校に行かせるのは心配だな」
「心配?」
「この先、リナが学園に入学しても僕達は卒業しちゃうからな」
レオナルド達は3つ歳上だから学園では一緒になれない。
私は石ころみたいなものですよ?何が心配なの?
まさか、エリオット殿下とのことをバラされるのを警戒して!?
「大丈夫。私は石コロだから。秘密は守るわ」
「はぁ…」
お城に着くと、特別待遇を受ける。
宰相の息子レオナルドのせいだ。
エ「リナ。そのドレスはレオナルドが選んだの?」
私「贈り物ですがレオが選んだかは聞いていません」
レ「僕がデザイナーと話し合って作らせた1点物だよ」
何故か王族控え室に直行だった。
エ「その執着はそのうち無くなると思ったけど、赤ちゃんのときから10歳まで、濃くなる一方だな」
レ「婚約者を大事に管理するのは当然だよ」
私「……ちょっと失礼しますね」
レ「リナ。離れるなって言ったよね?」
エリオット殿下と二人きりにしてあげようと気を遣ってるのに。
私「積もる話があると思って」
レ「無いよ。先週会ったばかりだよ。座って」
それだって私もいたじゃない。
私「はい」
レ「駄目だ。これじゃ うなじが見え過ぎだ」
はい?
レ「リナ。じっとしてて」
レオナルドは私の髪を解いて結い直した。
レ「リナ。帰ったらメイドに、こんな感じに結えって言っておいて」
私「髪型くらい」
レ「リナ」
エ「レオナルド。そんなに束縛してたら逃げられるぞ」
レ「僕から? リナは賢いからそんなことは考えないよ。
それに リナはもう僕以外の男に嫁げないから」
エ「は?」
レ「リナの隅々まで知り尽くしてるから」
エ「お前……まさか」
私「レオ! 怒るよ!」
レ「……」
エ「お前…変態な上に犯罪じゃないか」
もっと言ってやって。
10歳は子供メインの茶会の解禁で、いわばお披露目だ。私はお披露目対象なので普通は親が連れて行くらしいのだけど、パパはお仕事。ママはこの人に押し切られた。
「リナ。会場では僕から離れちゃダメだからね」
「レオは心配し過ぎ」
「リナ」
「分かりました」
「今日は結構大変よ。男爵家から王家まで集まるから」
「面倒くさ」
「リナ。言葉づかい」
「レオ」
「義母上、多少言葉づかいが乱れていてもかまいません。このままのリナでいいのです」
「レオナルド様、甘やかさないで。
リナ。レオナルド様の後ろに隠れないの!」
「ママ 怖い」
「さあ、行こうか」
レオナルドに手を繋がれて出発した。
馬車の中では続きが待っていた。
「男の子の顔は見ないこと。挨拶は少し目線を下げて目を見ないこと。食べ物や飲み物を受け取らないこと。友達になりたいと言われても濁すこと」
「濁す?どうやって?」
「“お父様とお母様が決めます”とか」
「ええ~。お友達欲しいな」
「令嬢でも一回調査入れるからね」
「レオ。そろそろ私から離れたいなんてことは」
「ない」
「エリオット殿下が眩しく見えたり、ドキドキすることは」
「ない」
“貴公子の秘め事”は、エリオット王子殿下とレオナルド公子のBL小説だ。
私は小説ではイザベラという名になっていて、諦めていた頃にできた待望の第二子で可愛い女の子だった。伯爵家総出で甘やかした結果、我儘お嬢様になる。
伯爵家の令息と婚約していたのに、王子様に惚れてしまい、付き纏う。
そのきっかけがこの茶会だ。
だけどイザベラという名は気に入らなくて回避したし、王子とはもう会ってるけど全くときめかない上に、王子妃教育なんて絶対にイヤだし。
脅迫に近い婚約をレオナルドとしちゃったけど、居心地は悪くない。
だけどエリオット殿下とレオナルドはもう惹かれあっていてもいいはず。
二人が学園に通う前に王女との婚約は白紙になる。
そしてフリーの王子争奪戦が始まるのだが、王子だから当然婚約者が決まる。
私は成人するとパーティなどで王子を追いかけ回して令嬢達と激しくバトルする。特にエリオット殿下の婚約者をターゲットにして、嫌がらせをするのだ。
イザベラよりパワフルな悪役令嬢がいて、一緒くたに断罪される。
そこからの婚約破棄と王子への接近禁止を受けて、学園を早々に退学。田舎に送られ 運悪く死ぬのだ。
うん。間違いなく全て回避できる。
だけど問題はレオナルドだ。
早くエリオット殿下への気持ちに気付いて婚約解消してくれないかな。
心の準備はずっとできてるんだけどな。
視線を落とすと ずっと繋がれたままの手が視界に入った。
10歳になったので婚約の継続が検討された。
どうしても婚約継続の流れが変えられないので、レオナルドだけに生まれ変わりの話と未来に起こるであろうことを話した。
だけど“エリオットと?あり得ない”と言われて継続になった。
「リナを一人で学校に行かせるのは心配だな」
「心配?」
「この先、リナが学園に入学しても僕達は卒業しちゃうからな」
レオナルド達は3つ歳上だから学園では一緒になれない。
私は石ころみたいなものですよ?何が心配なの?
まさか、エリオット殿下とのことをバラされるのを警戒して!?
「大丈夫。私は石コロだから。秘密は守るわ」
「はぁ…」
お城に着くと、特別待遇を受ける。
宰相の息子レオナルドのせいだ。
エ「リナ。そのドレスはレオナルドが選んだの?」
私「贈り物ですがレオが選んだかは聞いていません」
レ「僕がデザイナーと話し合って作らせた1点物だよ」
何故か王族控え室に直行だった。
エ「その執着はそのうち無くなると思ったけど、赤ちゃんのときから10歳まで、濃くなる一方だな」
レ「婚約者を大事に管理するのは当然だよ」
私「……ちょっと失礼しますね」
レ「リナ。離れるなって言ったよね?」
エリオット殿下と二人きりにしてあげようと気を遣ってるのに。
私「積もる話があると思って」
レ「無いよ。先週会ったばかりだよ。座って」
それだって私もいたじゃない。
私「はい」
レ「駄目だ。これじゃ うなじが見え過ぎだ」
はい?
レ「リナ。じっとしてて」
レオナルドは私の髪を解いて結い直した。
レ「リナ。帰ったらメイドに、こんな感じに結えって言っておいて」
私「髪型くらい」
レ「リナ」
エ「レオナルド。そんなに束縛してたら逃げられるぞ」
レ「僕から? リナは賢いからそんなことは考えないよ。
それに リナはもう僕以外の男に嫁げないから」
エ「は?」
レ「リナの隅々まで知り尽くしてるから」
エ「お前……まさか」
私「レオ! 怒るよ!」
レ「……」
エ「お前…変態な上に犯罪じゃないか」
もっと言ってやって。
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